どこまで 「数を量ととらえさせる指導」 を積み重ねてきたか?

 2011-08-08
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私は、継次処理優位の認知処理様式です。

落語や、講談などが大好きです。


知らない場所に行った時も、迷子にはなりません。

最初の角を右に曲がって、200Mほどまっすぐ行く。そこで7番入り口から地下鉄に乗り、下り行きに乗り、3つの駅で降りて、進行方向左手に出れば目的地 

地図はあくまでも参考資料、

こんなふうに順序性のある直列思考で、何でもかんでも言葉に置き換えて、納得するタイプです。


パワーポイントで、並列的に、たくさんの情報を提示されるのは、あまり好きではありません。

文章を順序だてて読むのは得意ですが、百科事典の解説ページや、歴史年表をそっくり頭に焼き付けるのは苦手です。


ダウン症のお子様は、どちらかといえば、私と同じ継次処理タイプのお子さんが多いようです。

たとえ微細な視覚認知は苦手でも、表出言語があまりなくても、場の空気を読んだり、コミュニケーションが豊かで前向きなお子さんが多いのです。


これまで私は、その特性を生かし、その長所を生かそうと、教材を工夫し、適切なアプローチを模索してきました。

それが今の私の何よりの財産となっています。

ですが、ここに来て、少し新しい感覚が芽生えてきました。


8+4はいくつ

そう尋ねられると、左に8を並べ、右に4を並べ、1から順に12数えていく、

たし算をしているようで、結局は7つ並べて数えるだけ・・


そんな子が、ブロックの8を見て、8というのは、10より2少ない数なんだと気がつきました。

加数の4を見て、それが2と2に分解できることも理解できました。


なら、8の所に2をくっつけて10、残りが2だから答えは12だ、

何回やっても、1から順に12個数えていた子が、ついに8を順序数ではなく、量的な数としてとらえることができるようになったのです。

そのとらえがあればこそ、4を2つ2に分解することもできたし、8と2を合成して10ととらえることができたのです。


「8と2で10」

「2と2で4」


教科書には、ちゃんと書いています。

でも、その本質は何か?

それを単に言語で唱えさせただけでは、なかったか?

その良さや意味を、どれだけ体験として豊かに子どもに示すことができたか?


私は、これまでの自分の至らなさに、今更ながらに気がついてしまいました。


例えば、視覚認知の脆弱な子であればあるほど、良質の視覚刺激が、しみこむように吸収されていく場面に何度も遭遇してきました。

まだまだ可塑性の高い子どもたちです。

視覚認知が苦手ならば、一方で長所活用型指導で得意な聴覚刺激を使いながらも、時間をかけていねいにそこの育てをしてみようと思うようになりました。


私の教えている子どもの中には、長い長い滑走路がないとテイクオフでききくい子、長い長いイントロがないと歌い出しにくい子も多くいます。

裏を返せば、ちゃんとイントロを長くしてやれば、結構歌えるというわけです。


同時処理の算数活動をていねいに行い、エンジンをあたためておけば、結構イケルということも分かってきました。

10のかたまりも、補数も、続けてやれば理解できることも分かってきました。


9+2なら、10・11と数えた足せば簡単です。

でも9+8なら、加数の8から1つだけ9に足して17と考えれば、1から順に17個数えるよりとても便利です。


1・2・3・4・5・・・・

子どもの数との出会いは、お風呂で数える順序数であることも多いかも知れません。


もしも、年齢の小さい時期から、数を量としてとらえる感覚を、遊びを通して豊かに培ってきたなら、さらに開ける道もあるのかも知れない、と思うようになってきました。


就学前のお子さんの、認知のブラックボックスを開けるということが、私にとってはこの何年かの大切な課題でありました。

そのしっぽを、ここに来てちょっとだけつかむことができたように思えてきました。


育てる内容と手順が明確になってくると、不思議なもので、どの子にも 「ははん、この子は今、ここまで分かってきているな。そんじゃあ、今日はここをやってみるか」 という感じに、なすべきことがクリアに見えてくるのです。

となると、当然、方向感が出てきて、子どもも楽しそうに取り組んでくれます。


同時認知をイメージさせた後に、「10-いくつ」 のプリントをすると、とても入りがいいです。

そりゃそうです、いちいち数えなくてもぱっとわかるのですから。

それが、同時処理の良さです。

その良さをしっかり理解してこそ、活動の工夫に行かせるというものです。



「8と2で10」 と覚えることも大切です。

でも、10個のブロックから2個除いて、「さてこれはいくつでしょう?」 と尋ねると、大きな声で 「8」 と答えてくれます。  

「へー、何で? どうして数えなくても、8ってわかるの?」

「だって、頭で考えたんだもん」

笑顔いっぱいで答えてくれます。


具体物、半具体物は、やがてはフェードアウトする時期も来ると思っています。

でも、今は、浮き輪付きでもいいから、楽しく、便利で、ステキな算数の海をたっぷりと泳がせてやりたい。


浮き輪が無くても泳げるその日、

視線の先に、そのことをしっかりとらえていたいと思っているのです。



この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2011-08-09)





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【2011/08/21 10:57】 | # | [edit]












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