脳の機能から ことばの発達と その指導・支援を探る

 2008-06-04
毎週火曜日は、大学での脳のお勉強の日。この日のテーマは、運動神経路(随意運動と不随意運動)でした。講義・演習の後、いつもDrに食事に連れていっていただけるので、本当にありがたいことです。

今、私は、現在指導しているお子さんの、「読む」「書く」「話す」の力をどう育てていくかを大きなテーマとして取り組んでいます。

このごろ表出言語が急速に増えてきたAちゃん、書き順や書字に進歩が見られだしたBちゃん、どこをどうすればさらに向上できるのか?単位や成績とかは一切眼中にないので、その一点のみに着目して、授業に取り組むことができました。

で、私なりにそのことをわかりやすくまとめるとすれば、以下の通りです。

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随意運動といって、私たちが意識をして動かす 手・足・目・口・舌などは、運動野(脳の中心溝の付近)にあり、2~3歳ころにほぼそのシステムが完成します。

このシステムは錐体路(すいたいろ)とも呼ばれ、構造的には、太くしっかりとしています。このレベルで何らかの機能障害があった場合は、書きたくても手が動かない、言いたくても舌が回らないという状態になるので、機能訓練と共に、代替のコミュニケーション方法を考えることも必要かもしれません。

それとは別に、不随意運動(ふずいいうんどう)をつかさどる錐体外路(すいたいがいろ)というのがあります。

不随意運動というのは、知らず知らずのうちにバランスをとったり、無意識に運動を調整する機能です。錐体外路というのは、錐体路のように、はっきりしたルートが存在するわけではなく、運動前野・大脳基底核・小脳などが関与していますが、そのあたりの全体的なネットワークのことを指します。

昔(私が子どもの頃)は、いわゆる小児麻痺のお子さんを街でも結構見かけました。しかし、今ではほとんど見かけなくなりました。

小児麻痺というのは、この大脳基底核というところが黄疸で組織が破壊されて起こる運動機能障害のことです。でも、ミノルタカメラがこの黄疸のセンサーを開発し、早期に発見できるようになったので、新生児のときに、あの光線の治療で即座に治療できるようになったそうです。

(=うちの娘も光線治療うけました。こういうことだったのかと、今になってわかりました。ミノルタカメラさんありがとう。この話もふくめ、すべてDrの受け売りです。誤った解釈がきっとあるとは思いますが、お許しください)

で、発語にかかわる運動性言語野(ブローカ中枢)は、舌・咽頭の運動野のすぐそばに位置しています。書字にかかわる中枢は、手や指の運動野のすぐ近くに位置しています。

でも、ここは運動前野と呼ばれ、いわゆる錐体路ではないので、複雑にネットワークが入り組んだ未開のジャングルのようなところです。

ですから、ここをこうすればよいという方程式はありませんが、このネットワークをどんどん発達させていけば、少しくらい苦手な部分が存在していたとしても。それをカバーすることは可能だと、私は考えています。

いわゆる天才と呼ばれている人たちは、一般人がよく使う左脳の部分に障害があったおかげ?で、右脳など別のネットワークがすばらしく進化した人という見方もあるようです。

じゃあどうするか?これを演繹的な手法(論理立てて追求する方法)で取り組むよりも、帰納的な方法(この子の場合こうやったら伸びた、じゃあうちもやってみよう、という感じの方法)の方が、実効的だと思います。

ことばは、コミュニケーションのツールです。ならば、そのツールを使う場をその子に合わせて構成することなら、今日にでもすぐに取り組めます。

そして、その方法を少しずつ機能的にして、円滑にしていくと同時に、それを使用することのメリットをしっかりと体感させたり、評価したりすることが重要であると考えています。

可能であれば、言語療法士などの先生の指導も受けられたらいいと思います。

でもそれは、できても週にせいぜい1時間。これだけで、大きな改善が図れるとは思えません。

下手でも、わずかでもいいので、文法なんか気にせず、どんどん使え!

こうした形の言語習得法の方が、基本的には大切だと思います。そうした意味でも、生きた子ども集団のかかわりは重要だと考えます。

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昨日、学童保育で、Aちゃんと2年生の男の子が、お互いに相手のこと口汚く罵っていました。

とてもここで載せたくないような、低レベルの言葉です。もちろん、その場で正しい言葉の使い方やお互いの存在を大切にすることなどを、指導しました。

しかし、Aちゃん、1年前にはほとんど発語ありませんでしたから。

お母さんも「汚い言葉ばかり覚えて困る」とおっしゃっていましたが、汚い言葉を直すことは、そりゃ簡単です。

でも、しゃべっているうちに、その汚い言葉の発音がクリアになって、はっきりと聞き取れるじゃあありませんか?

この進歩は何なのでしょうか?

行動面などトラブルも多く、悩みはつきませんが、学び育つということの本質は、こ案外んなことろに見え隠れしているは思いませんか?

なぜなら私は、最も効果があり、最も目指すべき形の教育はインクルージョンの理念に基づいた教育であり、それを自分の言葉で表現するとしたらば

「仲間としてそれぞれの存在を尊重し、共にその成長と幸せを図る教育」

と、思い始めているからです。

子ども集団のパワーこそ、集団のエネルギーこそ、人と人とのかかわりこそ、脳内の運動前野にすばらしい刺激を与え、そのネットワークを作っていく大きな原動力になるに違いないと、私は一人感じているのでありました。



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