レッスンで落とす涙
2021-11-08

ある高校生の女の子とのレッスンがありました。
小学校入学前から、もう10年以上もサポートさせていただいている女の子です。
先日、その子と英語の学習をしました。
Mother's lullaby という原爆をモチーフとした教材です。
この子は、英文のスピーキング力に優れ、流ちょうにリンキングなどもちゃんと出来る女の子です。
他の教科と比べると、英語の力が突出しており、日本語を読ませた時より、英文を読ませた時の方が、ずっと目の色が輝いています。
“Mommy,” the boy was still crying.
“Be a good boy,” said the girl.
“You’ll be all right.”
She held the boy more tightly and began to sing again.
After a while the boy stopped crying and quietly died.
But the little mother did not stop singing.
It was a sad lullaby.
The girl’s voice became weaker and weaker.
Morning came and the sun rose, but the girl never moved again.
英文を、その子は日本語に訳して、用紙に書き留めていきました。
そういうスタイルの学習でしたが、彼女の口からあふれる透き通るような英語には、本当は日本語訳など全く必要のないものでした。
私はそのクオリティーの高さに、心を震わせ、感動であるれる涙をこらえるのに精いっぱいの状況でした。
英語の学習を通して、私と彼女は、ここまで深い絆で結ばれるようになったのです。
彼女も私も、月に1度のこの時間は、心と心がつながる大切な時間となっているのです。
支援者と子どもが心を通わすためには、成長を目指していくための題材や教材は重要です。
ですが、その題材や教材は、一律的なもでなくても、画一的なものでなくても、標準化されたものでなくても、それはそれで関係ないのです。
私は、毎回オリジナルの手作り教材にこだわるのは、そのためです。
標準化されたプログラムが充実してこそ、私の個別サポートは意味のあるものとなる。
その大切な花が、今日も一輪、しっかりと美しいその花弁が拓いたのです。