豊かな数量感覚を育てる

 2011-12-14
ある子のレッスンを行っていた時のエピソードです。


> 5+2はいくつ?

> 7


とても元気よく答えてくれます。

ブロックの操作活動を続けてきたこともあって、7が5と2の合成でできていることがイメージとして定着してきているのです。

今では、指を折って、「5・6・7」 と数える場面はほとんど見られなくなりました。


ところが、「15+2はいくつ?」 と尋ねると、とたんに、「15・16・17」 と指を数え始めます。

この子の場合、これまでの取り組みにより、10以下の数は集合数としてとらえることができてきるようになった反面、11以上の数については、十進位取り記数法のイメージが体験として、感覚としてとらえきれていないため、順序数でしか対応することができにくくなっているのです。


別の子のレッスンで、こんなことがありました。


4年生の男の子が、学校で概数を習ってきました。

「上から2桁の概数にしましょう」

「千の位を四捨五入して、万の位までの概数しましょう」

というやつです。


事前のお母さんのメールによると。

概数の勉強で、いったい何をやったらいいのかが、さっぱりわからない、

くやしくてくやしくて仕方がないので、「どうしてもSHINOBU先生の所へ行って勉強したい」 

と言っていたそうです。


まずパソコンソフトを使って、ようすを伺ってみましたた。

2152は、2000に近いか、3000に近いか?

このことが、数直線を使って、イメージ化しやすいように構成されていました。

「うん、わかるわかる、これは2000に近いということだ」

何だかとっても、うれしそうに学習に取り組み始めました。

その様子を見ながら、何となくこの子の今の課題が浮かび上がってきたように思いました。


パソコンソフトを終了し、プリント問題をさせてみました。

「2983を、上から1けたのがい数にしましょう」

こうなると、とたんに目が点にになってしまします。

2983という数をイメージ化する体験が不足しているのです。


試しに、こっちが2000、こっちが3000と数直線を書いてみました。

3000寄りに2983と書くと、とたんに「3000」と答えることができます。

でも、この数直線の目盛りのどこに2983があるのかが、しっかりと身についているとは言えない。


お母さん、この子にとって概数の勉強は、これまで苦労して培ってきた数感覚を、さらに豊かにしていくための、大切な扉を開くきっかけになるかも知れませんね、


私は、お母さんにそうお伝えしました。


もともと継次処理優位傾向の強いお子さんでした。

長所活用型指導により、その優位な継次性を生かして、たし算もひき算もかけ算もわり算も、一つずつ攻略してきた、

しかし、やはりこのあたりで、数の量的な見方に、どうしても向き合わなければならなくなりました。

それは、継次系の数処理の限界ということではなく、それを超える数の題材に向き合うことができるまで、この子が育ったということだと思っています。


ある意味、これまで慣れ親しんできたアプローチを捨て、もともと苦手だった分野に踏み込むわけですから、かなりハードになることも予想できます。


でも、それはこの子に身につけさせたい大切な力

「12本の鉛筆セットから11本使いました。残りは何本でしょう?」


これはたし算? ひき算?

どうもたし算ではないらしいので、引いてみよう

12-11ということは、12・11・10・9・8・7・6・5・4・3・2・1

(指を折りながら) 答えは1かも?


それもいいけど、私がこれからこの子たちに身につけさせたいのは、

12と11の量的なイメージを念頭に置いて、12と11を映像的に直接比較して、その差を1ととらえる同時的な数量感覚なのです。

無理にこっちにすべてを変えてしまおうというのではなくて、こういう処理の便利さを体感させ。それを日常生活に生かせる子に育てたいのです。


私には実践の手応えと見通しがあります。

本気で取り組んだら、必ずできると信じていますし、そのプロセスも見えています。

時間はかかります。

でもそうでなければ、個別指導なんて引き受けていられません。

どこか大切な所を目指している方向感があるからこそ、SHINOBU先生と勉強したいと言ってくれるわけです。


最近、私のスケジュール、

もともとハードな上にさらにハードになって、記事を書く時間を確保するのも一苦労です。

体をこわさないのが、自分でも不思議なくらい・・


でも、臨床実践は日々積み上がっています。

これが、何よりの私の財産。


どんなにハードでも、レッスンをしているときが一番幸せ、

その手応えが、私を支えている、

私は子どもといる時間が、何よりも充実した時間となっているのです。



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