判断・記憶のメカニズム
2018-12-25


先日大学で、学生さんたちに判断や記憶のメカニズムについて伝えました。
私は現職の保育園園長であり、発達にかかわる実践者ですから、論理だけでなくて、出来るだけ実践現場での子どもの姿やエピソードを添えて話すように心がけています。
就学前の子どもの学習は、短期記憶(ワーキングメモリー)の範囲内で行われることがほとんどです。
そのワーキングメモリーで処理される内容も、言語化・符号化されたものと、感覚的なものとが混在されています。
直接目に見えたり、耳に聞こえたりする刺激が、活動が発展充実していくにつれてイメージや想像がふくらみ、だんだんとその内容に言語が添えられてくるようになります。
子どもの内発的な遊びを通して、知的発達がダイレクトに促進していくわけです。
小さい子どもの好奇心や向上心は、大人のそれとは比べものにならないくらい旺盛です。
小さい子どもは、当初泣いたり抵抗感を示すことも多いです。
ですが、そんな子ほどレッスンを重ねるにつれて、走り込むようにレッスンにやってきたり、レッスンが終わってもなかなか帰ろうとしなかったりするのです。
知的に遅れのみられる子は、学習そのものが嫌いなわけでなく、内容がかみ合わないそのもどかしさが嫌いなだけなのです。
その子の特性や脳のメカニズム、
発達段階や認知処理にあわせた内容を構成すること、
これから伸びようとする子どもの願いにそった学習、
その形はきっと、その子の心の根元でしっかりと息づいているのです。