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お子さんの就労のためのステップ (発達支援センター 就労指導担当の先生の話から)

 2008-07-03
昨日は、以前このこのブログで紹介させていただいている教え子(18歳・男性)の就労相談で、そのお母さんと一緒に、発達支援センターへおじゃまさせていただきました。

指導をいただいたのは、若いけれども、人間味あふれ、とても豊かな指導性をお持ちの臨床心理士の先生でした。

お母さんが相談をされているDrの紹介を受け、今回初めて相談に伺ったわけですが、約束の1時半から4時過ぎまで、お母さん・私・先生の3人で、お子さんの就労を中心に情報交換をしたり、ご指導をいただいたりしました。

私が今回のご指導から学ばせていただいた最大のポイントは、「就労は結果ではなく、人の営みそのものである」ということでした。

私はここに来るまでは、「何とかこの子にふさわしい就労の機会を与えてやりたい。この相談を通して、この子にふさわしい就労の場を見つける糸口をつかみたい」 そんな気持ちを強く持っていました。

今でもその気持ちは変わりません。

しかし、単にそういう機会だけあっても、子ども自身の土台ができあがっていなければ、結局は続かない、ということがわかりました。

それは決して能力の高さとか、IQ値とか、障害の程度とか、そういうことではありません。

大切なのは 「働くということに対する意義を理解し、その意識を高めること」「自分自身を受け入れ・理解し・その持ち味を生かして社会に貢献していこうとする意欲や心構えを育てること」 であることに気がついたわけです。

先生は、就労ということについて、3つのポイントを挙げて指導をしてくださいました。

① 規則正しい生活のリズム
② 8時間仕事を続ける体力と精神力
③ 自分の特性を客観的にとらえ、それを受け止め、前向きに生きる姿勢

この子は、2年近く割烹で働き、私から見れば大きな成長を遂げることができたと思いますが、結局挫折してしまったのは、ものの見事にこの3つの内容からです。

まず、遅刻が多い。(夜遊びで起きられなかったことが何度かあったようです)
厳しい指導があると、何だかんだと理由をつけて、途中で投げ出してしまう。
そして、プライドだけが高く、自分の苦手なことを受け入れることができない。

このことに対する成長なくしては、いくらよい機会があったとしても、そのチャンスを結果的には逃がしてしまうことは明白です。

ならば、ここからアプローチしていくしかない。遠回りなようだけど、本丸はここだなと感じたのです。

この子が、、何かが苦手・何かが出来ない人を受け入れることができず、結果的にそのことが、自分自身を受け入れることができない、自分を肯定的にとらえることができない、ことにつながっていることを、私は理解しているつもりです。

そういう考えに至ったいろいろな要因についても、ある程度、知っているつもりです。

「自分の特性を受け入れ、理解し、上の①~③がクリアできれば、就労はできる」 と、先生は力強くおっしゃいました。

だとすれば、私がすることの道筋は見えてきます。

この子のセルフエスティーム(自己肯定感)を育てることです。

この子の存在を丸ごと受け止め、大切に育んでやることです。

私はこの子が大好きですから、幸いなことに、心理的な負担感は、まったくと言っていい程ありません。

目指す方向・向かう先が見えましたので、足取りもそんなに重くありません。

だとしたら、小細工せずに直球勝負。長続きする本物の気持ちを、行動を通して、ひとつひとつの言葉を通して、少しずつ伝えていくことです。

そのパイプをきちんとつなげることで、一定の効果はあるはずです。

具体的なレベルまでいけば、このすばらしい臨床心理士さんがついています。

「今日の相談に、来るように行ったけど、拒否された」 とお母さんはおっしゃっていました。

どうやら、彼とこの先生をつなげるのが、私のひとつの役割のようです。

でもそれは、ただ単に結果的にここに来ればいいというものではなく、ここに来れるまでに彼を育てるということに他なりません。

この子を育てるという営みは、決して彼だけのためではなくて、他の多くのお子さんやご家族の願いをのせているのだと、私は考えています。

このブログを読んでくださっている別のお母さんからも、「割烹で働いていたあの子は、今どうなんですか?」 とお尋ねくださることも、何回もありました。

就労は、その子の生活や人生の質そのものを左右する大切な営みです。

就労という窓から見える景色は、「その子がその子らしく生きるという課題そのもの」 なのだと、私は感じていたのでありました。

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