発達に課題のあるお子さんに対する 学校園連携のあるべき姿
2008-07-29
昨日、思いもかけず、地域の小学校の1年生の担任の先生が3名、保育園を訪れてくださいました。学区の巡回補導の一環として訪問してくださったようでしたが、保育園としては、誠にありがたい機会となりました。
ちょうど先週の土曜日に、学童保育の指導員に、「どうしても一度、小学校の先生に、学童保育の様子、そして、保育園の生の保育の様子を、じかにその目で、ご覧いただきたい。管理職の先生だけでは、ダメで、できれば1年生の現職の担任の先生に、来ていただきたい。でも、太郎君の担任の先生だけだと、他の子が、「どうして太郎君だけ・・せこい!」という思いをもってしまう・・どうしたら、学年全員の先生に来ていただけるのだろうか?」と、話したところでした。
あまりにも急な訪問でしたので、その時はは園長も私も、他の用務で手が離せない状態でした。そこで改めて、夏休み中に、3名の先生に保育園に来ていただくよう電話でお願いをさせていただきました。
小学校の先生が、保育園に見学に来ていただくことには、大変大きな意味があります。特に、発達の課題のあるお子さんの保護者の方にとっては、「少しでも我が子のことを理解して欲しい」という切実な願いが込められていきます。
太郎君の場合は、4歳児の後半になって、言葉の遅れが発端となり、広汎性発達障害の診断を受けました。
しかし、そんな診断があろうがなかろうが、太郎君は太郎君なので、これまで通り個別のケアはありますが、診断の次の日から急に保育の内容を変更するようなことはしませんでした。
子どもの全面的な発達に大切なことがらを、集団の中で、しかも一人一人に寄り添って展開していく、そのこと自体が、太郎君にとっても、他の子にとっても、何よりも大切なことであるという保育者としての信念がそこにあったからです。
しかし、こと就学に際しては、書類ばかりが動きます。やれIQがどうの、診断がどうの、そんなことばかりが選考して、肝心な太郎君の生の姿がどこかへ行ってしまっています。
これじゃ、お母さんが頭に来るのも当然です。
「一度も子どもの姿を見ずして、紙切れだけで決めつけないで欲しい・・」
それは、切なくも、母として・親として・家族として・人間として、当たり前の気持ちです。
私は、園として正式に小学校に派遣申請をうって、夏休み中の先生の訪問を待ち続けました。お母さんも、首を長くして待ち続けました。しかし、その学校の先生は、とうとう来てはいただけませんでした。
その夏の、ある特別支援の研修会に、その学校のコーディネーターの先生が来られていました。
私は、口頭で再度、保育園への訪問をお願いしました。しかし、残念なことに、完全に「夏休み中にそんなこと考えたくない」という夏季休業モードに入っているように私には感じ取れました。
そこで、そのコーディネーターの先生が言った一言
「保護者の障害に対する無理解がどうのこうの・・・」
頭にこびりついて忘れられない一言でした。 まったく無理解なのは、どっちなんだ・・・
他の小学校の先生の中には、半日かけて、じっくりと保育や子どもの様子をご覧になった方もいらっしゃいました。休日の土曜日に、生活発表会を見に来ていただいたり、コーディネーターの先生と特別支援学級の先生と教頭先生と3人でおみえになったこともありました。
私は、こうした先生方の姿勢が、ご家族の心に深く滲み渡っていくのを、そばで感じとっていました。
教育というのは、まずありのままの子どもの姿を受け入れ、そこに育てていきたい目標を決め、そして教材を作成する。
それが当たり前の姿なのではないでしょうか?
小学校の1年生の担任の先生3人が、保育園を訪れる・・・
子どもたちと、保護者の笑顔が、今から私にはありありと、思い浮かんできます。
それは、こうした行為の中に流れる先生方の、子どもや教育に対する愛情や熱意そのものが、そこに感じ取れるからに違いありません。
本当に、ここのパイプが通ったら、違うと思いますよ。 熱い期待が寄せられます。
なぜなら、その信頼の輪を、子どもたちも保護者も、敏感に感じ取れるからです。しっかりとした土台の上に立って、まちがいのない方向に向き始めたことを、感じ取れるからです。
学校園連携というのは、内容連携というのは、こういうことを大切にするべことではないのでしょうか?
私の保育園では、地域の小学校の参観日に、可能な限り、保育士を参観に行かせる取り組みを、本格的に実施することにしました。
学校園で情報を交換したり、平素交流のない教職員同士が親睦会を開いたりすることも大切だとは思います。
しかし、私は、こういうことこそが大切なのだと考えています。
子どもを中心に手をつないでこそ、連携であり、今はこうしたことが、どうしても必要な時代となっているのだと考えています。
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