新時代の支援
2016-11-29

発達支援の事業を始めた頃は、一日の定員が10名でした。
当初はなかなか定員に満たなく、経営面では本当に厳しい状況が続きました。
今ではその定員も1日40人、
来春からは新しい事業所も含めて1日50人の体制となります。
先日お越しくださった行政の担当者の方も、現在の実契約人数が180人と聞いて、目を丸くされていました。
事業を始めた頃は、通所支援の制度自体が、改訂の道半ばといった感じでしたが、今ではそれぞれの地域に、特色のあるたくさんの事業所ができました。
そんな中で、白ゆりの独自性も確立し、いつの間にか私のマンツーマンレッスンがなくとも、定員一杯の子どもたちを迎え入れることができるようになってきました。
私の代わりに、直接子どもの指導にあたる職員の技術も経験も、格段に向上してきました。
先日の指導監査をもって、事業基盤としての私の果たすべき役割は、一つの区切りがついたのではないかと感じています。
これからは、もう一度原点に返ると同時に、さらに一段高いステージから、すべきこともあろうかと感じています。
今後この2つの事業所は、それぞれの新しい責任者と共に作り上げて行こうと考えています。
責任者として、ただがむしゃらに前に進んできた5年間を、とても愛おしく感じます。
私らしい次の1歩の踏み出し方、
この道を、いつまでもまっすぐに進んでいきたいと思うのです。


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子どもの育てに生かす 個別支援の技術
2016-11-28

昨日は、前理事長の7回忌の法要でした。
日曜日に予定していた大阪のレッスンは、すべて23日の祝日に振り替え、土曜日には大阪からトンボ帰りというスケジュールになりました。
その土曜日の最後の女の子が、体調を崩しお休みとなりました。
そのお母さんから、以下のようなメールをいただきました。
SHINOBU 先生
おはようございます。
昨晩より娘が風邪をひいて熱を出しており、今日のレッスンをお休みさせてください。
今朝搭乗予定だった飛行機も、泣く泣くキャンセルいたしました。
私がSHINOBU 先生のでところに行くよ!と数日前から言っていたので娘は「せんせ、せんせ」と言っています。
来月のレッスンを楽しみに、日々の生活を頑張りたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
大阪でのレッスンを受けるために、毎回福岡から飛行機で来てくださっているのです。
思えば平成24年、この子が3歳の時からレッスンをさせていただいているので、もう4年以上のお付き合いです。
お父さんのお仕事の都合で、岡山から福岡へ転居されたにもかかわらず、こうして年に何回も大阪でのレッスンを受けにきてくださいます。
特別な理由のない限り、レッスンには絶対穴をあけない、
土曜も日曜も返上して、私がレッスンにかける源泉は、こうした子どもとご家族の気持ちあればこそで、そのことを私は、何よりの生きがいに感じているのです。
法要が終わった後、水曜日にある園内研修会のプレゼンの準備に取り掛かりました。
先週は監査に追われ、準備をするのはこの時間しかないと考えていました。
「子どもの育てに生かす 個別支援の技術」
私が多くの子どもたちの実践を通して得た支援技術を、これから活躍する若い保育士の育てに生かしたい、
そんな思いで取り組みました。
場合によっては、深夜までかかるかと思っていましたが、予想より早くプレゼンの準備はできました。
特にハードな1週間でもありましたから、体には相当ダメージがあったのでしょう。
パソコンのスイッチを切ると、まるで海の底に沈むこむように眠り込んでしまいました。
そのせいか、今日の私の体調は絶好調、
たまには休みも必要かもしれませんが、今週も、振替レッスンのお申し込みなどをたくさんいただいています。
先ほどは、新しい教室のリフォームの状況を見に行きました。
なかなかすてきな感じです。
毎日、目指すことと、子どもたちの笑顔がそこにある。
一つ一つのことに真心を込め、これからもしっかりと前を向いて歩いていきたいと、心から願っているのです。


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担当課の実地指導
2016-11-24

今週の火曜日に、岡山市事業者指導課の実地指導がありました。
認可事業で言えば監査にあたるものですが、私たち通所支援事業所では、今回の実地指導がそれにあたります。
平素から何かとお世話になっている担当課の方が3名お越しくださいました。
児童デイサービスを始めてから5年になりますが、今回が初の実地指導ということになります。
補助金をいただいて建物を建てた関係で、春には会計検査院の実地検査を受けました。
何一つ不正を行っているわけではありませんが、それぞれが初の検査でしたので、落ち度の一つでもあれば、法人の名にかかわることでもあるし、厚い信託を寄せてくださっている利用者の皆様に申し訳が立ちません。
責任者の私としては、特別な思いでこの日を迎えることになりました。
事業を始めるにあたっては、どこかの事業所を参考にするようなとは一切せず、ただ子どもたちやご家族の思いに寄り添うことだけを考えて前に進んできましたから、手続的なことで不安に思う内容は少なくありませんでした。
今回も、いくつかの点で表現の変更が必要であったり、内容を整合させたりする部分についての指導を受けました。
指導を受け点については、すぐにも改善させていただきたいと思いました。
事業を始めて5年、
担当課の実地指導を受ける以前に、補助金をいただくことなど、普通ではありえないことですが、無事今回の指導を終えたことで、私自身は一つ大きな仕事を成し遂げたように考えています。
これで、来春からの新しい事業所の開設申請に弾みがつくというものです。
多くの方の期待と支えがあればこそ、私たちの今がここにあるのです。
コンプライアンスを大切にしながらも、いつも子どもとご家族の願いを受け止め、さらに心の通った支援を充実させていきたい、
私たちの次のステージは、もう目の前にあるのです。


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新大阪教室への思い
2016-11-19

大阪や京都に出張レッスンに行かせていただくようになってから、もう7~8年になります。
その関係で、高速や新幹線を使って、何人もの方が、毎週のように岡山でのレッスンを受けてくださった時期があります。
これでは申し訳ないということで、作ったのが新大阪教室、
もう3年にもなります。
土日限定、今は月に3回新大阪のでのレッスンをさせていただいています。
月曜から金曜日は、教室は空き家、
月3回の往復は、当然新幹線。
となると、1回あたりの経費は普通の教室とは比較にならず、事業としてのうまみはほとんどありません。
でも、そのことを可能にしてくださっているのは、利用してくださっている皆様が、経済的な負担をシェアしてくださっているからに他なりません。
新大阪の教室は、全くの個人経営ですから、何の制約もありません、
さながら今では、私の研究の附属小中学校とか、幼稚園とかいった貴重な臨床現場となっています。
ここで儲けようとかは思わず、内容的なことに徹底的に向き合う時間と環境がここにあるということが、今の私にとっての生命線となっているのです。
おかげさまで、岡山の新教室は、開店前にもかかわらず、予想以上のたくさんのお申し込みやお問い合わせをいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
だからこそ大阪は、少し心と時間に余裕をもって、しばらくはクオリティを重視した運営にしていこうかとも考えています。
先日は、新大阪の教室に、会員の方のご紹介で入会してくださる方がいらっしゃいました。
本当にありがたく思いました。
広告を出していた時期もありますが、それをペイするために経営を考えていくバランスも必要です。
内容的な向上と質の高さが、口コミでご紹介の方を増やしていく、
本来の白ゆり教室のスタンスをいつまでも忘れないようにしていきたい。
平素は、白ゆり発達支援センター所長として、皆様の期待と責任を強く受け止める毎日となっています。
だからこそ今、大阪の教室は、私の活動の原点となる位置となっているのです。


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10年もやっていて、初めて気づくこと
2016-11-18

今日、3歳の男の子のレッスンがありました。
確かレッスンを初めて3回目くらいの時に、ご両親がレッスンを見に来てくださいました。
それまでは調子よく出来ていたでしたが、その日には、何度もパズルやおもちゃを放り投げてしましました。
せっかくお父さんが来てくださったのに、そんな場面を見せることになり、大変申し訳なく思いました。
しかし、これまでにも、そんな子は何人も見てきましたから、かといって特別困った気にはなりませんでした。
絵本や手遊びが大好きなので、パズルやおもちゃは、そのタイミングが来てからで大丈夫と考えました。
認知に比べて、手指の巧緻性が後から育つタイプ、
出来れば早くそこの育てに取り掛かりたいと、若干あせる思いもありました。
今日のレッスンのことです。
いつもは、私の方で絵本をめくってやる場面がありましたが、どうもそのことを快しと思っていないふうに見受けられましたので、思い切って本児の思うようにさせてみました。
最初は、何となくぎこちない感じがしていましたが、しばらくすると、案外自分で何とかできることに気が付きました。
それどころか、内容的なことがかなり認知出来ていて、それが生きた学習になっていることがわかりました。
言葉によらずとも、内容を共有することで、こうまで心が通じ合い、活動が豊かになるものかと、弾むような気持ちになってきました。
これだけ絵本が好きなら、絵本から数の扉を開けることができるかもしれない。
10年間、何万という個別レッスンを積み重ねて来て、初めて気が付いた内容です。
早速アマゾンで、いくつかの絵本を購入しました。
絵本はいつも高額で、3冊買っただけで数千円にもなります。
でも、その中の1冊でも教材化できたなら、同じような認知特性の子どもの数の扉を、少しでも早く開くことになるかも知れない。
私は、その期待で、胸が高鳴るのを抑えることができませんでした。
汲めども尽きぬ教材研究の奥の深さ、
もっともっと多くの子どもたちからたくさんのことを学び、そのことをさらに以後のレッスンにダイレクトに活かしていきたい、
これだから私は、いつもまでも実践の場から立ち去ることができないのです。


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時の重み
2016-11-17

小学校1年生の時からサポートさせていただいている男の子が、来春、高校生となる予定です。
3歳の頃からサポートさせていただいている女の子は、春からは中学生になります。
いずれも8年・9年と、長い期間ずっと私のレッスンを受けてくれてきたわけです。
それぞれに小学校卒業、中学校卒業という大きな節目の時期を迎えるわけですから、ここで何人かの子どもは白ゆりを卒業ということになります。
初めて文字が読めるようになった日のこと、
初めて繰り上がりのたし算ができるようになった日のこと、
一期一会のレッスンの積み重ね、
ここまで子どもと、そしてご家族と共に歩んできた時間は、何にも代えることのできない大切なものとなりました。
支援はいつか除去してこそ、意味をなすものです。
そのあとに残るもの、
決して数字や言葉で表せないそのものが、きっと何かその子のその後の支えとなっていくはず、
これまで私は、そう信じて取り組んできました。
子どもの育ちの8年・9年は、その子の人生の中で特別な意味をなすはずです。
そこに映る私の姿が、いつも笑顔のあふれるものであってほしい、
それぞれの場面で、学びを通して伝えてきたその子の命の輝きを、ずっと心に刻んだままで、新しいやがて来る新しいステージを力強く歩んで欲しい、
そう思うのです。
たった一人の子どもとの出会いから始めたこの教室、
それからもう程なく10年、
限りなく重い子どたちとの出会いが、そこにありました。
この先10年も、信じるこの道をしっかり歩んで行きたい、
心の底から、そう願うのです。


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真の教育者
2016-11-11

私は教員時代、研究主任を何度もしましたし、嘱託でしたが教育員会の指導主事もさせていただきました。
どちらかと言えば、一発勝負の大きな研究発表会などが得意なタイプでした。
一方で、そういうことは苦手なタイプの先生もいらっしゃいました。
派手な舞台は得手でなくとも、日々の一つ一つの教育活動にていねいに取り組み、しっかりとした学級を作り上げておられました。
体育館で私がプレゼンの準備をしているときに、クラスの子どもたちと一緒に運動場の草取りなどをなさっている先生の姿を見て、真の教育者は子どもとあゆむその先生の方で、だからこそ私は、その先生のお気持ちに添えるよう自分の役割をしっかりと果たしていかなくてはならないと、気持ちを引き締めたものでした。
今うちの発達支援センターの内容は、とんでもなく高いレベルにまで来たと私は思っています。
もし保護者の方が直接、よそと比べていただいたら、きっとうちを選んでいただけるものと自負しています。
学会など、もっと大きな場で発表してみてはと、勧めてくださる方もいます。
でももうそんな必要以上の派手さは不要で、しっかりと足元を固めていく方が肝要と思い、主任の先生に相談してみたら、彼女も私と全く同じ思いでした。
決して、楽をしたいと考えているわけでも、何かが面倒くさくなったわけでもありません。
目標や夢のないところに、人は集いません。
もう私たちは大きく飾らなくとも、ありのままで、ただ子どもたちの成長と幸せだけをしっかりと見つめていくことが、さらなる次のステージに向かうための基盤になっていくような気がしています。
今の時代に、私たちがなすべき役割は、決して軽くありません。
子どもと保護者の願いを背負う代弁者として、これからも大切なことをしっかりと見つめながら、ずっと前を進んでいきたい。
多くの人がここに集ってくださることを、私は何よりの幸せに感じているのです。


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この先に何がなくても
2016-11-09

先日、私のワゴンRを車検に出しました。
もう7年目になる車で、動き出すときに、ハンドルが20秒くらいキューキュー鳴ります。
もう買い替えの時期なんでしょうが、それ以外はちゃんと動くので、動かくなくなるまではずっとこのワゴンRで行こうと思っています。
少し若い時は、いい車に乗りたかったり、いい時計が欲しかったりしたものですが、今では全くそんなことには関心がありません。
ワイシャツだけはきちんと毎日アイロンの効いたものを着たいですが、高級ブランドのスーツや、カバンなどには全く興味がありません。
先生が、どうして年式の古いワゴンRに乗っているのか、不思議でたまりません、
いつも行っている所の美容師さんが、以前そんなことを言っていたのを覚えています。
若い人の中には、こんな私の物欲のなさに、驚く人も少なくありません。
土・日や祝日は、たいていは県外に出かけて、レッスンをしています。
オフの日は、年に数回しかありません。
そのことに驚かれる方も多いのですが、もう10年ずっとそんな生活をしています。
もしも毎週休みのある生活と、今の生活とどっちを選ぶかと尋ねられたら、0・5秒で今の生活を選びます。
もしかしたら誤解を招く言葉なのかも知れませんが、私はもう、このまま死ねたらどんなに幸せだろうかと思っています。
ここから先にあるものは、今の幸せの延長線にあることであって、子どもの成長や幸せのために、自分が何かお役に立てること以上のものは、きっとどこにもないと考えています。
私はもう、これで十分、
私の人生の後は、真心を込めたレッスンを、1つでも多く積み重ねていく、ただそれだけです。
最近、3歳くらいの子が、次々に新しく私のレッスンを受け始めてくれるようになっています。
本当に幸せです。
一度お引き受けさせていただいた子の育てに、何らかの答えを出すまでには、最低3年くらいはかかります。
無責任にリタイアなど、当分できません。
先生は、いつも生き生きしていると、よく言われます。
誰が私の命をつないでくれているのか、
その答えを私は知っています。
一体何が、人の人生を豊かにしていくのか、
そのことを私は、自分の生き方を通して、子どもたちに伝えていきたい。
だから私は、ただ信じる自分の道を、まっすぐに前に進み続けていくのです。


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私のなすべきこと
2016-11-07

昨日は、「岡山県産婦人科医会」 様主催の、「おぎゃー献金合奏会 定期演奏会」にお招きいただき、とても意義深い時間を共有させていただきました。
冒頭の会長様のご挨拶の中で、わざわざ私の名前をご紹介くださり、大変驚き、恐縮に感じました。
http://okayama-shirayuri.com/nc_images/pdf/2016.11.06.pdf
会場で、私が教えている何人もの子どもたちとそのご家族と会いました。
なかなか普段接することのできない生の合奏から、子どもたちの心の中に、大切であたたいものが流れ込んでいくように感じました。
いくつかのレッスンをキャンセルしての参加でしたが、来てよかったと心の底から思いました。
そして、子どもたちの成長と幸せを願ってくださっている方が、こんなにも心を一つにしてお取組みくださっていることを知り、胸が熱くなるのを抑えることができませんでした。
時間の都合もあり、最後まで拝聴させていただくことはできませんでした。
次年度は何とか、こうしたお取組みの中で、私たちももっともっとお役に立っていきたいと思いました。
日々レッスンに明け暮れる毎日であったからこそ、こうした会にもお招きくださったるご縁がつながったのだと思います。
だからこそ、これからの私がすべきこともあるのです。
レッスンを大切にする気持ちに、微塵の変化もありません、
1人1人の子どもたちの成長と幸せのために、今の私がすべきこと、
新しいステージでの自分のなすべき役割と責任、
会場を後にしながら、そのことも、しっかりと見つめていきたいと、強く思ったのでありました。


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子どもの行動改善
2016-11-04

教育は先手、
私のレッスンは、いつも準備と事前の手立てが命で、万が一の場合の対応にも、待ってましたとばかりに対応できるように、と考えています。
しかし、今朝のレッスンでは、私がトイレに行っている際に、先に子どもが教室に入り、自分の学習席ではなく支援者席に座ってしまい、注意してもてこでも動かないというような状況になってしまいした。
このようすをご覧になったお母さんが、「どうしたらいいでしょう? 最近家でもこんな場面が多くて… 力づくで動かした方がいいでしょうか?」 と心配してくださいました。
私は、この子が学びに来ていることを確信していますから、こんなことで、今日のレッスンをパアにするはずかないと思っていました。
そこで、「まあ見ていてください、ちゃんと自分の意志で着席させますから」 とお伝えし、アプローチを開始しました。
きっと先生席に座って、いろいろと興味のあることをやってみたかったのでしょう、
でも、それ以上に、ここでの学習を楽しみにしているはずです、
一時的な欲求で、その基本的なデマンドが崩れるわずがない、というのが私の基本的な見立てです。
「○○ちゃん、そこは先生の席だから、そこに座っていると勉強はできないよ」
「いつもの所に座りなさい」
そう言っても、にやにや笑って動こうとしません。
「じゃあ、先生は一緒に勉強できないから、あっちの部屋にいくよ」
そう言うと、ちょっと表情が変わったのが見て取れました。
表出言語なんてなくても、ちゃんとコミュニケートがとれている証拠です。
3分ほど間をおいて戻ってみると、動きが少しそわそわし始めました。
やっぱり勉強がしたいに違いありません。
「そうか、残念、 あんなに先生楽しみしていたのに~」
「じゃあ、今日はこれでおしまいです」
バイバイ~、と私が言いかけた瞬間、その子は跳ね起きるように学習席に駆け足で戻っていきました。
「この子は、誰よりもポジティブで、向上心の願いの強いお子さんです」
「だからマイナス行動をしても、ちっとも得にならず、逆に心の中の向上心を満たすような場を作って、きちんと評価して足れば、マイナス行動を起こす動機も意味もなくなるのです」
「最後は少しトーンを落として、言うのがポイントですよ」 とその3分間の間に、応用行動分析のアプローチをお母さんにお伝えしておきました。
お母さんは、ものの5分も経たない間に、その子の体に触れることなく、きちんと学習席に座らせる私のかかわりを見て、「まるで目の前で魔法を見ているようだ」 と、とても驚かれていました。
子どもの成長を心の芯から信じているのが、教育者であり、教育者と子どもは相互の信頼感で結ばれた特別な関係です。
薬ではなく、教育の力で、子どもの望ましい行動変容と成長を目指していきたい。
私たちのチャレンジは、これからもずっと続いていくのです。


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