「ぼくは、通常学級へ行く」
2013-10-28
今年6年生になる男の子が、初めて私の教室に来てくれるようになったのは、小学校1年生の時でした。当時は、行動面の課題が大きく、
「学校から、毎日のように電話がかかり、今度は何が起こるかと不安でたまりません」
お父さんは、何度もそんな内容を、私に伝えておられました。
今では、土曜日も、日曜日も、祝日もレッスンを行っている私ですが、元々は、土曜日や日曜日はちゃんと休む普通の人でした。
仕事の都合で、日曜日にしか、子どもを連れてくることができない、そうおっしゃるお父さんに、
「わかりました、では、日曜日にレッスンをさせていただきます」
そんなふうに決断した時のことを、今でも忘れることができません。
「ここに来るようになって、息子は、明らかに変わってきました」
そうおっしゃりながら、以後6年生のこの日まで、2週間に1度、90分のレッスンを5年以上、ほとんど皆勤賞で、私の所に来てくれました。
支援学級で学ぶ1年生、
当時は、30分の学習を構成するのにも、かなり骨が折れました。
しかし、今では、算数の速さの計算も、国語の「平和のとりでを築く」 の読解問題も、通常学級の子に負けないくらいできるようになりました。
今では、60分の教科学習、プレイセラピー15分、お父さんとのご相談15分という構成にしていますが、その充実ぶりから、毎回、この子が来てくれるのが楽しみでたまらなくなってきました。
前回、中学の進学のことについて、お父さんとご相談をさせていただきました。
私は、自分の考えをお伝えした上で、実際に中学校に行かれたり、それぞれの先生方のご意見やご助言をふまえたりしながら、十分な情報収集のもとにご決断くださるようにお願いしました。
この日、元気よく教室の扉を開けたこの子は、これまでに見せたことのないような力強い口調と、弾むような笑顔で、
「ぼくは、通常学級へ行く」
私に伝えてくれました。
自分に対する不安な気持ちが、いつもこの子の不適応な行動の背景に潜んでいました。
ありのままの自分を知り、ありのままの自分を好きになる、いわゆる肯定的な自己理解の力こそが、きっとこの子を変えていく、
それが、ここでの私の教育方針であり、その部分については、この6年間1度もぶれることはありませんでした。
小学校を卒業したら、白ゆりも卒業、
それは、ずっと前からの約束でした。
交流学級に行くことでさえ、あんなに不安でいっぱいだったこの子が、希望に胸を膨らませながら、「通常学級」 と力強く口にすることが出来る日が、現実にやってきたわけです。
この先も、きっといろいろな出来事が待ち受けていることでしょう、
何とか、間に合った、
私は、お父さんに託された大切なお約束を、何とか一つ叶えることができたように感じました。
この子と歩んだ6年間は、それはきっとどの子にも言えることですが、誰とも比べることのできない特別なものでした。
「卒業しても、就職しても、そして彼女ができても、必ずここに連れてきてください」
私は、ずっとここにいますから~、と言いかけて、私は胸の中に熱いものがこみあげてくるのを押さえることができませんでした。
「ありがとうございました。」
と、きちんと挨拶をし、その子はお父さんと共に、教室を後にしました。
私は、この子と残されたあと半年足らずの期間、その1回1回のレッスンを、いつもと変わらぬように行い、そしてその最後の日のレッスンも、きっといつもと変わらぬように終わるに違いありません、
手厚い支援は、やがてフェードアウトして、必ずいつの日か、子どもの自身の足で歩ませること、
支援者は、知らぬまに、風のように、子どもの前から去るべし、
それが、一期一会と決めた、私のレッスンの美学、
華やかなものも、手柄も、私には何もいらないけれど、あなたと過ごした大切な時間は、何にも替えることはできない、
そして、その魂は、あなたと同じ目の色をした子どもに、しっかりと受け継がれていく・・
私はそのことに、自分がこの世に生を受けた意味を、しっかりと確かめているのです。

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障がいがあればこそ 質の高い教育の機会を
2013-10-26
今、岡山大学の特別支援教育専攻の学生さんが、何人もアルバイトで支援に入ってくれています。4年生の子が3人、小学校の教員採用試験を受験しましたが、その3人とも、めでたく2次試験まで合格しました。
大学院への進学を迷っている子もいますが、後は、新春の教職デビューを待つばかりとなりました。
この1年間、この子たちが、私の個別指導をサポートしてくれましたが、それぞれに子どもの心をしっかりとつかみ、大きな手応えを感じることができるようになりました。
私の個別指導を軸に運営してきた発達支援センターですが、今や、月間の利用者数が400人を越え、とてもではありませんが、私一人でまかないきれる規模ではなくなってきました。
これまでの個別指導は継続しながら、新年度からは、新発想で、定員4名までの少人数制の学習教室を作ってみたいと考えています。
私のいる教室に、学生さんのサポートが2人、合計3人で4人のお子様のサポートをさせていただく。
それぞれのお子さんの発達面の課題や学年などに合わせてクラス分けをし、夕方の5時~6時までの少人数の学習教室、
読み・書き・計算の基礎コースや、教科学習に準拠したコース、体育・音楽・造形の専任講師を招いての特別コースなど、それぞれのニーズに合わせた行き届いた内容を提供させていただきたい、
今、そんな風に、来年度の構想を具体化する準備に取りかかっています。
先日、体育系の大学を卒業した指導員に、「この子たちのために、あなたのもっている専門性を生かして、小グループのレッスンを構成してみないか?」 と、声をかけると、目を輝かせて 「ぜひやらせてください」という返事が返ってきました。
きっと、教育者としての魂に火がついたに違いありません。
障がいのあるお子さんだからこそ、本物の、質の高い教育の場を提供すべきであるというのが、今も昔も、私の変わらない信念です。
その教育は、必ず投資に見合う結果として、はね返ってくると信じています。
真にその道のプロであれば、きっとその専門性を生かして、子どもたちの成長のために力を尽くしたいと思ってくださるはずです。
私は、そういった志のある方の集う発達支援センターを作っていきたい、
ここに通ってくれる子どもたちの魅力や可能性には、すばらしいものがあるのです、
こうしたことを理解してくださる人の輪を、もっともっと豊かにしていくことも、私たちの大切な使命の一つであるのです。

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同行二人
2013-10-23
先日、あるお母さんとの話し合いの機会をもちました。最近、そのお子さんの学習の歯車がなかなかかみ合わず、その子が、いろいろなメッセージを私に発信しているように感じていました。
少し遠方からお越しですし、ご両親は、発達に関する知識も理解も深い方ですので、少し別のスタンスを考えてみられたらどうかと思い、ストレートに私の気持ちをお伝えしました。
そのお母さんとのやりとりの中で、私は、思いがけない気づきがいくつかありました。
そのお母さんが、私に寄せる期待、
私がサポートさせていただくべき役割、
そして、お子さんと共に歩む先々のご家族の不安など、どの内容も、これまで決してわかっていなかったわけではありませんが、まさかこれほどまでとは、思いもよらぬことでした。
話し合いの中で、私がそのことを受け止めると同時に、共に歩む者の責任の重さと使命に、改めながら気づかされました。
もちろん、主体者がご家族であることに、何ら変わりはありません。
だからこそ、ご家族が、前に向いて進んでいくためには、心を寄せる支援者が必要なのです。
同行二人、
たとえ目には見えなくても、心の中にずっと寄り添いながら、共に歩む存在
子どものために心を砕き、力強く前に歩む人の心の中には、どうしてもこうした存在が必要であることを、改めて受け止めた瞬間です。
私は、ずっとずっと、この方の近くにいて差し上げようと、思い直しました。
私たちの、新しい一歩が、またこの日からスタートしたのだと思っているのです。

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保護者支援のもう一つの形
2013-10-21



今、発達支援センターの真ん前に、ログハウスを建設中です。
中には、8畳くらいの広さの部屋が2つと、中二階があり、そしてちょっと広めのオープンテラスのスペースもあります、
この建物は、保護者の皆様に、情報交換や交流の場として広くお使いいただきたいと思っています。
いつだったか、県外からお越しの方が、マンツーマンレッスンにお越しくださるときに、ずっと雨の中を外でお待ちくださっていたことがありました。
別の保育室を控室ととして、事前にご案内しておけばよかったと、その時とても後悔しました。
保護者の皆様が、生きた情報を共有するセンターとして、待ち時間などに気軽に入っていただき、お茶でも召し上がりながら、保育園の保護者の皆様とも親睦を深める場としてご利用いただければと思っています。
家族支援の旗をあげている者として、保護者交流の拠点がほしいと願って、何年になるでしょうか?
すべては、ご利用してくださる方の後押しがあればこそ、出来ることです。
検査やご案内の準備などもありますから、ご利用はもう少し先になると思いますが、また一つ、私の夢が形となって実現することとなりました。
たとえどんなに重い課題を背負っていようが、それぞれの子どもが、その子らしさを発揮し、社会に貢献していくことで、家族と共に、自分に対する肯定的な気持ちと幸せを感じる、そんな地域社会のモデルを作りたい、
そのためにこれからも、自分の出来ることに、精一杯取り組んでいきたいと願っているのです。
この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2013-10-26)

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理論ではなく、学びのストーリーに寄り添って支援すること
2013-10-18
先日、ある小学生の女の子と、算数の勉強をしていたときのことです。これまでの学習場面では、なかなか数を量としてとらえにくい傾向がありました。
この日のたし算の場面でも、「1・2・3・4・・・・」 と、順序数と対応しながら数えたしをしていました。
「では、こんどはひき算だよ、8-2はいくつかな?」
「先生に、2つブロックをちょうだい」
そう言って、その子が2個のブロックを、私に手渡した瞬間のことです、
あれだけ、たし算では、数えたしをしていた子どもが、ひき算となると、「6」 を一瞬に認知できるのです。
「6-2は?」
「9-5は?」
何度やっても、百発百中です。
数の導入の基本は、数唱と一対一対応、
きっとこの子は、数というものを順序数としてとらえていくことを、本気になって学習してきたのでしょう、
だからこそ、合成・分解の学習でも、わざわざそれを一つづつ数えていたのでしょう、
集合数として数をとらえることができにくいわけではなく、数は順序数として扱わなければいけないと、信じ切っていたのでしょう、
ひき算の場面では、1度ひく数を、「1・2・3」と順序数で扱ったので、残った数を、即座に集合数としてそたらえたという出来事です。
できなかったのではなく、しなかったのです、
勉強大好き、何でも一所懸命の、この子ならではのエピソードです。
ならば、この子の場合、ここしばらくは、ひき算を中心教材に据え、そこから量的な見方、集合数としての数感覚を培いながら、思いっきり数の世界を泳がせてやろうと思いました。
個々の力を培うことと同じように、今の考えや方法を捨て、多面的に物事をとらえたり、より望ましい方法に切り替えていくことのできる力を育てていってやりたいと願っています。
就学前よりその子の個別支援をさせていただき、もう3年以上になるでしょうか?
この先も、おそらくは数年、私の教室に来てくださることでしょう、
これから、私とこの子でどんな学びの道を歩んでいくことができるのでしょう、
何という幸せなことでしょう、
月に1度のレッスンには、月に1度のレッスンだからしなければならない内容があります。
私は、どんなすばらしい理論やアプローチより、その子の学びのストーリーそのものをしっかりと見つめていきたいのです。
教育者としての熱い願いや思い、
そして、子どもの今をシャープに切り取ることのできる力量、
その二つがあってこそ、その子にとって最近接な教材が生まれる、
教育の原点も、本質も、必ずそこにあると、私は信じているのです。

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SHINOBU先生がいるからこそ 私は鬼になる
2013-10-14
私は、これまで多くのご家族の皆様と出会ってきました。どこへ行っても、誰にあっても、それぞれの地域で、そのあたたかい真心にふれてきました。
不思議なもので、その瞳は、どんな人にあっても、いつも同じじようにしっとりと落ち着いて、心の中に、何か大切な物が流れ込んでくるように感じていました。
私の所にお越しくださるお母さん方は、どんな状況にあったとしても、もうとっくに我が身は捨てていて、ただただ我が子のためにだけに生きていらっしゃるわけです。
「こうして、SHINOBU先生がいらっしゃるからこそ、私は鬼になれる」
いつだったか、そうおっしゃったお母さんの一言は、私の脳裏に突き刺さっていて、片時も離れません。
今の私には、土曜日も、日曜日もありません。
祝日には、県外に、出張レッスンにでかけます。
でも、そんなことなんか、苦にも、何にもならない、
身を捨てた母を支える私に、そんな覚悟すらなくして、一体何ができるというのでしょう。
その信念と潔さこそが、閉ざされた子どもの心の扉を開くのです。
私には、もはや普通の暮らしなんてありません、
だからこそ、普通ではない感動と、生きがいがあるのです。
それが、私の決めた道、
そこにどんな修羅が待っていようとも、私は、そこに向かっての歩みを決して止めない、
子どもの笑顔、
そして、その母の、美しくも、尊い涙のひとしずく、
私の歩むべき道は、その先へと、ずっとつながっていくのです。
この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2013-10-15)

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私のサブリミナルメッセージ
2013-10-11
たった一人の白ゆり教室から始めた私の活動も、今では、月間のべ利用者数が400人を超えるまでになりました。「学びを通して、子どもたちに、自分が大好きになる気持ちを育みたい」
私は、そのことを肯定的な自己理解の力と名付け、これまでずっとそのことを第一に考えてレッスンを積み重ねてきました。
自己肯定の気持ちは、他者とのかかわりの中で培われていくものです。
クラスのみんなから、社会の人たちから、自分が必要とされている、
そう感じた時にこそ、自分に対する自己肯定の気持ちが芽生えてくるのです。
学びは、その気持ちを育てていくために、なくてはならない大切なツールです。
「オレ、頭良くなりて~」
ある男の子が、私にそうつぶやきました。
学びというものをど真ん中に置くことによって、子どもと教育者との間に、揺るぎない信頼感が生まれてくるのです。
しかし、学びは、子どもの成長にとってなくてはならない大切なものではありますが、決して他者と比較するものさしになってはいけません、
例えば、銀行の預金残高や、社会的な地位で、地域に住む人のランキングを付けるというようなことが、果たしてできるでしょうか?
競争原理をもって、学びの意欲を刺激する稚拙な方法は、素人には許されても、決して子どもの発達を理解する立場のものがすべきことではありません。
学びの本質は、本来内発的なものであると、私は考えているのです。
学びは、神様が子どもたちにプレゼントした、大切な時間です、
それぞれの子どもに、より豊かな学びの場を提供するのが、私たち大人の責務です。
あなたには、あなたにしかできない、大切な役割がある、
だから、社会の中で、より豊かに、よりステキに、その役割が果たせる人になるように、先生と一緒に、しっかり勉強していこうね、
それが、学習を通して、いつも子どもの心に発信している、サブリミナルなメッセージなのです。
より豊かになってほしい、
勉強のできる子になってほしい、
親なら誰しもが思う気持ちです、
その気持ちが伝わるからこそ、懸命に子どもたちは、前に進んで行けるのです、
だからこそ、心のもう一方に、
何があっても、あなたは大切な私の子ども、
あなたには、あなたにしかない、大切な役割がきっとあると、心の中で信じていてほしいのです。
その2つの気持ちがあってこそ、子どもは自分の命の大切さ、自己肯定の気持ち、そして自らのアイデンティティを確かめることができるのです。
そのことを支えるのが支援者の私の役割、
非言語の私のメッセージは、学びを通して、ずっとずっと子どもたちに伝えていきたいと願っているのです。

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一つ一つの大切な出会い
2013-10-06
昨日は、岡山も雨、運動会を予定した学校・園も多く、あいにくの天候となってしまいました。
私の教室には、運動会でお休みの子の代わりに、広島から2名、福岡から1名、東京から1名、大阪から1名と、県外から多くの子ども達が来てくれることになりました。
東京から来てくれた子は、この日が初めてのレッスンでした、
ダウン症の4年生の女の子、
お母さんは、私が活動を始めた頃から、ずっとこのブログをお読みくださり、機会があって、この度岡山にお越しくださり、レッスンをさせていただけることになりました。
朝、新幹線に乗り、岡山にはお昼に到着、用事を済ませて、私の教室に到着されたのは、午後の6時になっていました。
それでも、その女の子は元気いっぱい、
私の用意した課題を、あっという間にやり遂げてしまいました。
きっと、この子の育ちや学びは、あとに続く多くの子の道しるべとなるに違いない、
一度教えたら、私は一生担任、
こうした大切な出会いを積み重ねて行く日々が、私の歩みそのもの、
また一つ、かけがえのない大切な時間を過ごすことができました、
今日は、就学前にずっとレッスンをしていた子が、3年ぶりに私の所に来てくれました。
体もぐっと大きくなり、読み書きも、計算もスラスラこなす、立派な3年生になっていました。
私は、この場所にいて、すくすくと伸びていく子どもを、見守り続けていく、
やがては、見上げるような大木となる小さな苗を、両手でそっと包むように育てはくくんでいく、
それが、私が、ご両親から付託された大切な役目、
その出会いの一瞬一瞬こそが宝物、
これが私の選んだ道、
自分の決めた仕事、
そのことを、私は、何よりも誇りに感じているのです。

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コミュニケーションを高めるための レキシコン(心内辞書)の精度
2013-10-03
心が通じ合うまでは、表出言語の少ない子と、コミュニケーションを図るのは大変です。なかなか思うように行かず、ギクシャクすることもしばしばです。
その子の思いをうまくキャッチしてやることができず、物を投げるなど、あまり適切でない表現をさせてしまうこともあります。
ですが、これは一時的なものに過ぎないと、私はとらえています。
でも、通い合っていまえば、心が通じ合ってしまえば、非言語の子とのレッスンは、そりゃ楽しいものです、
口ばっかりの子より、よっぽど深いレベルのコミュニケーションが図れます。
大げさに言えば、パラダイスのような楽しいレッスンの時間を過ごすことができるのです。
活動の文脈の中で見せる表情や仕草は、言葉以上に大切なものを私に伝えます、
言語を媒介としない分、ダイレクトにその手応えを感じることができるのです。
その表情や行動を読み解き、子どもの内言語をキャッチするするためには、それを言語化(翻訳)するためのレキシコン(心内辞書)の性能が重要です。
例えば、活動の流れの中で、左の方向を指さしたら、「次はカード学習がやりたい」 と読み解いたり、右の方向を見たら、「次はお買い物のロールプレイをやってみたい」と、分かってやらなければなりません。
先日、ある4歳の女の子とのレッスンがありました。
毎週通ってくれている女の子です。
表出言語のほとんど見られない子です、
初めてレッスンを始めた頃は、なかなか行動が安定しませんでした、
ですが、今では、この子の行動や表情の読み解きが、大きくずれることはほとんどありません、
それどころか、その子の気持ちや思いが手にとるようにわかるし、私の願いや思いも、本当にダイレクトにこの子の心の中に届いて行きます。
以前は、40分のレッスンをこなすには、相当の気合いや工夫が必要でしたが、今では流れるように活動が展開し、通じ合い、通い合いながら、あっという間にレッスンの時間が終了していきます。
それはそれは、支援者として、達成感のある時間を過ごすことができます。
はじめに苦労した子ほど、その後に心を寄せるというのは、もはや当たり前のことになってしまいました、
「オレの所に来る子は、本当にかわいいんよ」
SHINOBU先生は、いつも同じことしか言わないと、行きつけの美容師さんに笑われてしまいました。
心が通じ合うということは、子どもの自尊心を高めることにつながると、私は信じています、
私のレッスンの極意の一つがここにあります、
子どもと心を通じ合わせるための、心内辞書の精度を高めること。
子どもの発信しているメッセージをきちんとキャッチし、応答的なやりとりそのものをを深めていくことことこそが、言語・コミュニケーション指導の王道だと、私は考えています。
心通い合うレッスン以上に、私の使命感や誇り、そしてモチベーションそのものを高めるものは、決して他にはないのです。

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その時にこそ、そばにいる存在 (新大阪教室の開設)
2013-10-01
私が小学校教員時代に、校長先生から、情緒障害児施設の派遣学級の担任にならないかという打診がありました。それまでは、通常学級の担任しかしたことのなかった私ですし、過去にそうした人事交流がなかったそうなので、慎重に考えて決断すればいいよ、とおっしゃってくださいました。
その夜、家族とも相談し、いろいろと考えてみました。
「何か、そこの子ども達が、自分を呼んでいるような気がする」
私は、家内にそう話し、翌日には校長先生にそのお話を受ける旨をお伝えしました。
派遣学級には、3年間お世話になりましたが、ここでの子ども達との出会いが、私の教育の方向性を決定づける原点となったのでした。
来年の春、
私は新大阪の駅前に、個別指導の教室を開く決断をしました。
これまで、南大阪や京都の出張レッスンのメンバーに入れてほしいというお申し出でを、何件となくお断りしてきました、
毎週、毎週、関西地区から多くの方が、高速や新幹線を使ってお越しくださることも、ずっとずっと申し訳なく思っていました。
岡山のレッスンを半分に削っていくことになり、そのことについては、本当に申し訳なく思っています。
往復の新幹線代や、教室の家賃など、たとえ経営的に採算が採れなくとも、申し込みをいただいたレッスンについては、継続して供給していく責務も伴います。
それをして、なおも私を、新大阪教室の開設へとかきたてるもの、
それは、支援者としての私の専門性必要としている、子ども達とそのご家族の声が、私の胸に響いているからに違いありません。
一番苦しいときにこそ、そばにいて差し上げるのが、支援者のつとめ、
そのことが、自分の力量をさらに高め、多くの子ども達への支援の充実につながっていくことを、一番よく知っているのは、私自身です。
今日から、インターネットを通じて 「新大阪駅前教室」 のお申し込みを開始させていただきます。
私には、もう引き返す道などありません、
岡山と並び、新しい教室での学習を通して、子ども達の成長とご家族の幸せのために、少しでもお役に立てる実践を積み重ねていきたい、
小さいけれど、私にとっては大切な一歩が、今ここに踏み出されたのです。
(→ 新大阪駅前教室のお問い合わせなどは、こちらから)

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