必ずできる行動改善
2018-11-30


小学校の教員をしていた時に、ずっと心に抱いていた疑問があります。
「B先生の前ではマイナス行動ばかりみせていた子どもたちが、A先生の前にくると、どうしてあんなに目を輝かせ、クラスのみんんなと協力し、生き生きと学習に取り組むのだろう」
教育的な力量といってはそれまでのことですが、そのポイントをどう整理していいのか、ずっと不思議に思っていました。
そんな中、大学院に行ったとき、積極的行動支援(PBS)について学ぶ機会がありました。
これまで疑問に思っていた内容のすべては、応用行動分析に基づいたこのPBSの手法で、すべて論理的に説明できることを知りました。
いわゆる子どもの問題行動を、すべて子どもの特性のせいだと考えるのは誤りです。
子どもはよく生きたい、成長したいという基本的な欲求をもっており、すべての行動には理由というものがあるわけです。
問題行動は、関係性の問題として考えるべきであり、それをきちんと読み解いていけば、必ず望ましい支援の形は見つかると考えています。
今、時々お子様の行動にことについて、保護者の方からご相談をうけますが、お話を詳しくお聞きしてるうちに、ほとんどの場合その解決のための糸口はみつかります。
子どもの行動には、必ずそれなりのわけというものがあり、行動の背景というものがあるのです。
そして成長の欲求、集団への所属欲求があります。
だからこその、真の子どもの願いを引き出すかかわりについて、考えてみるべきだと思うのです。
子どもの夢をかなえたい
2018-11-28

今高等部に通う女の子が、私のことを作文に書いてくれました。
小学校3年生の時から、もうかれこれ7~8年サポートさせていただいている子です。
うれしくてたまらないので、紹介をさせていただきます。
大切な人
SHINOBU先生は白ゆりの先生です。
白ゆりは、個別塾です。
知り合ったのは、小学校3年生の時です。
優しくて、楽しくて、明るい先生です。
話を聞く時よく分かります。
SHINOBU先生との思い出は、三枚のお札を勉強したことです。
三枚のお札は、とてもおもしろかったです。
今まで勉強した中で一番褒めてくれて、とても嬉しかったです。
私が
「これはこれでこうしてこうなったからだと思う。」
と説明したら、あっていました。
「このお話のことを理解してるね!」と言ってくれました。
それがうれしかったです。
お話の面白さが理解できて嬉しかったです。もっと理解できるようになりたいと思いました。
SHINOBU先生は、これからの未来を教えてくれました。
将来どんどんお話を読んで理解できると、お話が今までより面白くなるし、自分でお話を作ることもできるから、楽しみにしておいてもいいと思うと言ってくれました。
それを聞いたとき、いつか本当にそうなればいいなと思いました。
今は、物語は書いたりはしてないけど想像はしています。
作文は書いています。
作文を読んでもらった時に感想を言ってもらうことが楽しみです。
SHINOBU先生へ
先生には小さいころからお世話になりました。レッスン中に昔のこととかの話をしながらやるのを楽しみにしていました。先生とレッスンをすると昔のことなのに最近のことのように思えます。これからも先生のところへ通い続けるのでよろしくお願いします。
真摯に学びに向かい合う子どもの瞳ほど、美しいものはありません。
この子の言語の力が劇的に伸びた期間は、複数回ありました。
私が子どもの可能性を信じてやまないのは、こうしたリアルな子どもの成長を、間近にずっと見てきたかたです。
「いつか本当にそうなればいいなと思っていました」
その思いを何としても叶えてあげたい。
私たちのチャレンジはこれからもずっと続いていくのです。
実践から見える仮説
2018-11-16

先日大学で、注意の集中にかかわる講義を行いました。
毎回のことではありますが、学生さんたちに伝える内容について、事前にかなりの時間をかけて、私自身が学ぶ機会が必要です。
そして、そのことを、生きた言葉で伝え、実践について語る中で、「はっ」と気づく場面がたびたびあります。
これまで私は、それぞれの子どもの認知処理特性について、焦点をあてて方略を立てることを基本に据えていました。
今でもスタンスに変わりはないのですが、ただ単に一つの方からその課題をとらえるだけでは不十分であることに気がつきました。
仮に認知処理特性の理解と方略を軸にするとすれば、そこに注意の集中およびコミュニケートという二つの観点を加味して構成すること、
この3つの軸をおりまぜて子どもの特性を理解し、方略を立てると、それまでやや閉塞感のあった活動にも、方向感や躍動感が芽生えていくことが体験的にわかってきました。
きっとこれが、私の目指す一つの形、
理論と実践の双方から生まれる豊かな学び、
臨床場面を通して、これからもずっとその仮説を検証し続けていきたいと願っているのです。
志を同じくするもの
2018-11-12

先週、県北のある小学校へ訪問させていただきました。
次年度入学予定の保育園・幼稚園・こども園の子どもたちが、一日体験入学で、その小学校にやってきました。
校長先生が、付きっきりで学校の案内をしてくださいました。
校長先生は、今年退職予定の先生でありますが、今からもう30年以上前、新採用時に同じ学校に勤務したいわば親友の一人です。
教育委員会の指導課長を経て、市内の中心校の校長となり、そこでご退職、
40代以降は、お互い自分の時間がほとんどとれず、なかなか会う機会も少なくなってしまましたが、是非ともそのお祝いをさせていただきたいということで、今回の訪問となりました。
何十年経とうが、新採用の頃からずっと、お互いに教育にかける情熱には微塵も変わりがないなと感じました。
彼は、退職で少し時間に余裕ができるので、4月以降は月に一度は会いたいなという話になりました。
前日には、法人の園内研修で、ノートルダム清心女子大の青山先生にお越しいただきました。
今や全国的に著名な存在となりましたが、平成3年の内地留学の同期生として知り合って以来、彼とももう27年のお付き合いとなりました。
相変わらずエピソードを上手に紐解いて、キレのある内容の豊かな研修会となりました。
この校長先生と青山先生が、旧知の知り合いであったことが、今回の訪問で明らかになりました。
世の中、本当に狭いものです。
彼らとは、志を同じくして、ずっとずっと同じ方向を見つめて歩んできました。
20年、30年というのは長いようで、教育のスパンとしては、ほんの一つの区切りにしか過ぎません。
この時代に生きる教育者として、何を見つめ続け、いかに豊かな教育実践を積み重ねることができたか?
その答えはいつも、目の前にいるたった一人の子どもの育ての中にある、
私たちの歩みは、これからもずっと続いているのです。
次のステージへ
2018-11-05

先日、新しい小規模保育園の設立に向けて、審査会に行ってきました。
今回は、現職の園長として審査会に臨むわけで、ある意味これまでの教育・保育の取り組みを、行政のリーダーの立場の方に知っていただくまたとない機会であると考えました。
設立に向けての書類は、担当が骨を折って作成してくれましたので、私は運営や経営にかかわる内容を担当しました。
表に立つのは自分でしたが、多くの職員の努力と願いがそこに込められていることを、背中いっぱいに感じている気分でした。
プレゼン前夜は、職員が帰ったあと保育園にこもって、何度も原稿を練り直し、何度も何度も発表の練習をしました。
市の幹部の方が10名以上いる部屋で、滞りなく自分の思いを伝えきるためには、得心のいくまで内容を整理しておく必要があると思っていました。
プレゼン自体は、自分の力を出し切ったし、全く悔いはありませんでした。
自分の人生の中で、こうした晴れやかなチャレンジの舞台に何度も立てたことを、とてもうれしく思いました。
先週末に、事業予定者の決定通知をいただきました。
すべきことは、ここからがスタートとなるわけで、身の引き締まる思いになりました。
すべての子どもの成長と幸せのために、自分のなすべき役割に、真摯に取り組んでいきたい。
この先、どんな子どもたちと出会っていくことになるのでしょう。
次のステージに向けて、また一つ、大切な夢が心の中に芽生えたのでありました。