子どもの目の色

 2015-10-30
私は以前、情緒障害児短期治療施設の派遣学級の担任として、3年間勤務した経験があります。

情短施設では、一定期間ののちに原籍校(通常学級)へ復帰することを一つの目標として、心理治療や教育を行っていくのです。


とあるケース会議の時でした。

ある男の子の原籍校復帰について検討されました。


多くのセラピストの先生が、まだ時期尚早と判断されました。

私は、学校教育部門の担当としての意見を求められました。

私とその子との信頼の絆は深く、その子が強く原籍校へ復帰したいという気持ちも十分理解できていましたから、「彼はもう昔の彼ではありません。原籍校に帰ってきっと立派にやっていくはずです」 と意見を具申させていただきました。


様々な経過をへて、思っていたよりずいぶん早く、彼の原籍校復帰が決定しました。

セラピストの先生方も、私がそこまで言うのならと、ご判断いただいたように思っていました。


彼が原籍校へ復帰した翌春、私はまた通常の小学校への転勤になりました。

いつ頃だったか忘れましたが、その学校の校長先生がひょっこり私の教室にやってきて、「お客さんが来ているから、すぐに校長室へ来てください」 と伝えてくださいました。

お昼休みの時間ではありましたが、こんな時間にお客様とは誰だろうと不思議に思いながら校長室へ行くと、何とそこには、原籍校へ復帰した彼が来ているではありませんか。


「先生、オレがんばっとるけえー(岡山弁)」

「それを言いたくて、ここに来た」


口下手で、武骨な彼が、そのことを伝えたくて、わざわざ転勤した私の学校まで訪ねてきてくれたのです。

そこに、どれだけの思いが込められていたことか、

この子のことを信じて、本当によかった。

心の底から、私はそんなふうに思いました。


子どもを信じることから、すべての教育はスタートする。

その時以来、この子の目の色は私の心に焼き付いて、一生離れないものになりました。

私がまだ30代前半の頃の出来事であり、このことが、教員としての私を、通常学級担任から特別支援学級担任へと大きくシフトチェンジしていく分岐点となったのです。


今、白ゆりには、小学生の子もたくさん来ています。

学校でうまく適応できなかった子どもも、白ゆりに来ると、不思議とやさしい表情に変わっていきます。


中にはあの時の彼と、同じ目の色をした子どももいます。

子どもは、そのことを信じる者にこそ、初めて心を開いていくのです。








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