文字言語をイメージ化させる
2019-03-25

子どもが文字を見たとき、その字が何の時であるかをまず識別して認知します。
それまでに長期記憶に保存された情報とそれを照合して、一致すればそれが何という字なのかが認知されたことになります。
その文字のいくつかの組み合わせから、「りんご」なら「りんご」 「みかん」なら「みかん」 と意味のある内容と結びつけて理解することが出来ます。
それを文字に書いたり、音読したりすることが出来ます。
しかし、たとえ文字をすらすら書けたとしても、その意味がイメージ化出来ているかどうかは、また別問題です。
子どもによっては、文字を音声化するだけで、ショートターンメモリーを一杯に使ってしまい、内容のイメージ化が出来ていない場合もあります。
「太郎君は、昨日デパートに行って、洋服とかさとぼうしを買いました。」
こんな文章を読んだ子に、「太朗君は昨日どこに行ったの?」 とか 「何を買ったの?」 と尋ねても、きょとんとして答えられない場合だっていっぱいあるのです。
いやいや今読んだばっかりやろ、と突っ込むのは、それはその人がイメージ化がしっかり出来るまで学習経験を積んだ大人であるからで、その人だって小さいときには、きっと同じようなことだってあったはずです。
今私は、読解指導の場面で、iPadProの音声検索を時々使用しています。
例えば、子どもがシロツメクサって何?って尋ねてきた時には、iPadに 「シロツメクサ」 と音声入力すれば即座にシロツメクサの映像が何十枚と表示されます。
子どもは自分が知りたい内容が、瞬時に映像化されるので、とても喜びます。
こうした学習を通して、子どもたちはいつの間にか「シロツメクサ」と聞いただけで、そのイメージが豊かに広がっていくように成長していくのです。
学習って、何て豊かで楽しいものでしょう。
他者と比較するだけではない、子どもの学びの欲求に即した、内発的で豊かな学び、
たとえわずかの時間であっても、子どもたちはそういう時間を必要としているのだと私は思っているのです。
子どもたちのそういう願いを叶えたい、
いつだって私はそう思っているのです。