君のあゆみこそ 後に続く子の大切な道しるべ

 2012-05-14
私の大切な教え子の1人が、この春に支援学校の高等部を卒業し、作業所に通うようになりました。

小学校1・2年の時、支援級の担任をさせていただいたのがご縁でしたが、その後ご家族とはずっとお付き合いをさせていただいています。

学校教育の充実は、もちろん大切なことですが、卒業後の人生はそれよりもずっと長い・・

彼の人生の豊かさそのものが、私にとって大切な意味をもつことになるわけです。


勉強が好きなこの子は、支援学校の高等部に通いながら、一定の期間、私の教室にも通ってくれていました。

「一番苦しい時に、先生に助けていただきました」

ご両親は、そう何度も伝えてくださいましたが、この教室で、この子とのレッスンが苦しいなんて思ったことは一度もありませでした。


字もていねいに書けるし、英語や、方程式も解ける、

でも、出来ない問題、できにくいこと、予期せぬできごとなどを、まっいいやと受け流すことが苦手なタイプのお子さんでした。

他の人にはほんのささいなことと思われるようなことでも、この子にとってはとても大切な課題となっていたのでした。


この子が小学校1年生の時、卒業式の練習に耐えきれなくなり、泣き叫ぶ場面がありました。

その時は、どうしたものかと本当に悩みましたが、結局私は、たとえどんな結果になっても、そのことを受け入れる覚悟を決めました。

「今まで通りでいいよ、普通でいいんだから、もう大丈夫、安心して」

体育館の横で、そのことを告げると、あれだけ緊張でガチガチになっていた表情が、雪がとけていくように柔らかくなっていく瞬間を感じ取ることができました。


結局、卒業式はうまく行きました。

式が終わり、真っ先にそのことをご両親に告げると、お母さんは電話口で涙声になられました。

その時のことを、今でも忘れることはできません、


彼のお父さんから、昨日、以下のような内容のメールをいただきました。



SHINOBU先生

ご無沙汰しています。お元気ですか。

息子ですが、元気で作業所に通っています。結局4月は1日も休まず通えました。自力通勤も続いています。

先方から、5月から毎日来たらどうですかと言っていただき、本人も快諾して先週初めて月曜日から金曜日まで午前中だけですが毎日作業所に行くことができました。くれぐれも無理をさせないように十分気を付けながら、本人からのサインを見逃さないように見守っていきたいと考えています。あまりにも順調にスタートできたので、これからしばらくはより慎重に、でも時には大胆に、本人の意思を尊重しながらやっていきたいと思います。

数年前には、こんな日々が来るとは思えませんでした。これも先生のご指導のお陰です。先生に巡り合えて本当に幸せです。

私たちも、苦しみのどん底にいる時、先生に助けていただきました。あの再会がなかったらおそらく今はなかったと思います。

そのことは決して忘れません。これからも、この子と共に今ある小さな幸せを感じながら過ごしていきたいと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。




高校進学を目前に控えていた日、いくつかの偶然が積み重なり、あの体育館の同じ場所で、お父さんと奇跡的な再会をすることになります。

きっと、ご家族が一番心を痛めておられた時期ではなかったかと思います。

それがきっかけで、私の教室に通ってくれるようになったのです。


高等部を卒業して間もない頃、この子はお父さんと二人で、教室を訪れてくれました。

学校に行きにくい苦しい時期もあっただけに、18歳になり、無事高等部を卒業したその意味には格別の思いがあるはずです。

何よりもその達成感・充実感が、彼の笑顔や所作からにじみ出てくるように感じていました。


> お父さん、

> 本当に、本当にうれしいお便りをありがとうございました。

> 元気が出ました。

> 彼との出会いは、私の活動の源です。

> 今や全国各地の方が、私のところに訪れてくださるようになりました。

> 苦しい場面に寄り添う支援者として、彼の成長と幸せは、何よりのエネルギーになります。

> 何年経っても、どこにいても、彼は私の大切な教え子です。

> 今、苦しみのど真ん中にいるご家族がいるやも知れません。

> 彼のあゆみが、そのご家族の支えになることを、知っておいていただければと思います。

> そのことが、あとに続くご家族の大切な道しるべの一つとなるのです。

> どうかこれからも、豊かなあゆみを続けてほしいと願っています。

> これからも、どうぞよろしくお願いします。


通常学級の担任として一定のことができたと思える日が来たら、特別支援学級の担任をやりたい、というのが当時の私の夢でした。

6年生を卒業させ、新設される特別支援学級の担任となり、初めて出会ったのがこの子、

日々の連絡帳は、1冊の本のように綴られ、学級通信はホームページのようになって積み重ねられた、

ご両親も、私も、希望に満ちあふれた出会いがそこにありました。


この子と出会ったからこそ、今の私があるのです。

彼と過ごした時間は、かけがえのない大切な宝物、

この大切な営みを、多くの子の成長と幸せにつなげていきたい、


以後の日々も、彼がずっと幸せと豊かさを感じるようなものであってほしい、

私は、これからもずっとずっと、このご家族と一緒にあゆんでいきたいと願っているのです。




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【2012/05/14 11:25】
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