子どもの行動の変容につながる ほめ方のポイント
2008-06-03
小学校の教員をしていた時に、「しかる」と「ほめる」を、私は次のように区別をしていました。まず、何が何でもすぐにそのことを制止しなければならないときは、当たり前のことですが、迷うことなく「しかる」を使います。
「しかる」には、即効性があります。しかし、ふだん怒らない先生が怒ると効果はてきめんですが、そうでない場合は、安易に使えば使うほど、効果は薄くなるばかりか、様々なネガティブな副作用を引き起こします。しまいにはいくら怒っても言うことを聞かない状態、つまり学級崩壊につながっていきます。「しかる」とは、そういうことです。
逆に、「ほめる」には、しかるのような即効性はありませんが、どんどん積み上げがききます。ビタミン剤のようにじわりじわりと効いていき、いつの間にか、すばらしい子ども、すばらしいクラスに成長していきます。
このほめ方こそが、指導者の力量が問われるところです。
ピントはずれ、大げさすぎ、期待していたのにほめられない、先生の都合でほめたり・ほめなかったり、ひいき、不公平などであっては、ほめること自体が子どもの強化子(ごほうび)になりませんから、またやってみたいとう達成動機にはつながりません。
「できる!をのばす 行動と学習の支援」では、適切な行動を増やす後続刺激の与え方として、次の7つをあげています。
(1)ことばでほめる (2)注目をあたえる (3)みんなの前でほめる (4)好きな活動を許可する (5)自己評価が得られる句風をする (6)達成感を与える (7)連帯感をもたせる
発達の課題があるお子さんの場合、どんなことをすればいいのかを、先行刺激としてわかりやすく提示したり、寄り添って教えたりすることも重要です。
そして、一度、それを実行して良かったと感じるようになれば、タイミング良く適切な方法で評価(「ほめる」)を行います。このシステム=サイクルが形成されていけば、どんどんと積み上げができていきます。
子どもによって、(1)〜(7)のどのほめ方が一番強い強化子になるかは様々ですが、学校教育の場では、みんなの前でほめるは、特別の効果があります。また、子どもによっては、シールやがんばり表が特別な意味を持って自己評価や達成感を高める場合があります。また、グループ内で仕事を分担し足り、みんなと共通のの目標やゴールをクリアすることも、特別な効果があります。
このように、「ほめる」方法は多種多様で、いくらでも発展性があります。
まずは、どうやったら「ほめる」ことができるか、そのことを軸にして、活動を構成するのもひとつの方法かも知れません。
「ほめる」の与え方のポイントは、すぐに、具体的に、はっきりわかるように、そしてちょっとうれしいサプライズがあるというように多様性があることです。
でも、こんな工夫なら、苦にはなりませんよね。
特別支援教育が本当のインクルージョンへと進化し、すべての子どもが生き生きと学び育つためには、こうした応用行動分析の手法を生かした指導の改善は、重要だと考えます。
そして、このことはきっとご家庭でのお子さんへのかかわりにも参考になるのではないかと考えています。
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