ダウン症の行動特性を 達成動機の高さから読み解く

 2011-09-02
私はこれまで、たくさんの子どもたちと一緒に、すごろくゲームをしてきました。

多面体のサイコロをいくつか使っていて、12面体のサイコロの場合は、1度に12個コマを進めることもあります。


12の目が出た場合、

「1・2・3・4・5・・・・・」

と数えているうちに、11・12・13・14・・・、と12をすっかり飛ばして、次へ次へと進んでしまう子に何度も出会ってきました。

きっと、出た目の12という数を、メモリーでキープ出来にくいのだろうと解釈していました。

では、何故12という数がキープ出来にくいのか?

実践を積み重ねていくうちに、私はそのことを、ダウン症児の達成動機の高さと関連づけてとらえるようになりました。


昨日は、数名のお子様のレッスンをさせていただきました。

それぞれ就学前であったり、就学後であったりするのですが、やる気満々という点では、どの子もそれぞれ決してひけをとりません。

いつもこういう前向きな気持ちで活動に取り組むことができること、

それこそが、こうした特性をもつのお子様の最大の長所であり、魅力であるのだと、私は思っています。


この気持ちが強ければ強いほど、一度やりたいと決めたことを、切り替えることができにくくなってしまいます。

頭の中がそのことで、満タンになってしまうわけです。

一所懸命であるからこそ、他のことを俯瞰する余裕を保ちにくくなってしまう、

つまり、メモリーの容量が小さいのではと、とらえるだけでなく、達成動機が高すぎるから、他のことが受け入れられにくくなるのだと理解すると、さらに行動を読み解き、理解し、適切な支援を構成できやすくなるのではないかと思っているのです。


ダウン症のお子様は、前向きで、明るく、一生懸命なお子さんがとても多いと思っています。

だからこそ、その時すぐに行動を矯正しようとするのではなく、まずは、その思いを遂げさせて、心のメモリーの容量を空けてあげると良いのです。

メモリーがちっちゃいと思うのでなく、この子は今、達成動機で満タンなんだと理解してみると、少し打つ手も色々工夫できるような気になりませんか?


イントロや滑走路を長くとること、

内容を拡散するのではなく、焦点化して、わかりやすく提示すること、

ねらいや手順を明確にして、継続することにより、活動の見通しをもたせること、

このことは、余裕をもって、色々なことを受け入れられる、心のメモリーのワイド化と無関係ではないのです。


すごろくゲーム、何度かやっていると、いつの間にか12でちゃんと止まれるようになる日がやってきます。

すごろくゲームなら、すごろくゲームに集中して取り組み、1日でも早くクリアして、次の課題に取り組む方法もあるでしょう。

でも、私は、定期的にプログラムの中に組み入れ、毎回5分でいいから、何度も何度もすごろくゲームを取り入れるのです。

手順がわかり、活動が楽しめ、見通しがもてるようになってくれば、たくさんのことを同時に処理することができるようになってくるのです。

それが出来るようになったその日、ちゃんとそのことを評価することができるか?

それこそが、支援者としての才覚だと思うのです。


言い出したら聞かないがんこさ、

生活の中で、そのすべてを受け入れることはできません。

どんなに自分がやりたがろうが、待たなければならないことは待たせければならないし、ルールを守ったり、他の方のことを考える気持ちも育てていかなくてはなりません。


だからこそ、根元の前向きな気持ちを理解し、そのことを実現し、心に余裕をもたせ、メモリーをワイド化していく営みも大切だと思うのです。

個別指導なら、果たすべき役割がきっとある。


北風と太陽?

実践を通して、果たして太陽の役割を報告することができるのでしょうか?

このことは、何もダウン症のお子様に限ったことではありません。

家庭でも、学校でもできないこと、

そのことを通して、私は子どもの学びと育ちに、少しでも貢献していきたいと願っているのです。


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コメント
改めて…やはりすごい方ですねSHINOBU先生は。
こんなポジティブな発想で行動や特性を読み解き、それを長所として捉えた上で支援できるなんて。先生の実践がもっともっと世に広まり支援教育のスタンダードとなることを願ってやみません。今後ともよろしくお願いいたします。
【2011/09/05 13:41】 | あゆみママ #- | [edit]
ぼろぼろに疲れているはずなのに、レッスンが終わると何故か元気になっている自分に気がつくことがあります。

子どもが大好きですし、レッスンも大好きです。

障がいは、それぞれに深く重い課題となってきますが、それを決してネガティブな面だけからとらえない、いわゆる長所活動の発想は、私の活動の命です。

心の芯からそう思うことにより、子どもは必ず心を寄せてきます。

だから、楽しいのです。

肯定的な自己理解力の育成、

子どもの成長と幸せのために、少しでもお役に立てること、

これからも、その子の命の輝きを、しっかりと見つめていきたいと願っています

これからも、どうぞよろしくお願いします。
【2011/09/06 13:42】 | SHINOBU #- | [edit]












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