オーダーメイドの読解プリント

 2012-03-19
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友里ちゃんは、中学1年生、まもなく中学2年生へ進級します。

中学からは、支援学級に籍を置くようになりました。

4年生の時から、私の教室に通ってくれるようになり、もうかれこれ4年近くも続けてレッスンをさせていただいています。


友里ちゃんは、一文字一文字を精査に見て、それを視写したりするのは、得意中の得意です。

でも、逆に音訓の読みかえなどが苦手で、なかなか文脈を通して内容をとらえることができにくいので、視覚的に切り取ったキーワードをたよりにしながら、考えることが多いのです。

いわゆる読解における同時処理優位の認知処理様式を示しているのです。


4年生の時から、私がずっと続けてきたのは、文字を文脈としてとらえる継次処理の学習体験を積み重ね、その力を培っていくことです。

読めない漢字を読み飛ばして、アバウトに文脈をつかむタイプの子ではありませんから、読みにくい漢字にはふりがなをふってやります。


こうすることによって、まずは、文章全体を音声化することができます。

でも、まだまだ音声化するのに精一杯で、それを内言語化・理解言語化することができているわけではありません。

自分で一通り文章を音読した後には、今度は私が範読してやり、聴覚性の言語により、アバウトな文意を内言語化させます。


それから内容精査に入ります。

わたしは、あえて中学生の教科書から題材を選ぶようにしました。どんな題材であっても、友里ちゃんの特性に合わせた問題を構成することができるようになったからです。

今は、光村図書の 「江戸からのメッセージ」 ~今に生かしたい江戸の知恵~ 杉浦日向子著 を教材として使用しています。

友里ちゃんは、キーワードをピックアップする文字言語の視覚認知力が優れています。


「江戸時代の道具は、金物、木、布、紙など、どれも天然素材であった。金物は煮とかせば何度でも再生がきき、それ以外の物は最終的に植物性のきれいな灰となった。」

地の文には、そう記されています。

私が友里ちゃん用の問題を作る時には、「江戸時代の道具は何でしたか?」 とは尋ねません。 「江戸時代の道具の天然素材は、どんな物でしたか?」 と、尋ねるようにします。

「金物はどうなりますか?」 とも尋ねません。 「煮とかせば何度でも再生可能なものは何ですか?」 と尋ねるのです。

このように問題文に、あえて読みの視点となるキーワードを入れる支援を施すことで、友里ちゃん自身の自力解決が可能となり、達成動機が大きく向上します。

そして、こうした学習を積み重ね、段階的にキーワードを変化させていったり、支援を除去(フェードアウト)しながら、その完全自力解決に向けた対応力を培っていくのです。


友里ちゃん用の問題作成は、確かに手間のかかることではあります。でも、ポイントが明確になれば、友里ちゃんに全文視写をさせている間に、自作問題をリアルタイムでプリントアウトすることも可能です。

そして作成完了した自作問題は、友里ちゃんだけでなく、やがては多くの似たタイプのお子さんの指導に生かされることになります。

この作業は、決してしんどいものではなく、それはそれは楽しい時間となります。


もともと国語の題材に、学年なんて関係ないはずです。

ならば、中学生には中学生の題材を使って、その子に今身につけてやりたい力を明確にして、それを教材化することができるはずです。 

むずかしい漢字には、ふりがなをうってやれば、それでいいのです。


こうした学習では、あっという間にレッスンの時間が過ぎていきます。

なぜならそれは、この子の笑顔と手応えが、すぐそこにあるからです。


「 子どもの実態 → 育てたい力 → 題材選び → 教材化 」

先に一定の定番カリキュラムを構成する一方で、指導の原点は、いつもそこにあります。


そう言えば、土曜日のレッスンで、あすかちゃんがレッスン中に、問題を読みながらケラケラ笑ったり、急ににやしやしたりするようになりました。

問題作成者のユーモアが理解できるようになり、ボケに対して、ちゃんと突っ込みを入れることができるようになって来たのです。

このあたりの育ちの曲線は、4年生当時の友里ちゃんとそっくりです。



実際、毎回すべてオーダーメイド問題と行かないにしても、特別支援と名を付けるのであれば、是非ともそこに軸足を置ける自分でありたいと、私は願っているのです。




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