厳しい先生と 優しい先生 (その持ち味を生かす保護者の工夫)
2008-07-25
小学校の1年生の学級担任をしていたころのエピソードです。参観日に、「はしのうえのオオカミ」という題材で道徳の勉強をしていましたが、あるお子さんが、突然舞い上がってしまい
「オオカミはどうぶつじゃ〜 オオカミがしゃべったらおかしいし〜」など、クレヨンしんちゃんみたいになって止まらなくなったことがあります。
後々の懇談で、「あの時ほどびっくりしたことはありません。家ではホントまじめな子なんで・・・」と、お母さんおっしゃっていました。
すべてがそうでは決してありませんが、家で厳しい場合、学校で結構発散していたり、その逆で、家ではだらしのない子が、学校ではしゃっきとしてリーダーだったりする場合も、結構多かったように思います。
うちの保育園は厳しい指導で名が通っています。
いろいろな発達の課題があったとしても、原則同じ活動に取り組ませます。もちろん個別のサポートは行います。行き過ぎた指導にならないよう配慮をしています。
しかし、初めから無理だと勝手に判断してしまうのではなく、今は出来なくても、必ず手を添えてでもチャレンジをさせます。
もう何十年もこのスタイルです。批判的な見方をされることもありますが、こうすることにより、多くの子どもを育ててきたという手応えと誇りがそこにはあります。
給食の指導も、今時めずらしく厳しいです。ほとんど、お残しはありません。いつも背筋がピント伸び、あいさつも大きな声できちんとできます。
何度か地域の小学校先生が朝礼や発表会などを見に来られましたが、子どものきびきびとした動きに、みんな目を丸くして帰っていかれます。
太郎君も、保育園では相当しごかれました。なわとびも、かけっこも、発表も、鉄棒も、一輪車も、竹馬も集団行動も、それはビシバシしごかれました。
給食だって、お残しは許されませんでした。
しかし、家に帰るとその反動かどうか、赤ちゃんになり、泣いたり、駄々をこねてお母さんを困らせることも多かったようです。かなりの負荷が、そこにかかっていたのは事実です。
しかし、卒園時には、言葉も出るようになり、発表もでき、姿勢もシャキッとし、一輪車も乗れるし、集団行動で輪を乱すことは、まったくありませんでした。
ところが、小学校の1年生になると、運動会の時、あらあら、開会式で砂いじりをしています。授業中に、オルガンの隅にかくれたり、教科書を破いたりすることもありました。学童保育の給食だって、残すこともあります。
(ちなみに給食は、保育園のときも、学童保育の時も、まったく同じメニューです)
しかし、表情はたくましくなり、家では泣かなくなったと、お母さんは言っておられました。
このこと一つにしても、人によっていろいろな見方や考え方があるでしょう。
私は、自分の保育園の内容に強い誇りをもっていますが、今の太郎君は、決して嫌いではありません。
これまでの担当保育士の営みもすばらしかったと思いますし、今の学童保育の担当も、タイプは違うけど、すばらしい感性と愛情で太郎君を育ててくれていると思っています。
たしかに、友達とのトラブルも多くなったし、学童保育中にすねたり、泣いたり、給食を残したりすることはあります。でもそこがまた、大切な指導の機会だと考えているからです。
先生によって、あるいは学年によって、園によって、指導のスタイルがまったく違うことは、特別でも何でもありません。
どんな指導のスタイルにも光と影はあるし、案外入り口は違ってもゴールはいっしょということだってあります。
要は、一番得意なやり方で子どもにアプローチしていくことが大切な事だと思います。そして、自分の指導スタイルをメタ認知(客観的に見ること)して、その影の部分に適切な対応をしていくことだと思います。
保育園の指導場面ではどちらかと言えば、鍛えるという感覚で、子どもの全面発達を目指して取り組んでいます。
学童保育では鍛えるということよりも、むしろ家庭に代わる安らぎの場として、あたたかく育んでいく色彩を濃くしています。
ですから、少し甘くなってしまったところへの、対応は必要になってきたなと感じています。
小学校でも担任の先生により、やり方は全然違いますよね。でも、年度途中で担任が替わることは、あまり望ましいことではありません。
もちろん限度というものがありますから、そこはよく考えなくてはいけませんが、対立的になるばかりがよいとは限りません。
「その先生の良いところを我が子に生かすには?」みたいな発想で、時には工夫してみることも大切なのかも知れません。
光があれば、影もある。
当たりもあれば、はずれもある?
だったらだったで、方法を工夫してみませんか?
なかなかそんな切り替えができないことも多いですが、もし、それもそうかなって、思えるようになったら、それは状況が少し好転している証拠です。
立場上、お母さん方に接する機会が多いので、時々そんなことを感じたりもしています。
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