心が通じ合う瞬間

 2011-12-26
12月23日は、天皇誕生日、

この日、私は大阪の和泉市というところで、出張レッスンを行っていました。


会場から、遠くに海が見えます。

そういえば、去年のこの日も、ここでレッスンをさせていただいていた、

天皇誕生日の日には、ずっとここで、海の見える景色を見つめてきたのです。


初めて会った頃、年中さんだった子は、今年から1年生になりました。

表出言語がそれ程豊かではないタイプのお子さんでしたので、心の通い合いという面では、少し時間がかかりました。


数ヶ月前の事だったでしょうか?

ほんの些細なことではありましたが、私に意図する活動と、この子の気持ちがズレる場面がありました。

結局、その子は離席して、すみっこにあるカーテンに丸まって、出てこなくなりました。

横には、心配そうな表情のご両親の姿が、ありました。


「お父さん、お母さん、誠に申し訳ありませんが、私に少し時間をいただけませんか?」

そう言って、ご両親には、しばらくの間退室をしていただきました。


私は、教育の臨床実践の最前線で日々戦っていることを、何よりの誇りに思っています。

どんな理論より、子どもと真剣に向き合っておられる実践者の方を、尊敬しています。


「たとえ表出言語は少なくても、いや、表出言語が少ない子ほど、感受性が豊かな子が多いよね。 そんな子は、言葉で表現しなくても、心の中ではちゃんとわかっている場合が多いよね」

ある時、敬愛する友達とそんな会話になりました。

真摯に実践に向き合ったことのある方なら、きっと同じような体験を、何度も積まれてきたことだと思います。


「何々ちゃん、勉強したいんだね」

私が、思い出したようにその子にそういうと、それまで尖っていた表情が、いっぺんに柔らかくなりました。

そして、しばらくやりとりはありましたが、10分後には、私に抱きついてきました。


「ごめん、ごめん」

「先生、何々ちゃんが、こんなに勉強したかったてわからなかたんだよ、ようし、じゃあこれからひらがなの勉強するか」

私は正直、この時まで、この子と文字の学習ができるなんて思ってもみませんでした。

ここに来て、やっと小さな扉が開いたわけです。


今年の天皇誕生日のその日、

ご両親には、ちょっと後ろの席から、私たちの学習のようすをご覧いただきました。

もちろん、離席などは一度もありません。

くだものの名前など、表出言語も格段に増えてきていました。


それどころか、楽しくて楽しくて、レッスン中、何度も私の方が吹き出してしまいました。

心が通じ合っているという瞬間が、何度もありました。

心の中に、あたたかい気持ちが流れ込んでくるように感じた場面が、何度もありました。

予定していた内容をすべ手やりとげ、あっという間に45分が過ぎてしまいました。


思えば3年前、まだ幼くて、なかなかレッスンになりにくかった子もいました。

その子も、今は文字を読み、そんなに流ちょうではないかも知れないけど、しっかりと声に出すことができるようになりました。

このように、文字を音声化できるようになったのも、ここ1年での急成長です。


私自身も、3年前は技術も未熟で、すべてが手探りの状態で、日に8名の出張レッスンをお受けしてしまいした。

そこにあるのは、お子様を真ん中に置いて、ご縁があって結ばれた、ご家族と支援者の熱い思いだけでした。


当初から今日まで、私は8名のご家族の方とずっと一緒に歩んできました。

お子様はそれぞれに大きく成長されました。

それ以上に、育てていただいたのは、支援者の私であったという思いは、ここに来て日に日に強くなってきています。


「この度、手術を受けことになりましたので、しばらくの間、レッスンをお休みさせていただくことになります」

レッスンが終わると、ご両親は、そのようにお伝えくださいました。


きっと考えに考え抜かれたご判断だったと思います。

どうか一日も早く、心配事がなくなって、また一緒にいろいろな勉強をしたい、

心からそんな気持ちが、わき上がってきました。


来年もまた、この会場から、海を見ることができるのでしょうか?

来年、ここから見える海は、いったいどんな色をしているのでしょう?

私が自分で選んだこの道の中にも、胸をしめつけるような、大切な命との出会いがたくさんあるのです。


子どものピュアな気持ちと、ご家族の切なる願いに、少しでもお応えできるような自分であり続けたい。

ちょっとセンチメンタルな気分になった、今年の天皇誕生日の出来事であったのです。



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