特別支援教育 新時代 (必要とされる臨床・実践の技術=もはや理論の時代ではない)

 2008-08-05
昨日は、ある自治体の特別支援教育研修会で、保・幼・小・中の先生方、約50名に、このブログで紹介させていただいた実践についてのお話をさせていただきました。

最初は十数名と伺っていたのに、開けてみると50人ということで、それも嬉しかったことの一つです。

私が約90分話をして、残り30分が質疑応答というオーソドックスなパターンです。

以下のような柱を3本立てて、このブログでおなじみの子どもたちの指導・実践事例とそれを支えてこられたご家族のことについて伝えていきました。

 Ⅰ 学校園本来の 「集団での育ち」 という機能の大切さ

 Ⅱ 個別の発達・認知特性に寄り添った指導実践から

 Ⅲ 各学校園の役割 (子どもの自立と幸せという視点から)

安請け合いした講演でしたが、今、私自身は本当にお引き受けして良かったと感じています。

当然、パワーポイントも資料もありましたので、当日の完成度にどれだけ気を使っても、たかが知れています。

なので私は、現職の先生方が何に反応するか、それに応じて内容のバランスを変えて行こうと考えていました。

初めて3分も経たない間に、いきなり眠り始めた方もいらっしゃって、最初はちょっとずっこけました。

しかし、話を進めてくと、だんだん先生方の表情が変わっていくのがわかり、ぼんやりと聞いていた方が、中盤以降はメモを取り始めたので、これは入ったな、と思いました。(単なる思いこみかも知れませんが・・)

先生方の顔が上がり始めたのは、具体的な指導場面での臨床技術を紹介しはじめてからです。

この辺から、「またか~」みたいなムードが、「ん?」とか「えっ?」みたいな感じになってきました。


「画数の多い感じも、へんとつくりに分けて、順に提示すると書けるようになる」

「視覚的に漢字の書き順がとらえにくい子には、「たて・たて・横・たて・・・」と言葉をそえて、書かせるときちんとかける」

「問題行動を、キャラクターのごほうびで改善した事例とは・・」

「数え足しの子には、その得意なやり方に、苦手な視覚や動作の補助刺激を、同時にミックスする方法が効果的」

「最初は予備刺激程度にして欲張らない、2回目は支援をたっぷりくっつけてエラーレスに、不必要な情報と重要な情報が整理されていた3回目ころに、支援を少しずつ消去していく方法が、体験的にはグーだった」

など、これまでの具体的な指導法を紹介し、どうしてこうした指導法を生み出していくことになったか、原動力となったその背景となるご家族の願いや思いも合わせて伝えていきました。

質疑応答の時間には、数人の先生が、次々と手をあげ、予定の30分に空白の時間はありませんでした。

私の話がうまいとか、講演自体がどうだとか、そんなことは正直、あまり興味がありませんでした。

それよりも、話をしているうちに、これまで太郎君や花子さんや友里さんと取り組んできたことが、結構価値あることなのかも知れない、と感じることができたのは、何よりの収穫だと思っています。

(太郎君の電車事件も、話題になりました)

会が終わると、何人かの先生方が、「後でメールをします」「ブログ、ぜひ拝見させていただきます」とわざわざ歩みよってくださいました。

在籍8名の情緒学級の先生の「やる気と元気がわいてきました」という発言にも、心が熱くなりました。

もしも、私に太郎君・花子さん・友里ちゃんがいなかったら、こんな幸せを運んでくれることはなかったことでしょう。


今日は、4年生の友里ちゃんに「少数」の勉強を教えました。「まだ学校で習ってないけど、やるかっ!」って聞いたら、にっこりと「うん」と答えました。

朝コンビニで買ってきた1Lのアクエリアスを、0・1Lずつ小さいコップに分けていきました。「0・1Lどれくらいか、飲んでみようと」というと爆笑顔になって、お母さんのいない隙に3杯ものんじゃいました。

「わー、0・3Lも飲んじゃった感想をどうぞ」というと「もっと飲みたい」と答えていました(笑)

コップには全部、青いマジックで「0・1L」と書いています。

これなら、少数のたし算も、楽勝です。同時に、数字・数詞・具体物のマッチングにもなります。コップを上から見ると、数図ブロックと同じ形に見える→十進位取り記数法の学習にもなります。

何て楽しい時間でしょう。指導者にとっては夢のようなひとときです。

これを今日実際にすることにしたのは、昨日、講演で自分がしゃべっていて、自分で勝手に思いついたことがっきかけとなりました。考えを整理することによって生まれた気づきが、そこにあったわけです。


藤井フミヤは、自分がスターになっても、ずっと付き合ってた彼女を裏切ることなく、ゴールインしました。

私も、どんなことがあっても、「もう結構です」とお断りされるその時まで、太郎君たちの先生で居つづけたい、と思っています。

私の友達に「夢追い人」さんという方がいて、その方も臨床という2文字の魔力に取り憑かれています。

何か、わかる気がしてきた。

私も、この臨床から離れたら、すべてを失ってしまうような気がしてきました。

今、必要なのは、真に子どもに寄り添い、成果を上げた臨床実践である、そんなことを感じた、昨日の体験なのでありました。

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コメント
shinobuさん、いろいろお疲れ様です。さっきまで
一緒に飲んでましたのに、お話もせず失礼しました!
魔力に取り憑かれている夢追い人です。
50名も集まられていたのですね。よかった!小さな
地域です。元気が出た、希望が出た、そのような
先生が数名出てこられたら、地域が変わりますよね。
うーん、よかったな~。本当に嬉しいです。
【2008/08/05 22:48】 | 夢追い人 #- | [edit]
研修講師、お疲れさまでした。私も生でしのぶ先生のお話が聞きたかったです。
今年、特別支援関係の研修を二本、計4日間取っています。研修が終わったら、どんな研修だったか報告いたします。
今日、ある専科教員から耳を疑うような言葉を聞きました。自閉症の子について「わがままを言ったら厳しくしないといけないのよ。甘くするからつけあがるんだわ。」この人は、勤務校の特別支援教育コーディネーターです。特別支援教育について誰よりも勉強していなければならない人なのに・・・。
統合教育に不可欠なものとして当該児童への適切な支援、保護者との連携、教員間の共通理解があるとは思っていましたが、三つ目が一番手強そうです。
しのぶ先生の講演を聴いてきてくれれば、あまりそこにエネルギーを使わないで済みそうなのですが。思い通りに事は進まないものなのですね。
【2008/08/06 01:52】 | トリトン #- | [edit]
夢追い人さんへ

自分なりの活動を初めて約半年、振り返りのよい機会をいただきました。

自分のすべきことが見えてきました。

自分のお手々の力量をあげること、これしかないですね。

それなくしては、何も語れないし、語っても意味がない。

軸足をそこに置くことの覚悟は出来た気がします。

私の近くには、太郎君・花子ちゃん・友里ちゃんがいますから、とにかくこの子の成長と幸せのためにできることをする。

それが、すべてだと感じました。

同じ子どもに向き合う実践者だからこそ、初めて通い合う何かがあり、研修の意味があるのだと思います。

そう思っていることを、理解してもらえばありがたいです。

夢追い人さんなら、わかってもらえると信じています。
【2008/08/06 08:29】 | SHINOBU #- | [edit]
トリトンさんへ

トリトンさんの、そんじょそこらにはいない実践者・臨床家だからこそ、これまでに通じ合うことが、たくさんありましたよね。

同じように、目の前の子どもの幸せや成長をにかかわる者としての、志のようなものをいつも感じさせていただいています。

こと、臨床場面になると、細かいこと・具体的なことで、時として同僚の信じられない発言に遭遇しますよね。かくゆう私も、唖然とする発言に、強烈なダメージを受けることもしばしばで、すぐに凹んでしまいます。

この3番目、手強いですね~

だからこそ、通じ合う人は大事にしたいと考えます。

私たちが向かっている先は、半端な道のりじゃないことは、どうやら確かなような気がしてきました。

しなやかに、したたかに、前進できればよいのだけれど・・
【2008/08/06 08:41】 | SHINOBU #- | [edit]
50人の先生が意欲的に聞いてくださった=素晴らしいですね♪ 教育の現場で「具体的に困っていること」「どのように向き合ったらよいのか」「わからないことがわからない」「わからないサインをどう読むのか?(ことばでは言わないとわからない~という先生方のお話)」「ちょっとしたコツを聞くと、あ、そうか!と思うけれど、その あ、そうか!に気づくまで悩んでいた」とか いろいろです。
学校の教科書を見ると、学校で教える時間数が とても少なくて「習熟」させたくても時間が無い・・・という事がありますよね・・特に中学は実感します。=家庭学習との連携の「習慣づけ」は大切だと感じます。

岩手県奥州市の甥っ子(小5)の小学校では 学校の教科書の他にワークがあり、放課後の「補習」もあります。1学期に終わらなかった子は夏休みに小学校に登校して「学習」する事を求められます。(学校から義務づけられる)

私の小学校の頃(神奈川県川崎市)夏休みの登校はなかったのですが、「学習に自信がない子」も「学習の手伝いをしてもいいよ~~♪」という子は 放課後に残って、徹底的に覚えるまで指導を受けました。(補習を受けたい子が手をあげる方式)

いまの教育では そんな話をなかなか聞きませんが・・・みんな塾が忙しいからかな・・・。

「先生のタイミングではなく、子どもの成長のタイミング、理解のタイミングで教える技術」「子どもを行動観察する力」
先生の指導の基礎ですが、先生方に 不足しているところだと思います。
(スーパーティーチャーは違いますが・・・)

「よく見てるね~」と「ながめてるね~~」との違い・・・
子育て中のママが「○○ちゃんを見ていてね」と頼んだら、パパは「ながめているだけで、まったく何もしてくれないのよ!」とママが憤慨!
「見る」と「ながめる」は 全く違うことなんですが、その違いがなかなかわからない人は多いようです。

先生方の研修のようすを見ていると 学校の生徒達の授業の態度と とても似ています。自らが気づけば、行動は変わる・・・かな?
大学の高名な先生達は 講演で「寝られるのが一番 腹が立つ」のだそうです・・・
学校の先生だって生徒が寝ていると攻撃的に怒るでしょう?授業を中断してまで怒りまくる=みんな、同じですよね・・・大学の先生は怒って追い出したりしませんけど・・・。

良い事を書こうと思ったのに、また苦言ラッシュになってしまいまして=失礼しました。

50人の先生が 現場で実戦してくださることで、たくさんの先生に指導が理解され、力強い支援が広がっていくと信じています。
SHINOBU先生と出会った 意欲のある先生達が 教育の現場を大きく変えていけると信じています。

学校の交流教育がなかなか進まない現場では、交流教育を「英語」からはじめてみてください♪ 楽しく交流できる一番のスタートになると思いますよ♪
私の経験した学校では 全ての学校で導入し、成功しています♪
トライしてみてください♪
【2008/08/06 08:44】 | マドンナ #CFnWuolQ | [edit]
マドンナさんへ

いやいや、開始5分で寝られると、やっぱし腰がくだけますよね、話がまずくて寝るのなら、こちらも反省させられますが・・・

私の知ってる大学の先生(偏差値の高い名門だと思いますが)も、私語と居眠りには、辟易しています。

子どもの学びの欲求は、ホント、大切にしたいです。

質の良い学びには、食いつきますものね。たまには、ごちそう食べさせてやりたい。

英語の交流も、その活動の中に、大切な価値が息づいているからですよね。それを形と示せる力量も、教育現場には必要なことですね。

だからこそ、実践・臨床は命です。
【2008/08/06 10:09】 | SHINOBU #- | [edit]
研修会お疲れ様でした。
報告楽しみにしてました(*^▽^*)

先日 ある新聞(Y売)で学校教育に関する欄で 現役の小学校の男性教諭からの投稿を読みました
内容は 一人の女の子の為に授業に工夫をしてみたという内容
特に発達障害とかそういうのではないんですが・・・授業参観時に娘の様子を見たお母さんが 家と学校では全く様子が違う 家ではすごく活発な娘なのに学校では笑顔もなく発言もしない娘の様子にビックリしたと・・・
それを聞いた担任の先生は その子の笑顔を見るため・・・授業では周囲の友達とも意見交換して発表するような工夫をいろいろ試みたそうです
すると その子はどんどんクラスの中で笑顔を見せるようになったと・・・

それだけではありません 他の子達も「授業が楽しくなった!」って クラスの雰囲気も良くなったそうです

一人の為にと思い始めた行動が 実は全体にとっても有効であることってありますよね

自閉症の息子の為に 幼稚園の先生も 視覚的支援に力を入れてくださってまして・・・いろいろな作業や行動の流れを写真に撮って 3~4枚に進行図形式で見てわかるようにして下さっています
それって 障害のある息子だけでなく 他の子供達にとっても 口頭での説明よりすごくわかりやすいし ちょっと迷ったら それを見ればわかるので 先生を頼らなくてもよくなりますよね
そうすることで 自分で(ひとりで)できた!っていう自信にもつながる・・・

障害者やお年寄りにやさしい街は 健常者にとっても暮らしやすいといいますが 学校の授業でも同じようなことがあると思います

まぁ 今の教育現場は 少ない時間数で教える教科が多すぎて 遅れている子に合わせて進むというのは難しい状況であることもわかります・・・
それでも 一人で勉強するのはいつでもできますから 学校では みんなと一緒に勉強する 
学ぶことの楽しさとかそういうのを 子供に経験させて頂きたいなぁというのが 私の希望です(⌒~⌒) 
   
【2008/08/06 15:17】 | そうたママ #qbIq4rIg | [edit]
そうたママへ

大学で「指導法のユニバーサルデザイン」という概念を学びました。

それは、発達の視点で指導法を考えること・工夫することが、すべての子どもたちの学びに有効である、という考え方です。

そうたママが、教えてくださったこと、そのものです。

時間のこともネックになっていますよね、その枠さえなかったらどれだけゆとりをもって、楽しく勉強できることかと思ってしまいます。

いっしょに学ぶ楽しさ・・

それは希望に終わるのではなく、ぜひ実現させるべき、めざす方向なんだと、私も強く思います。

私は果報者ですね。

こんな風に応援してくださって、ただただ感謝の一言です。

これからもよろしくお願いします。
【2008/08/07 14:09】 | SHINOBU #- | [edit]












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Author:SHINOBU
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