人はつながりの中で育つ

 2013-03-26
先日、ある子の保育園の卒園式がありました。

県外から、ずっと私の教室に来てくれているダウン症の女の子です。

そのお母さんから、先日次のようなメールをいただきました。




SHINOBU先生、


あまりにも感動したので、書かずにはいられません。
(すみません。お忙しいだろうから、読んでいただけなくても、良いんです。書かせてください。)


昨日、娘の保育園の卒園式でした。

今年の卒園の式典では、子どもたちが
名前を自分で言って前に進み、園長から卒園証書を読んでもらって受け取る。
後ろに向き直って、証書を持ち上げ、みんなに見せながら後ろに進み、後ろで待機している親に渡す。
という演出でした。

でしたが、5番目だった娘は順番が回ってくる前からうつむき、完全拒否!
まわりの同じクラスのお友達たちが、娘をなだめにやってくる、
次々にお友達が取り囲んで娘を説得に。。。
とうとう担任の先生が来て、説得しても動かず。

担任先生の配慮で、みんなが終わってから最後に行くことにしてもらう。

その後、最後の子どもまでは順調に授与がすすむ。

最後の男の子が娘と全く同じような状態で、完全拒否。
お母さんがやってきて、説得するけれども、立ち上がらず。
園長先生が証書を持って、彼の前まで来て読み上げ、渡そうとしたけれども、受け取らず。
そばについた母親が受け取らせようとするが、拒否。
それを見て園長が、高らかにみんなに証書を見せるように笑顔で持ち上げると、歓声が上がり拍手。

その様子を視て拍手までしていた娘でしたが、椅子に横に腰掛けて、
かたくなな表情(明らかに次は自分の番だと構えている)。

担任先生が説得に来られたので、私もそばにいき説得を試みるが、拒否。
抱っこしようとしてもダメ!
しばらく待っていてくださった園長が、そばにやってきて、読み上げて渡そうとしたら。。。。
娘自ら立ち上がり(子どもたちから、あいちゃん(仮名)が立った!立ったよ~の声が上がる。会場全体から拍手喝采)、
深々と頭を下げて受け取る。
私が後ろに移動すると、高らかに証書を持ち上げ誇らしげな笑顔でやってきて、私に渡してくれました。
完璧でした。
まるで、そんな演出だったかのようです(実際にそう先生に尋ねている人がいました)。
最後に娘が皆が想像する以上に完璧にやったので、会場は涙涙涙でした。

授与と祝辞、謝辞(私が代表で、述べさせていただきました。ここでも私が涙、皆も涙涙になりました(涙))
が終わって、在園児と卒園児の歌による第2部へ。

ここでは、卒園児が保育園で一番楽しかったことを述べるのが、ハイライトだったのですが、
授与式と同じように娘は拒否!!
同じように最後の子まで順番が回って(今回は最後の男の子はすんなり言えました)、全員で在園児たちに、
「こんなに楽しい年長さんだから、皆も頑張ってね」というメッセージを述べました。
その後、担任先生が出てきて、娘に言うように促しますが、娘が再び拒否。
担任先生が、先生が言っても良い?と尋ねたらしく、娘が大きく頷いています。

「あいちゃんは水族館に行って見た、ペンギンが可愛かってンな?(男先生の涙声に、会場がどよめく)」すると
娘が先生と皆の方を見ながら、口を真一文字に結んで、ウン、っと頷きました。
ここでも大拍手。娘の表情も和らいで、にっこり。

すんなり行かず、みんなハラハラドキドキ見守って、最後には、娘なりの方法で、見せてくれました。



このあと、予想だにしなかった場面がまだあったのです。

このメッセージのあと、会がすすんで、最後に卒園児だけで歌う、「ありがとうの花」がありました。
娘は年少の頃に覚えて大好きなレパートリーです(ほぼ歌える)
出だしから、ちゃんと前を向いて、しっかり歌っているなと見ていたのですが、どうも表情がいつもと違う。
なんだか険しい顔をしているので、もしかして対面に座っている私たち親が、みんな涙ぐんでいるので、
そのまねをしているのかと思っていたら、なんと本当に泣いていたのです。
途中からはこみ上げてくる涙をこらえて歌っている様子が、誰の目からもハッキリ見て取れました。
最後は号泣しながら歌っていました。
卒園児23人の中で、ここで泣いたのは娘だけでした。
まわりの子は、泣いている自分の親を見て、笑う子もいたくらいだったので、
娘の泣きながら歌う様子は、印象的でした。

あとで、お友達のお母さんがたからも、
「あいちゃんが一番わかってた。自分の子見ないで、あいちゃんの表情に釘付けになった」
「あいちゃんにはいつも泣かされるわ~。今日はパパも 『自分の子より、あいちゃんに泣かされた~』て言うてたよ」
と言われました。

その後もたくさんのお母さんたちから、「あいちゃんがいたお陰で子どもたちが成長させてもらえた。」と言っていただき、
メッセージを言わない娘に、(異年齢保育時の)他のクラスの子から「またか~」と声が漏れて、
「同じクラスの男の子が「そんなん言うな!」と睨みつけている場面もあったんだよ。同じクラスの子はやっぱり違う」と聞きました。

そんなこんなで、涙に暮れた昨日の卒園式。
娘がどのように子どもたちから受け入れられ、どのようなやりとりをしてきたのかが、良く見て取れる一日になりました。

今年は生活発表会の年長さんの劇の出来も、太鼓の出来も良かったと全学年からのアンケート結果が出ており、
先生方に聞くと、「あいちゃんも含めて今年の、この学年は本当に粒ぞろい。役者が揃っていましたから、
本当に楽しませてもらいました。」とのことでした。

この保育園が、異年齢保育になって4年目。試行期間が一年あったのち、
娘たちは年少から異年齢で始まったので、この学年の子たちが、保育園の目指す異年齢保育の完成形第一号とでも言うのでしょうか。
地域の小学校(2度娘のことで相談に行った学校)の副教頭先生が来賓で来ておられ、
「保育園の卒園式は初めて見たが、こんなに感動するとは思わなかった」と、おっしゃっていたそうです。

優しさと寛容さを一杯持った子どもたちの様子に、皆が温かい気持ちになれる卒園式でした。
その中心に、娘が娘らしい姿のまま、座っており、
子どもたち、担任の先生、園長先生たちが包んでくれているような気がしました。


卒園、本当に寂しいのですが、就学と1年生までもう時間が無くなってきました。
気持ちを引き締めて次のステップを踏み出したいと思います。


次回のレッスンもよろしくお願いします。

返信不要です。



百万の理屈より、たった一つのエピソードが語る真実、

人は人とのつながりの中で生き、そして育つ、

共に生きる大切な仲間という感覚がど真ん中にあってこそ、行き届いた個に応じた支援が生きる、

教育の在り方を、根本的に見つめ直す大切な機会をいただきました。


ご卒園、本当におめでとうございます。



この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2013-03-26)





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