メタ認知のための支援者の存在

 2012-03-06
6月に、小学校の時担任をしていた子の結婚式に出席するため、東京に行くことになりました。

小学校3・4年生の時の担任をした子で、「山ちゃん」というニックネームの子です。

数年前、司法試験に合格し、この度、同期の女性弁護士さんと結婚されるというように聞いています。


披露宴は、六本木のリッツカートン東京で行われるそうです。

昨年は、わざわざ岡山に訪ねてくれたので、一緒に楽しい時間を過ごすことができました。

こんな晴れやかな機会に招待されることを、教育者として無上の喜びに感じます。

本当に、喜ばしいことです。


当時の思い出は、山のようにあります。

このクラスには、コアラのシンボルマークがあり、クラスのめあてが達成されると、そのコアラが一段ずつ木を登っていき、てっぺんまでいくと、クラスでパーティーを開いていました。

そのクラスのめあては、「一人一人を大切にするクラス」「まとまって活動できるクラス」というものでした。

このめあては、4月に全員の意見を集約する形で、学級会で決定しました。

今でも、はっきりとその時のことを覚えています。


山ちゃんは、その話し合いの時、いつも強烈な自己主張をした子でした。

親友のヨッシーは、話し合いの時に、「山ちゃん、いつも自分のわがままばかり言うなよ」 と言いながら、きっとどこかにいい方法があるはずだといつも真剣にそのことを受け止めていました。

みんな、自分のクラスに誇りをもっていました。

どの子もクラスの大切な仲間として受け入れる所からスタートする、インクルーシブな感覚が根底にありました。


学習発表会で、あまり勉強が得意でない子が、劇の主役に立候補したときは、みんなでその子を応援してあげようというような、そんなモラルがありました。

遠足のバスの中で、他のどの曲よりも大きな声でクラスの歌を歌っているのを聞いて、バスガイドさんが目を潤ませていたことも記憶に残っています。

中には、今、飛行機のパイロットをしている子もいますし、いわゆる一流大学へ進学した子もたくさんいる、今から思うと優秀な子の多いクラスでした。

が、このクラスの中では、社会的なポジションは一切関係なく、同じクラスのメンバーとして、当時のまま、飾ることなくありのままの自分でいられるのです。


彼は、ネットで私のブログを発見し、メールをくれるようになりました。

「小学校高学年以降のの学校生活は、悲惨でした」

何年か前に、新宿の居酒屋で一緒に酒を酌み交わした時、そんなことを私に伝えてくれました。


どうやら、先生や友達との人間関係で、苦労した場面も多かったようです。

司法試験も、合格まで数年かかった、と言っていました。


あの苦しい時代に、ずっと自分を支え続けたのは、家族の愛情と、あのときの友達、そして先生の存在でした、

山ちゃんは、そんなふうに言ってくれました。


昨年、山ちゃんが岡山に来た時、親友だったヨッシーとアラキも一緒に来て、めちゃくちゃ楽しい時間を一緒に過ごすことができました。

アラキは、学校の先生になっていました。

いつだったか、アラキのお母さんが、「この子はSHINOBU先生にあこがれて先生になったんですよ」 と伝えてくれたことがあります。

私より、何倍も心優しい、熱心な先生になっていました。


山ちゃんは、ある部分は天才的な才能をもってる子でした。

が、その分、強烈な個性を併せ持つ子でもありました。


新宿で会った時の、山ちゃんは、それはそれはいい男に成長していました。

酔っぱらった勢いで、私に説教を始めるような所は、小学校の時と同じ (笑) でしたが、おそらくは、その才能も個性もそのままでありながら、自分をメタ認知できる力、制御・コントロール力が育ち、弁護士という職業を通して、自分の才能を開花させるフィールドを得たのだなと思いました。


大学を卒業して、5年以上も司法試験に挑戦する苦労の大きさを、私は初めて知ることができました。

その間、定職も、収入もないわけです。

合格する保証は、どこにもないのです。

これまでの経歴も学歴も、すべて捨ててししまうリスクを背負いながらの挑戦になるわけです。


こうした場面で、それを打ち抜いていくためには、心のどこかに、理解者の存在があることは重要です。

まずは、家族、

友達、

そして、教育的な理解者、いわゆる家族や友達以外のカリスマティックアダルトの存在です。


昨日、ある6年生の男の子が、私の教室を卒業して行きました。

山ちゃんの心の中に私がいたように、私の心の中にも、山ちゃんはずっといるのです。

山ちゃんが司法試験を打ち抜いたという事実は、私の教育的な信念を揺るぎないものへと高めてくれるのです。


この子は、お父さんがサッカー選手で、サッカーを通して自己実現を目指している子どもです。

ここ一番で、ねをあげずに踏ん張ることが出来るかどうか?

自分の苦手な部分をコントロールしながら、サッカーを通して自分の目標に向かって進み続けることができるかどうか?

4年生から通ってくれたこの子に、私はこうしたメッセージをずっと送り続けていきたいと願ってきました。


今、苦しんでいる子どもとご家族が、何人も私の所に通ってきてくれています。

「先生がレッスンをお休みして私の結婚式に来てくださることを、その子どもたちやご家族に大変申し訳なく思います」

山ちゃんのメールには、そんな言葉が書かれていました。


あきらめなければ、夢は叶う、

ゆるぎない方向感と、あたかかいまなざしで、子どもたちに行く先を示し続けていきたい、

彼のかんばりを、多くの子どもたちの幸せへと紡いでいくことは、私に与えられた大切な役割です。


本当にいい男になったね、山ちゃん、

当日は、奇しくも18歳になる私の三女の誕生日、皇太子殿下のご成婚と同じ日です。

この結婚式での彼の表情を、私は、ずっとずっと心に焼き付けておこうと思っています。





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