さよなら友里ちゃん

 2012-12-29
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あれはたしか、平成20年の初夏のことでした。

携帯に1本の電話がかかってきました。

「あの、ホームページを拝見させていただいたのですが・・」

私の所に、初めてかかってきた、入会のお問い合わせの電話でした。

その方が、友里ちゃんのお母さんでした。


その日から、友里ちゃんのお母さんとの二人三脚のあゆみが始まりました。

色々な試行錯誤の中から、学習の基本である読みの指導に焦点化したレッスンとなりました。

逐次読みで、文字を文脈としてとらえにくいその頃の友里ちゃんに、何とかして言語の扉を開きたい、それが私たちの大目標となりました。


夏休みサマースペシャルと称した、毎週2回90分の集中指導、

本当によく付いてきました、

今となっては、伝説のレッスンです。

それまで本とは無縁の友里ちゃんが、いつの間にか、書店で本を選ぶようになり、物語を読んではゲラゲラと笑うようになりました。


お母さんの依頼を受けて、小学校の校長室に直談判に出かけました。

あの頃は、私にも時間がありました。

その日の1本のレッスンのためだけに、朝から数時間かけて教材を作ったりしたものでした。


運動会にも出かけました。

学習発表会も見に行きました。

卒業式の日には、学校からいただいたおまんじゅうをこの教室に持ってきて、一緒に二人でいただきました。

何から何まで、私にとっては、大切な宝物です。


嵐のように駆け抜けた平成24年のレッスン、

365日のうち、レッスンをしなかった日は、おそらく1年に5日にも満たなかったと思います。

2,000時間どころか、2500時間を超えたレッスンを行ったかも知れない・・

その今年の最後のレッスンが、友里ちゃんとのレッスンになりました。


実は、ご家庭の事情で、この日のレッスンを最後に友里ちゃんがこの教室を卒業していくことになりました。

私も休みませんでしたが、この子が体調不良などで、毎週のレッスンを休んだ記憶は全くありません。

おそらくは、私も友里ちゃんも、毎年毎年、皆勤賞の連続でした。


中学生になり、友里ちゃんは支援級で学ぶようになりました。

でも、ここでのレッスンは、一般の中学の教科書を使い、友里ちゃんに合わせて、毎回、オリジナルの問題を作成してきました。

私は、友里ちゃんの認知特性も、言語の育ちも、ずっと間近で見つめて来ましたから、教材文に合わせて、友里ちゃんがちょっと頑張ればクリア可能な問題を、展開を考えて、毎回構成することができるようになりました。

いわゆる発達の最近接領域を、その場ですぐに提示できるようになりました。


この日の問題も、7割程度は自力解決、

残りの3割は、予想通りの質問を私に返し、待ってましたとばかりに、私は用意していた補助発問を与える学習の展開となりました。


予定の時間が来ると、お母さんが、妹を連れて教室に入って来られました。

お話を始めて程なく、お母さんの目に熱いものがこみ上げていました。


大変なご苦労を、一人で背負い、弱音一つもはかずに、笑顔でずっと前に進んで来られたお母さん、

私は、誰よりも、このお母さんのあゆみを理解しているつもりです。

そして、今回のご決断に、どれだけ深い思いが込められているかも、分かっているつもりです。


支援者は、母と共に揺れていてはいけない、

それが苦しい場面であればあるほど、しっかりと大地を踏みしめて、大丈夫ですよと、行く先を笑顔で指し示していかなくてはいけない、

それが、私の、支援者としての信念です。

私は、こぼれ落ちそうのなる自分の気持ちを、これえるのに精一杯でした。




この子が4年生の時、何もかも行き詰まり、何かにすがりたくて、助けてほしくて、ネット検索していたとき偶然にも見つけた先生との出会い本当に奇跡でした。

どんなに苦しいときも先生の存在と、「これからも一緒にがんばって行きましょうね」と必ず言ってくださる言葉、私たち親子をずっと支え続けてきてくださいました。

いつまでも先生のそばにいたいと思っているのは娘よりも私のほうかもしれませんが、いつまでもすがりついているわけにもいきませんね。


娘は十分すぎるほど、伸ばしていただきました。

正直、こんなとこまで来れるとは思ってもなかったです。

本当に本当にありがとうございます。


個別指導は卒業させていただきますが、これからもずっと娘の大好きなSHINOBU先生でいてやってください。

また行き詰ったときには相談させてください。

そして親子で会いに行かせてください。

先生の存在がいつまでも私と娘の支えです。





友里ちゃんとの言語のあゆみは、形を変え、今では就学前のお子さんの文字の指導まで、脈々と受け継がれています、

今の私の言語の指導は、この子とのあゆみがなかったら、決して成立していなかったと思います、


お母さんは、母としてすべきことは、全部成し遂げられました、

これからも、気持ちをしっかりともって、前に進んで行ってください、

私は、そのようにお伝えしました。


「今日、先生と一緒にケーキ食べたんよ」


一期一会のレッスン、

あの日の電話から、この日の最後の一瞬まで、ずっとこの子の気持ちに寄り添えるレッスンを続けることができた、

それが、私の最大の誇りです。


友里ちゃん、ありがとう

私の心から、この子とのあゆみが消える日は、きっと永遠にないのです。





この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2012-12-30)






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