りんちゃんの事例から見える 読字力の向上

 2012-10-08
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りんちゃん(5年生)は、とってもおしゃべりな女の子です。

「りんちゃんのように、ナチュラルに言葉でのコミュニケートができたら、どんなステキなことだろう」

これまで、多くの方から、そんな言葉を耳にしてきました。

私の教室でも、日々とっても楽しいやりとりを積み重ねてきました。


そんなりんちゃんですが、これまで文章を読むのは、あまり得意ではありませんでした。

微細な視覚認知力に、少し課題があったのです。


とても美しく形の整った字を書くこともできます。

ですが、「大」という字の三画目を、1画目との接点から書くことが出来にくい時期がありました。

「ここの付け根から書くんだよ」

と何度か説明しても、映像として微細にそのことを認知することが難しかったのです。


私の経験からすれば、こうした書字にかかわる微細な視覚認知力は、高学年になると大きく向上する子がほとんどです。

花子ちゃんも、けいちゃんも、高学年になって書字能力は大きな向上が見られました。


算数の文章問題をしても、読解問題をしても、これまでりんちゃんは、「読んで、読んで」と何度も私に訴えてきました。

聴覚性の言語で、言語理解をした上で、文字言語をとらえさせる支援を続けてきたのです。

りんちゃんの読みはずっと、文字から理解言語をひっぱってきて読む「継次性の読み」であったのです。


そんりんちゃんが、ここに来てその部分に大きな変化が見られ始めました。

「先生、ごんぎつね読むから、本探して」

突然、りんちゃんが、私にそう言ってきました。


その瞬間、私は 「来たな」 と確信しました。

形はそれぞれ違うけれど、これまで何人も、そうやって大化けする子の瞬間に出会ってきましたから・・


ごんぎつねの後に、いつもの生活読解文に取り組ませてみました。

これまでずっと、問題文(地の文)を、私が読んでやっていたあの課題です。


りんちゃん、これまでとは打って変わって、今回は、自分でスラスラ読んで、解答欄を埋めて行きます。

完全習得、ノーエラーの自力解決です。

完全に、一瞬で化けました。


子どもが伸びるときは、正比例みたいにジワリジワリとは、決して伸びない。

ずっとずっと地下を潜行して、ある日突然、ぽーんと伸びる。

その地下を潜行しているときに、信念をもって、どれだけ豊かな教育的な営みを積み重ねていくか?

それこそが、支援者としての専門性だと信じて取り組んできました。


良かった良かった、

そう感動するのは、たった1日、

明日からはもう、そのことが当たり前となったりんちゃんと、また次のステージへ向かっていかなくてはなりません。


もちろん、私一人がりんちゃんの読みを育てたなんて、カケラも思っていません。

私のレッスンが本当に妥当だったのかどうか、そのことを証明するエビデンスも何もありません。

でも、支援者として、この瞬間に立ち会えたことがうれしいし、そのことをお母さんに報告できる瞬間がたまりません。


読みの力は、一生モンです。

ごんぎつねの扉を開いたりんちゃんは、これから生涯、文字を通して様々な文化にふれ、心豊かな物語を読み重ねることができるのです。

子どもが、学ぶという本当の意味は、問題集が何冊出来たということだけではなくて、学びを通してその子の人生がいかに豊かなものになっていくか、そういう視点を大切にすべきだと私は思っています。。


すべては、この一瞬のために、

私にとっても大切なメモリーが、この日にもまた1ページ、しっかりと刻まれたのでありました。



この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2012-10-11)






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