理で動くこと 情で動くこと
2017-12-30

↑ しあわせをあなたに いとうみゆう
私は何事につけ、理で動き、言語で自分をコントロールするタイプです。
こうして10年近く、月に10本ブログを書き続けたのも、自分の歩みを言語化して確かめることをとても重要に考えているからです。
私が今教えている子の中には、まだ言語表出がみられない子が何人もいます。
では、その子とコミュニケートが出来ないかというと、それは全く逆です。
言語を媒介としないコミュニケートは、ダイレクトに心と心がふれ合いますから、教材を通して、何とも言えない一体感と信頼感がそこに生まれます。
この1年は、この何年かと違う新しい取り組みにいくつもチャレンジしてきました。
「人は理で動くのではなく、情で動く」
これがこの1年間で、私が学んだ最も大切なことがらです。
人の真実は、言葉や数字で表れないところにこそ宿る、
人のやる気も、理では決して動かない。
他では決して代えることの出来ないあなたの命の輝き、
言葉にはならない大切なことは、あなたの瞳の奥に、いつもしっかりと映っているのです。

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反省
2017-12-28

先週から首のつけ根の脂肪のこぶが化膿し始め、どうしてもがまん出来なくなったので、火曜日に病院でその部分を切って膿を出してもらいました。
月曜日は、大学での講義、給料日、職員会議などが重なり、病院に行きたくても行く時間が取れませんでした。
何とか穴を空けずに乗り切ることが出来たものの、ベストでない体調での取組は、子どもたちにも、学生さんにも、職員にも申し訳ない思いでいっぱいになりました。
メスは入れましたが、その傷はわずか1センチほどで、痛みは麻酔が切れてもさほどではありませんでした。
それよりも、化膿による痛みはほとんどなくなり、普通に眠ることができるようになりました。
振り返ってみれば、平成29年度には、発達支援センターに新しい管理者を据え、インクルーシブ教室を立ち上げ、小規模保育園の園長に就任し、就実大学での授業も開始しました。
自らが企画推進した事業の中に、依頼された仕事がいくつも重なってきたという状況でした。
土日のほとんどは、大阪でのレッスンを行い、その中に二つの事業所の指導監査があり、来年2月にはダウン症療育研究会の教育講演という大役を頂戴しています。
正月にはずっと部屋に缶詰で、ただひたすらたまっている仕事を一つ一つ片づけていくしかありません。
元々力のない自分なんだから、人の2~3倍やらなければ、まともなことは何もできない。
でもその中で、引き受けたレッスンだけは、体調などの理由でキャンセルすることがなかったのが、何よりの誇りです。
しかしながら、仕事の量と質のバランス、さすがに少し調整する必要な時期になってきました。
私ももう59歳、自分の体力とも相談しながら、身の丈に合った生き方について考える必要もありそうです。

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言語の扉
2017-12-26

4月から、週3回私のマンツーマンレッスンを受けてくれている3歳の男の子がいます。
当初は、学習席に着くことすらままならぬ時期がありましたが、今ではレッスンが始まる10分以上も前から、個別指導室の扉の前で自分の順番が来るまで待っているほどになりました。
言語表出はほとんど見られませんでしたが、レッスンを重ねる度に、その子がこの個別レッスンに何を求めているのかが、手に取るようにわかってきました。
言語を媒介としない分、逆にダイレクトにコミュニケートできるようになったと思うくらいの内容です。
この日、好きに絵本の一つを選ぶと、そのページを開いて 「いただきます」 とあいさつをしていました。
音声自体はありませんが、その言葉はダイレクトに私の胸に伝わってくるようです。
この日は、「いただきます」 の他に、片手をあげて 「はーい」 も動作化できるようになりました。
言語表出の芽生えも、随所に見られるようになりました。
そう言えば先週の大阪で、5歳の頃からもうかれこれ8年近くサポートさせていただきている女の子が、急にプリントの文字を読み始めて、私をひっくり返しました。
毎月毎月ずっとレッスンをさせていただいて、それまでずっと聞いたことが無かった音声言語が、8年目にしてこの日、突然出て来たりするわけです。
これまでその日を信じて、ずっと種まきを続けてきて本当に良かった。
可能性を信じて歩み続ける力こそ、それが教育力、
あきらめてしまうかどうかは、その人の勝手です。
でも私は、絶対にそれをあきらめない。
可能性を信じ、それを積み上げて行けるだけの実践力と支援の手立て、
いつもそれを支えてくれるのは、こうした子どもの存在そのものなのです。

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支援者冥利
2017-12-23

内容についての理解はしっかりしているのに、話したり書いたりすることが苦手で、なかなかうまく表現できないタイプの子がいます。
その様子だけ見ていると、とてもわかっているようには見えないけれど、予想以上に理解力があったりする場合もあります。
上の画像は、先週のレッスンである男の子と一緒に学習した生活文のプリントです。
解答欄には、「クリスマスかい」 としっかりとした文字が書いてあります。
ほん1ヶ月位前は、その枠から大きくはみ出した、2~3倍くらいの大きさの文字を殴り書きしたような状況でした。
言語でのアウトプットも、決して明瞭ではありませんでしたから、そのときはとても学習がかみ合っているとは思えませんでした
しかし、そのアウトプットと比べて、インプットの理解力の優秀さに気がついた時の衝撃ははかりしれません。
こんなにも豊かな判断したり、考えたりできるんだと、胸が熱くなるような思いでいっぱいになりました。
ならばということで、文字が枠からはみ出そうが、ゆっくりと丁寧に書くことが出来にくかろうが、どんどんと問題量をこなしていくことに決めました。
それはアウトプットにこだわらず、理解力・思考力を伸ばしていこうと考えただけでなく、書字やコミュニケートにかかわる絶対的な経験値そのものを積み上げていくことが重要だと考えたからです。
おそらくは、2年も続ければきっと改善するのではないかと思っていました。
まさかこんなにも早く、目に見える効果が表れようとは思ってもみないことでした。
レッスンを始める間は、学習席につけるかどうかも器具されていた彼は、今では時間いっぱい誰にも負けない集中力で問題に取り組むようになりました。
あまり言葉で多く語らない子ほど、通じ合ったときの気持ちは、さらに深い。
この子はもう、私の実践にとって、なくてはならない子の一人となったのです。

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ダウン症療育研究会プログラム
2017-12-22

PDFはこちらから http://okayama-shirayuri.com/nc_images/pdf/20171222.pdf
来年2月10日、岡山大学で開催される第24回日本ダウン症療育研究会のプログラムが届きました。
私は第3部で、これまでの実践について、内容を整理してお伝えしたいと考えています。
ご都合のつかれます方は、ぜひお越しください。

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続々と届く合格通知
2017-12-20

この1週間のうちに、3人の子の合格のお知らせをいただきました。
そのうち2名は私立の中学校へ、もう1名は高校への進学が内定したことになります。
それぞれの子には、それぞれに苦しい時期がありました。
それだけに、ご家族の喜びはいかばかりかと、熱い気持ちで胸がいっぱいになりました。
「先生に出会って、初めてこの子は勉強が楽しいと言ってくれました」
そのうちの一人のお母さんは、そんな言葉をLINEに添えてくださいました。
もちろん、合格通知はゴールではなく、新たなステージの幕開けとなるものです。
そこにはきっと、苦しいことさえいくつも待ち受けていることでしょう。
しかし、こうした晴れやかな気持ちで新しい晴を迎えることの出来ることを、何ともうれしく感慨深いものに思えてならないのです。
子どもは学びを通してこそ、自分に対するプラスの気持ちが育ち、そのことをもってこそアイデンティティが確立し、自分の生きる意味を知り、社会の中でその子らしさを生かして自己実現していけるのです。
これからもずっと、すべての子どもに、公平に、豊かな学びの機会を提供していきたい。
私のやっていることは、きっとほんのささやかなことにしか過ぎないのです。
それでも私のこの足は、ずっとずっとこの道を選び続けるのだと感じているのです。

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人の心を動かしていくもの
2017-12-19

月曜日の朝は、大学で学ぶ学生さんたちと一緒に、「障がい児保育Ⅰ」の学習を進めています。
後期の学習も昨日が13回目で、あと二コマを残すのみとなりました。
昨日は、「ダウン症の理解と支援」 という内容の学習でした。
1年生の学生さんたちですから、まず基礎的な知識についてしっかりと身につけてもらいたいと考えていました。
いい加減なことは伝えられないので、テキストに書いてある内容について、自分自身でしっかり裏をとったものを学生さんに紹介していきました。
このことが自分自身の実践をより確かなものにしていくための大切な時間になっていることを、ずっと感じていました。
月曜日の朝と言うこともあり、当初は眠そうにしていたり、集中度に欠ける学生さんもいましたが、この頃は私の伝える一言一句を食い入るように受け止めてくれる学生さんが増えてきました。
その度に、あーこの子たちは、何年か前の私と同じ目の色をしているなと思いました。
小学校の教員時代、駆け出しの頃からずっと障害児学級の担任をしたいと思っていましたが、当時の私はまだ特殊教育の免許を取得していないこともあって、ずっとその夢は叶いませんでした。
まずは、学級担任として一人前のクラス作りができるようになったら、特別支援の道に進むというのが、いつしか教員として自分が進んでいく道であると確信していました。
学校で一番力のある先生を、支援学級の担任に据える、
当時6年生の学年主任をしていた私を、当時の校長先生は翌年、特別支援学級の担任にしてくださいました。
今の私があるとすれば、原点はまちがちなくこの時にありました。
保育者・教育者として、自分を必要としてくれる子どもたちの学びと育ちに、しっかりと寄与できる力を付けていきたい。
私は彼女たちの瞳の奥に輝く思いの源泉が、きっとそこにあると考えています。
私がそうであったように、指導者を変えていく力は、いつも子どもたちの出会いから始まる、
あなたが今ここにいるからこそ、教育者としての自分が自分でいられる、
保育者として、未来の子どもの学びと育ちを支えるであろうこの学生さんたちに、実践を通して得た育ての真実を、わずかであっても伝え続けたい、
あれほど負担感の多い月曜日でしたが、何だか今ではこの時間がとても楽しみになってきました。
この仕事を引き受けて、本当に良かったと思っています。

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三枚の写真
2017-12-18

昨日は、大阪でのレッスンの日でした。
6年生の女の子のお母さんが、修学旅行のスナップ写真を3枚見せてくださいました。
上の画像は、その写真そのものではありませんが、上の画像と同じように、そこには友達と一緒に食事をしたり、宿の中で楽しそうに過ごしている様子がダイレクトに伝わってきました。
就学前からもう何年もずっとサポートさせていただいている子です。
この写真を見ただけで、地域の小学校を選んで本当に本当に良かったと思いました。
この気持ちは、お母さんも私と同じであったらしく、そのことをお伝えすると、何度も何度も大きくうなづいておられました。
こういうことは、数値や点数で表すことはできません。
そのことを示す何かの尺度も物差しも何もありません。
人としての貴さや人間の価値はそれぞれが絶対的なもので、本来人が学び育つ本質に、検査や数値は決して張り付いていかないはずです。
何かの障がいがあれば、地域の中で、お友達の中で、ごく通に、一緒に学ぶことは許してもらえないものでしょうか?
いえいえ決してそんなことはありません。
それぞれの子どもの特性や能力に応じた行き届いた教育内容と、そのこととは決して相反するものではないはずですから。
たとえ1ヘクタールが何㎡かがわからなくても、地域の中で、お友達の輪の中で、一緒に学び育った小学校の日々は、その一コマ一コマが何とも尊く、きっと生涯にわたってその子の自尊心と自分に対するプラスの気持ちを支え続けるに違いありません。
地域の中に、集団の中にしっかりと居場所があってこそ、その特性に応じた個別学習は初めて意味を為すものとなる。
このブログを立ち上げた頃から、この子とはずっと一緒に歩んできたはず、
そのことを伝え続けてきたはず、
なのに変えていかなければならないことの本質は、いったいどこにあるのか?
この子の弾むような笑顔こそ、私たちの求める、何よりのその答えであったと感じているのです。

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夢
2017-12-17

岡山市北区伊福町にあるインクルーシブ教室白ゆりの個別指導教室は、縦横それぞれ3Mほどの小さな教室です。
しかしながら手の届くところにありとあらゆる教材を整理して配置し、今の私にとっては最もレッスンの行いやすい環境の一つとなりました。
先日、業者にお願いして、レッスン様子を動画で記録し、リアルタイムに控室でお待ちのご家族に見ていただけるモニターカメラを設置しました。
この日、早速試運転で機器の操作を行ってみました。
少し上にカメラを設置しましたので、机上のパズルやプリントなどの教材も、俯瞰してみることが出来ます。
データはかなり容量の大きい専用の記録媒体に保存できるようになっており、オン・オフやカメラの角度も手元で操作することができます。
パソコンさえあれば、レッスンをしている私自身も同時にその様子をモニターすることが出来ますし、音声もかなりクリアに録音されていました。
もちろんデータはパソコンから取り出すことができますし、研究用のデータとしては比類無く貴重なもの安定的に保存することができます。
音響専門の業者に依頼すれば、相当の費用がかかると思えますが、長いお付き合いということもあって、今回は家庭用と変わらない破格の設置費でこの環境を作ることができました。
まさに実践者としては、これ以上のない環境が整ってきました。
カメラを構えたとたんに消えてしまう、あの弾むような子どもの笑顔を、日常的に保護者の方と共有したい。
最終的なこの環境は、遅くとも1月中にはきちんと整備できるはずです、
私の夢が、また一つここに実現したのです。

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再始動
2017-12-16

一昨日、小規模保育園の指導監査が終了しました。
その前の週には、インクルーシブ教室の実地指導があり、この2週間はこのふたつの指導監査のために、私が直接もっているレッスンを他の先生に任せるなどして、てんてこ舞いの日々が続いていました。
小規模保育園の監査は、日程調整などして事前に日にちがわかっていましたが、インクルーシブ教室の監査は事前予告なしでいきなり通知が来ました。
家内の入院など、家庭的なこともこの時期にいくつか重なっており、その通知書を見た瞬間、さすがに目がクラクラしてしましました。
ただ、どうやっても逃げることはできないわけで、ただただそこに向けて準備をするしかないと、開き直るしかありませんでした。
終わってみればの話ですが、どちらの指導監査も小さな点ではいくつかのご指導をいただきましたが、運営管理は適正で、教育・保育の内容自体はきちんと評価していただけたと思っています。
私の歴史の中で、ここまでいくつかのことが同時に重なったことはありません。
時間的にも、体力的にも、メンタル的にも、余裕のない私ですから、きついのは相当きつかったんだと思います。
この期間、監査が終わったら、どんなに気が晴れるだろうと、ずっと考えてきましたが、実際に終わってみると、ある意味空白の期間に後回しにしてきた山積みの仕事が気になって仕方がありません。
ほっとしたのは、ほんの3時間くらいでしたか、
今日からまた全力投球、
為すべきことのある自分は、きっと幸せなのに違いありませんから。

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