母の願いにかなう実践

 2012-02-01
京都でのレッスンがありました。


この春に、年長クラスに進級するダウン症のお子さんと、数の遊びをしていました。

お母さんは、この子の行動面の安定を、いつも心に願っておられました。

小さい頃は、離席したり、コントロールが効かなくなることや、衝動的に物を投げてしまうような場面も何回かありました。


この日は、制御不能になる場面は、一度もありませんでした。

言語による応答的なやりとりも、回を重ねるごとに豊かになってきました。

それよりも何よりも、この子と通い合う非言語の内容は、とんでもなく高いレベルに到達してしまったと、この日のレッスンを通して、私は強く感じてしまったのです。


私は、限られたこのマンツーマンレッスンの空間の中なら、ほぼパーフェクトに、この子の行動を予測したり、その行動を維持させる要因を読み解くことができるようになりました。

それは、私の感度だけが一方的に高まったのではなくて、その子とインタラクティブに通い合う体験を積み上げていくことができた、ということなのだと考えています。


この日、お買い物ごっこをしました。

りんごは3個で30円、バナナは2個で20円、トマトは5個で50円、

1対1対応で十円玉を並べていきます。


この子は、このお買い物ごっこが大好きです。

この日も上手に、りんごの横に10円玉を3個並べることができました。


ところがこの日、りんごを選択した後に、さらにバナナを要求しました。

普通なら、活動のねらいを逸脱してしまいますから、「まず、りんごのお金をください」 と、投げかけるべきです。


でも、私はすぐにピンときました。

この子、足し算やって、もっと大きい数の勉強が勉強がしたくなったのです。


「3個と2個と5個と、合わせて何個になるのかな、数えてみよう」


10円玉を3個、2個、5個並べて、その十円玉を1・2・3・4・・・・と、10まで数えることができました。

1対1対応ズレませんね、すばらしい内容です。


その後、お財布の中の10円玉、全部で40個くらいあったでしょうか?

全部机の上にひっくり返してしまいました。


本当なら、「何やっているの?」 と注意しなければならない場面かも知れません。

でも、この子きっとたくさんの数を、感覚として量的とらえたかったのです。


しばらく見ていると、今度は100円玉のお財布もひっくり返してしまいました。

おまけに、それをぐちゃぐちゃに混ぜ始めました(笑)


お母さんが横にいたら、まるで気絶でもしそうな場面ですが、私はニコニコと笑ってしばらくそれを眺めていました。

さて、もうこれくらいかというタイミングで、「お財布入れるの手伝ってくれる?」と問いかけると、ていねいに100円玉と10円玉を選別して、お財布に片付け始めました。

やっぱりなと思うと同時に、予想以上に、すごい勢いで数感覚が伸びているなと感じました。


ハイライトは、この後にもやってきます。

もう一度10円玉10個を机の上に並べると、先生・私、先生・私・・・というように、5個ずつ均等にお金を分け始めました。

まるで3年生の割り算の導入、等分除の操作活動そのものです。

私たち2人、いったいどこに行ってしまうのでしょう?


完全に異次元の空間に飛び立ってしまいました。(笑)


例えば前回、パソコンに熱中していた子がいたとします。

ならばということで、次回いきなりパソコンを開くと、たいがい振られてしまいます。

もうたらふくやったから、次は何にシフトするかなって読み解く方が、歩留まりが高いです。


系統性のあるプログラムで、小さなステップを刻む方法

これがスタンダードな、学びの王道です。


私の場合は、育てたいねらいは誰よりも明確にもっていますが、材料自体は何であっても、その日その時で、どんな風にでも味付けができます。

これは一子相伝、いつでも誰にでもできるというものではなく、マニュアル化できない秘伝のたれのようなものです。

マンツーマンレッスンのみで、年に2000時間

それを4年やって、やっとここまで来ました。


だからこそ、こんなレッスンは、月に1回で良いという部分もあります。

基本、子どもは、集団の中で育つのです。

毎日の白ごはんこそが、子どもを育てるのです。


学校・園の先生が、もしこの姿をご覧になったとしたら、どう思われるでしょう?

きっと、学校・園のなすべき役割がより一層明確になるのではないでしょうか

母の役割も、さらに明確になるのではないでしょうか?


一歩扉を開けると、子どもは日常の世界に帰っていきます。

この子も、そんなことは十分わかっています。


私は、岡山に帰ります。

道中の新幹線の中、

私の心の中でも、いつまでもいつまでも、楽しかった今日のレッスンの光景が、繰り返されています。


お母さんからいただいたレッスンは、この日、とってもステキなプレゼントになったのです。


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