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子どもが人を引き寄せる

 2012-07-30
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おかげさまで、うちの教室も、来てくれる子どもたちの人数が次第に増え、これまでのスタッフでは、対応が若干タイトになってきました。

そこで今回、レッスンのアシスタントを、募集することにしました。


かと言って、誰でも良いというわけにも行きません。

誰かいい人いませんか、とご指導をいただいている大学の先生に内々でお願いをしていたところ、先日、とてもすばらしい先生を紹介いただきました。


現在大学4年生、

先週、ここに来て、面接をさせてもらいました。


もちろん教員養成課程・特別支援教育コース専修で、TOEICの点数が900点以上もある・・

卒業研究の内容も超大学生級で、受け答えも、とても明るくしっかりした子です。


この先、この先生がどんな道に進んでいくのかわかりませんが、子どもたちのために能力を発揮し、レッスンに貢献してもらいながら、彼女自身をそれにふさわしいステージへ押し上げる応援をさせていただきたいと願っています。

8月から、グループレッスン・マンツーマンレッスン共に、アシスタントとしてデビューしてもらうことに決めました。



このブログがご縁で、先日から石垣島の先生と交流をさせていただいています。

秋には、岡山にお越しくださるということになりました。

この日、石垣島の農協で購入された果物を、わざわざ宅配便で岡山に届けてくださいました。
(↑上の画像)


この活動を始めてから、多くのすばらしいお母さん方、そして先生方との出会いがありました。

それは、ある意味、信じられないような奇跡の連続でした。


もし私に、少しでも後ろ向きな弱い気持ちがあったなら、この方々との出会いは、決してあり得なかったことでしょう。

そして、いつもめげそうになる脆弱な私の心を支え続けたのは、こんな私でも先生と慕い、レッスンを楽しみにしてくれる子どもたちの存在でした。


子どもの成長にかかわる仕事ほど、尊いものはないと、私は感じています。

その成長と幸せのために、自分が何か少しでもお役に立てると思えばこそ、家族も、指導者も、支援者も、そしてクラスの仲間も自然に集い、いつのまにかもう一つ高いステージへと押し上げられているのです。

そのベクトルは、まちがいなく存在しています。


5年前の私と、今の私は別人です。

人を育て、多くのすばらしい人材を私の所へ引き寄せたのは、まちがいなくこの子どもたちなのです。




この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2012-07-31)






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フレームを同じにするという支援

 2012-07-25
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ご覧の通り、私の教室には、電車図鑑・乗り物図鑑、戦隊ヒーローや仮面ライダーの本がたくさんあります。

このテのキャラクターに、とっぷりとはまっているお子さんも、きっと多いのではないかと思いますが、それがどうしてだか、皆さんはお考えになったことがわかりますか?


私の教室に通ってくれている子で考えれば、こうした電車や戦隊ものにはまる子は、同時処理系優位の認知特性の子が圧倒的に多いのです。

では、どうして同時処理系の認知特性の子が、電車や戦隊ものにはまるかというと、フレームが同じでありながら、特徴がとらえやすいからだと私は考えています。


仮面ライダーの1号と2号、知らない人がみるとどちらがどちらかわかりません。

でも、「赤いこぶしは正義のしるし」 2号の手袋はしっかり赤くなっているのです。


赤・青・黄・緑・ピンク・・

ベーシックな戦隊ヒーローのカラーは同じでも、ゴーカイジャーの胸には、しっかりクロスした剣のマークが刻まれています。


上越新幹線、E1系には鮮やかな赤のライン、秋田新幹線E3系はさわやかなグリーンのライン、そういう目でみれば、形や色の特徴が明確にとらやすくなります。

AKB48のメンバーの顔が全員同じに見える、継次処理優位のSHINOBU先生のとらえ方と、この子たちの目に映るとらえ方が、全く同じであろうはずがありません。

彼らにとっては、この視覚性の同時刺激こそが、言語に代わる代替コミュニケーションツールの一部となっているのです。

だからはまるし、快刺激となるのです。


こうして、その子の目に映る事象が、どのようなものであるのかについてアンテナを張っていると、その方略や手だても自然に浮かんできす。


まずは、同じフレームでとらえさせてみる、

その安定したフレームで、ぐんぐん内容を積み上げていく、

そしてフレームが変化しても、認知できる力を培おうというのなら、そこに支援を入れてフェードアウトしていくか、育ちに応じて段階的にスモールステップを刻んでやる、

育ての道筋は、幾通りだってあるのです。


そこが鍛え伸ばす内容であるのか、理解し支援を入れる部分なのかの判断には、高度な専門性が必要です。

ただ、苦手なことの裏には、必ずその子の得意なことが隠されている、

そう信じられる者こそ、教育者の名に値するのだと、私は考えています。




この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2012-07-26)





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言語と理解のあいだ

 2012-07-23
「では、お友達が困っている時には、どうしたらいいですか?」

> やさしくしてあげたらいいと思います。

> 親切にしてあげればいいと思います。

「そうだね、その通りだね。 みんないいことに気がついたね。 これからも、お友達が困っているときには、やさしく、親切にしてあげましょうね」

> は~い


この時点では、それぞれの子が、言語のレベルで内容をつかむことが出来ていたとします。

でも、その理解のレベルはそれぞれです。


中には、ある特定の自分の生活場面をイメージ化して、「そう言えば、あの時、自分はちっともやさしくなかったかも知れない。今度からは、もっとやさしくしてあげよう」 と、心に誓っている子もいるでしょう。

また、それとは逆に、「親切にしましょう」「は~い」と言っただけで、10分も経たないうちに、困っているお友達に、いじわるをしている子もいるでしょう。

このように、言語でわかるということと、内容が理解できたり、イメージ化できたりということは、決して同じではないわけです。


私の経験からは、表出言語が少ない子ほど、ダイレクトに心の芯で感じ取る力が鋭いように思います。

また、アスペルガータイプの子は、何でもかんでも言語に置き換えて処理しようとするため、逆に大切なところがちっとも伝わっていないという傾向があるように思います。


「このクワガタ、ちょっと見ていてくれる?」

「わかった」

もちろん、「逃げようとした時には、ちゃんと捕まえてね」 という意味なのですが、本当に逃げるのをそのままじっと見ていたという笑い話も、ケースによっては、笑い話で済まされないことになってしまいます。



文字を読んでも、読むのが精一杯で、それを内言語化(理解言語化)できない子もいます。

実は、私の英語がそうです。


例えば外国ドラマの会話の、リッスン&リピートが出来ても、英語で書かれた新聞や雑誌が、全く読めない、

それぞれの単語にとらわれすぎで、全体を俯瞰して、文脈がつかめないのです。

文脈がつかめないという点では、広汎性の課題をもつ子にも、時として同じような現象が起こります。


先日、面白い体験をしました。

こんな私ですが、中学生に英語を教える機会があります。

中学生の英語を教える時だけ、私は、知らない間に英語の文脈理解をしているのです。


中学校の教科書に使われている単語なら、何のプレッシャーもありませんから、自然に読み流して文脈理解モードで、英語に接することができる、

何だ、こんなふうにすればいいんだ、

瞬間、目のウロコが、ポロポロの落ちていくような気持ちになりました。

私、そうやって、国語で文脈理解のモードを開いて来た子どもを、何度も何度も眺めてきて来ましたから、


自転車に乗れてしまえば、すぐに自転車に乗れなかった時のことは忘れてしまします。

それと同じように、文脈を理解するというモードも、それができるのが当たり前になった大人は、なかなかその手だてを構成することができにくくなってしまいます。

一輪車に乗るなら、重心を前にかけるのが大切ですが、言葉で言っても、理屈で言っても、すぐにはできるようにはならないのです。

言語にも、それと同じような所があるのです。


私、英語の文章読解力を高めるために、アマゾンでさっそく 「 US WEEKLY 」 という雑誌を注文してしまいました。

自分の言語のアプローチを実証する良い機会でもあります。

私の英語学習、はてさて、ずっと続けることができるでのしょうか?




この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2012-07-24)




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それぞれの夏

 2012-07-21
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就学前からサポートさせていただいている4年生の子が、転校することになり、先日が最後のレッスンとなりました。


はじめの頃、国語のプリント1枚するもにも、とても抵抗感が強い時期もありました。

ところが、「3まいのおふだ」 など、オリジナルの読解ブリントにとっぷりとはまり、いつの間にか階段を駆け上がって、「先生、早く3まいのおふだの続きをたらせて」 と、息を弾ませるまでになりました。


この日が、最後のレッスンだったので、大好きになった本を1冊プレゼントすることにしました。

本棚から1冊の本を選び、それを手さげ袋に入れた瞬間、私は目頭の熱いものを、どうしても押さえることが出来なくなりました。


私は、ずっとここにいますから、何かありましたら、いつでも連絡をしてください、

迎えに来られたお母さんに、私はそうお伝えをしました。


就学前から、何度も何度もご相談をいただき、この子の学びと育ちを一緒に考えてきた、

まさに万感の思いが、一気に胸にこみ上げてきたのでした。



一方で、りんちゃん(5年生)は、この夏、鹿児島で過ごすことになり、9月までレッスンはお休みとなりました。

「しばらく会えないから」 と言って、りんちゃんはハートの便箋に、その場でお手紙を書いてくれました。

手紙を書いてくれている姿を、横目で見ながら、私は、この子がこんな気持ちで毎回レッスンを受けてくれていたのかと、またまた胸にこみ上げてくるものがありました。


子どもと言えども、流れゆく人生のはざまの中で、それぞれにそれぞれの歩みがあり、通い合う大切な真心があるわけです。


まさに一期一会、

出会った子どもとのレッスンは、1秒たりともないがしろにできない、

そのわずかの時間の流れが、どれだけ尊く、どれだけ美しいものか・・


泣いてなんかいられない、

それぞれの子が、その美しい心の中で、決して命の輝きを見失うことなく、自分らしく豊かに生きていくことが出来るよう、出来る限りのことに取り組んでいかなくてはならない、


遠ざかるからこそ、いつまでも美しく輝く瞬間もあります。

その輝く一瞬のために、これからも、しっかり前を向いて歩いて行きたいと願っているのです。



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プロンプトフェーディング 共に歩んだ3年間

 2012-07-16
今日は大阪レッスンの日でした。


お申し込みの9人の方が、一人も休まずレッスンに来てくださいました。

あの時、年長さんだった子も、もう3年生になりました。


大阪でのレッスンが始まった頃は、前日は大阪に泊まり込み、次の日の準備を必死でしたものでした。

まだまだ駆け出しの頃で、個別指導の技術も経験も、十分なものではありませんでしたが、この日にかける意気込みだけは、今以上のものがありました。


9人のレッスンが終わって岡山に帰ると、いつも11時過ぎになっていました。

ヘトヘトになって、精も根も尽き果てて、沈むように眠っていた日々を思い出します。


レッスンが、パーフェクトに出来た事なんて、ほとんどありません。

でも、何度エラーをしようが、何回三振をしようが、毎回休まずお越しくださるご家族のまなざしはあたたかく、私に期待して託してくださるその信念と深い愛情は、いつも私を次へ次へと、、新しいステージに押し上げてくださるのでした。


子どもの学びや育てのアプローチは、百万通りあり、絶対的なものは存在しないと、私は考えています。

何かのアプローチが正しくて、すべての子の、すべてのケースに、その事がオールマイティに通用するなんてことも、あり得ないと思っています。


そんな中で、私は、応用行動分析のプロンプトフェーディング(支援除去法)を、その育て理念の中核に据え、これ1本で、様々な教材を生み出し、独自の支援方法を開発してきました。


岡山で、まもなく3歳になる男の子のお母さんから、先日、以下のような内容のメールをいただきました。


昨日は、SHINOBU先生のマンツーマンレッスンをありがとうございました!

前夜あまり睡眠が取れてなかったので、今回はちゃんとできないかも…と不安を抱えつつでしたが、楽しくレッスンさせていただいて、感謝でした!

行きと帰りの車の中では寝ていました。帰ってからも夕食前に寝てしまい…。本当にこんな状態で良くレッスンできたと思います!

毎週通っている言語療育では、ひとつの歌が終わると泣き、椅子から脱走しようとするのですが(汗)。

マンツーマンレッスンの回数も、年令が上がるごとに増やせていけたらいいなあと思っていますので、どうぞよろしくお願い いたします!



この日の大阪のレッスンで、「SHINOBU先生のレッスンの時だけ、この子は別人のように集中して取り組むのが、毎回不思議でたまりません」 とおっしゃってくださったお母さんがいます。


プロンプトフェーディングの神髄が何なのか?

ここ数年の10,000時間を超える個別指導の臨床場面から、それとなく自分なりのその後ろ姿が見えてきたように感じることがあります。


あの日、レッスンがうまく行かず、カーテンに丸まって出てこなかった女の子も、座って学習することができず、一緒にサッカーをして時間を過ごしていたもう男の子も、今では立派な小学生になり、今日のレッスンでは、教科学習だけで、十分に45分集中して学習に取り組むことができました。

何はなくても、私には、この子たちと過ごした個別指導の実践と、プロンプトフェーディングの技がある、


私にとっては、最大の財産となっているこの事は、むしろ、これからに生かすためにあるのだと思っています。


つきつめてしまえば、私には、この技1本

探求の道は、これからもずっと続いていくのです。



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就学がもたらす 学びのインパクト

 2012-07-12
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昨日は、3時~、4時~、5時~と、立て続けに3人の1年生の子が、レッスンに来てくれました。

JDS (日本ダウン症協会) に入られていて、レッスンの入れ替わりの時に、そのお母さん同志が旧知のお知り合いで、「まあ、あなたもここに来ているのね」なんて場面もありました。

3月までは、保育園や幼稚園に行っていた子で、私のレッスンも定期的に受けてくれていた子どもたちです。


入学してから3ヶ月、それぞれのお子様には、それぞれのスタイルで、大きな成長の跡が見られました。

小さい頃は、泣いてばかりで、お母さんのもとを離れてレッスンを受けることが出来にくかった子も、今ではもうすっかりお姉ちゃんになって、ひらがなも、とても上手に書けるようになっていて、私も、お母さんもびっくりしてしまいました。

あの日、ロールプレイで聞き取りにくかった構音も、いつの間にかすっかりクリアになってきて、SHINOBU先生、SHINOBU先生と、はっきりと聞き取れるようになってきました。


ここに来て、プリント学習に取り組むモチベーションも格段に上がってきています。

だからこそ、就学前に、ロールプレイをたっぷりとやってきて、本当に正解だったと心から感じています。

次から次へと課題をこなし、勉強した内容を誇らしげに示すその横顔に、すっかりと小学生らしくなった心の育ちを伺うことができます。


就学という節目は、こんなふうにして、子どもを変えるのです。

二度と迎えることの出来ない大切な学びとの出会いは、こうして構成されていくのです。


ぴかぴかのランドセルを背負い、今日からあなたは1年生、

お友達と一緒に楽しく勉強していきましょう。


ご家族や先生方の、祝福と笑顔に包まれながら迎える入学式、

これで、子どもの胸がふくらまない道理があろうはずはありません。


そのかけがえのない大切なスタートに向けて、今、多くのご家族が、来年度の就学に向けての準備を始められています。

どうか、そのことが、ご家族の真摯な願いや希望に添うものであってほしいと願わずにはいられません。


就学は、大切な大切な学びのステージの幕開けであり、子どもが大きくステップアップしていくたけのかけがえのない大切な場面であるのです。

この就学に際して、ご家族の視点で、豊かな学びの場の構成について、一緒に考えさせていただくことは、支援者として最も大切な内容の一つであると、私は考えています。


勉強やりたい、

勉強は楽しい、


子どもの内発的な学び、その輝きが決して色あせることがないよう、保護者として、支援者として、なすべき役割をしっかりと、一緒に見据えていきたいと、心から願っているのです。





この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2012-07-13)



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3年後に開く花

 2012-07-09
2009年7月、私は南大阪で熱心に活動をされている 「のぞみの会 (ダウン症児と親の会)」 の皆様に、講演をさせていただく機会がありました。

講演を終えたあと、「ぜひ先生にご相談したいことがあります」 ということで、あるご両親と会場のロビーでお話を伺うことになりました。

ご両親は大阪府にお住まいでしたが、ブログを見て、今回の講演会のために、飛び入りでわざわざお越しくださったということでした。

その日のことがご縁となり、「レッスンの空きがある時で構いませんから・・」ということで、大阪に、そして岡山にと定期的に通ってくださっています。


岡山での仕事の関係上、今年から、大阪でのレッスンが、月2回から月1回になってしまいました。

本当に、申し訳なく、心苦しく思いましたが、また岡山の教室まで通っていただくことになったのです。


それから、ちょうど3年の年月が経った先日、その男の子が岡山の教室に来てくれました。

先月の指導内容は、記録していますから、それを少しだけレベルアップした内容を用意して、席で待っていました。


その子は、飛びつくように学習席に着席しました。

言語表出は、それほど豊かでないお子さんです。

でも、そのまなざしから、態度から、動作から、やりたいこと、学びたいこと、教えてほしいこと、してほしいことなどが、非言語でダイレクトに伝わってきます。


パソコンの操作性は、この何ヶ月かかで、驚くほど向上してきました。

微細な形や文字の認知力も、それに伴いグングン伸びてきました。


そして、

私と彼との関係性が豊かになっていくに従って、学習態度に余裕ができ、課題にエラーがあった時に、「あれ、おかしいぞ」 と再試行ができる、いわゆる 「トライ&エラー」 の学習が可能なレベルになってきました。

つまりは、私の支援なしでも、自分で課題に挑戦し、エラーがあったらもう一度考え直して、自分の力でまちがいを修正することが出来るようになってきたのです。


これぞ、学習の王道、

このプロセスを体感できるようになったことは、まさに一つの学びのアプローチの道を開いたことであり、特別大きな意義があると、私は考えています。


> あの日の出会いから、ちょうど3年の年月が過ぎました。

> よくぞここまで、私を信じて、毎回毎回、岡山の教室までお越しくだささいました。

> この日のレッスンでは、大阪のレッスンで離席して、収拾がつかなくなって、ご両親を電話で呼び寄せた日の面影などかけらもありません。

> もちろん、今日のレッスンで、離席なんて、1度もありません。

> 45分のレッスンが、あっという間に過ぎていきました。

> 私は、ご両親の願いの代弁者として、この場所でお待ちしていただけに過ぎません。

> 今日のこの日の成長は、まちがいなく、ご両親の深い愛情と努力で築き上げられたものです。


私が、そのようにお伝えすると、お母さんは大粒の涙をハラハラと落とされました。

レッスンが終わると、その子は、弾むようにお父さんの待つ園庭に飛び出して行きました。


7月7日、

織り姫様の粋なはからいでしょうか?

3年後に開く花もある、

この日の岡山は、雲の晴れ間から、目にも鮮やかに、初夏の日射しがさわやかに差し込んでいたのでありました。





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母 みずから輝く

 2012-07-07
活動を始めた頃から、私が、頑固なまでにどうしてもこだわっている内容が一つだけあります。

それは 「主体者としての家族を支える」 という事です。


私は、毎日10近くのマンツーマンレッスンをこなしています。

それを苦に思ったことなど、1度もありません。

自分が誰かから必要とされていると思えば、どんなに体が疲れていても、笑顔で子どもの前に立つことが出来ます。


そんな生活を何年も続けていると、目頭が熱くなるような子どもの成長の場面に、何度も遭遇するようになります。

そうしたことを、後に続く多くのご家族の道しるべとして行きたい、

そう願いながら、これまでいくつもの記事を積み重ねていくことができました。


SHINOBU先生のおかげです・・

これまで、何度もそんな風に言っていただく場面もありました。

でも本当は、私は、ご家族の側に寄り添っていただけで、大したことは何もしていないのです。


だって、よく考えてみてください、

毎日10近いレッスンをしている私が、ある特定のご家族に成り代わって、何かをする時間が、本当にあると思われますか?


レッスンをさせていただく以上は、何かの形でお役に立ちたい、

私はそう強く願っています。

だからこそ、自分がお役に立てないと思ったときには、苦しいですが、そのことをていねいにご家族にお伝えすなければなりません。


私に出来るのは、自ら歩もうとしているご家族を支えることであって、ご家族に成り代わって、何かをすることではないのです。

私がこのブログで紹介した実践は、すべてご家族が主人公であって、私は支援者にしか過ぎないのです。


ですが、こうして私の教室に集ったお母さん方は、それは超豪華メンバー、掛け値なく全国に誇る精鋭ばかりです。

何人もの方がご自身でブログなどの情報発信をされ、親の会の役員などをされています。

それぞれの地域で、会長などのお仕事を引き受けられている方も、何人もおられます。


私の教室には、いつもご家族のご相談を伺う席があります。

何人もの方が、同じその席で、大粒の涙をはらはらと落とされました。


お世話役として、多くの方を前に堂々とお話をされるお姿の陰に、どれだけの多くのご苦労を乗り越えた上での笑顔があるのかということを、私はしっかりと受け止めさせていただいているつもりです。

それが私の役割、

SHINOBU先生のおかげ、とはそういう意味なのです。


そういう方と数多く出会ってきた者として、私は、それぞれのご家族には、それぞれの輝きがあることを感じてきました。

どうか、そのことを信じて、私に頼るのではく、ご自身の足で歩まれていただきいと思います。

その事でしか、育ての道は決して開いていきません。


生涯にわたって、お子様と一緒に歩まれるのは、ご家族でしかないのです。

主体者としてのスタンスが明確になれば、必ず、それを支える支援者の存在があるはずです。


決して一人ではない、

母がそれに気がつくのは、心の芯に深く、そして潔い決心が芽生えてきたことを意味しているのです。





この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2012-07-08)





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知育いすデスクでの学習

 2012-07-05
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小さなちゃぶ台をはさんでの対面指導、

私はこれまで、就学前のお子さんと、数千時間以上のレッスンをそんなスタイルで行ってきました。


でも、時には活動に集中できず、離席して、教室内を徘徊してしまうお子さんがいないわけではありませんでした。

それに、毎回の教材・教具の上げ下ろしと、地べたに座っての1日10時間近いレッスンがもたらす腰の負担は重く、ギックリ腰で立っていられなくなる日も、1日や2日ではありませんでした。


そんな私の様子を見るに見かねたかれんちゃんのお母さんが、この度ついに、知育いすデスクを、私の教室に寄贈してくださいました。

先週末から早速フル稼働させていただいていますが、使用感は抜群で、これまで使用してきた教材・教具も、この知育いすデスクに合わせて、レッスンの度ごとに出し入れしなくてもいいように構造化してみました。


楽しそうに生き生きと活動する子どもの表情を確認しながら、子どものニーズに即座に対応できる、これまでになかった心理的な余裕が、私の心にだんだんと芽生えてきています。

それよりも何よりも、それまで離席が多かった子どもも、一度この知育・いすデスクでの学習を体験すると、必ず自分でこの場所に着席するようになるのです。

新たに自分の夢の城が出来たようで、うれしくてうれしくて、何だかレッスンが来るのが待ち遠しいような感じです。


この知育いすデスクの有効性を、何かの形できちんと実証して多くの方にお伝えできないものかと、かれんちゃんのお母さんを中心に、にわかに研究チームが出来つつあります。


小さなちゃぶ台から始まったレッスンが、ついにここまで来た、

子どもたちの成長と幸せのために、支援者として私のすべきことか何か?

このことをきちんと見据えながら、しっかりとした足取りで、これからも前に進んでいきたいと願っているのです。



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託すという母の役割

 2012-07-03
先々月まで、私の所でマンツーマンレッスンを受けてくれていた3歳の男の子がいます。

お母さんと、「そろそろ集団デビューですかね」 という話になり、先月からグループレッスンに仲間入りしてくれました。


↓ そのお母さんから、先日以下のような内容のうれしいメールをいただきました。



いつも御世話になっております。

今日は、久しぶりなので泣くと思いきや、たくさんのお友達を見て、照れくさそうに笑ってました。

給食も完食!トイレも失敗なし!

嬉しいビックリでした。バンザーイです。

そして、夕食でもいつも食べないおかずを出したのですが食べて、ご飯はお代わりまでしました。

嬉しくて、嬉しくて。

トイレも、聞かなくても自分からトイレ行く!と、言う回数が増えました。


先生には、今日お話しましたが、最近の息子は、意思疎通、コミニケーションが上手くなり一緒に何かをする事が親子で楽しくて仕方ありません。

勿論、嫌嫌、言うこと聞かず怒る事もありますが以前のように、息子を叱った後本当にわかってるのかな?と不安で落ち込む事も減りました。

きちんと、場面に合ったごめんなさい。ありがとう。いや。が自分からいえるようになりました。

よく笑い、怒り、泣き、悲しみ。

色んな可愛い息子を見ることが出来るようになり、嬉しくて仕方ありません。

息子を見ていて、特に思うのが、自分に自身がついてきて、意思表示が上手くなってきてます!


SHINOBU先生のマンツーマンレッスンで沢山の自信を頂いたのだと思います。

息子は、SHINOBU先生を含め沢山の先生方に出会えて見守って頂けているお陰で今、グイグイ成長しているのだと思います。有難うございます。(親ばか目線ですみません。)


次は、集団生活で沢山学んでいってもらえたらと!

先生! これからも、ビシバシ宜しくお願いします。




きっと最初の頃は、お母さんと離れにくかったり、初めての環境で、緊張したりとまどったりすることも多かったとは思います。

でも今では、みんなと一緒の活動の中で、だんだんと持ち味を発揮できるようになりました。


私、助言はさせていただきましたが、最終的に決めてくださったのは、ご家族の判断です、

まさに、絶好のタイミングでの、決断であったのだと思います。


赤ちゃん体操を卒業して、そのままグループレッスンにデビューしてくれる子、

赤ちゃん体操から、音楽療法へと進んでいく子、

マンツーマンレッスンから、グループレッスンに向かう子、

そして、就学を機に、ケアリングレッスンに参加する子、教科学習を中心としたマンツーマンレッスンを受ける子、

進むべき道は、その子によって、それぞれです。


それぞれの育ちのストーリーの中で、それぞれの育ちの課題に合わせて、信頼して託せる教育の場を選ぶことは、家族として最も大切な営みの一つです。


みんなと一緒に、よくがんばったね~

そう言って、かわいい我が子を抱きしめる母の姿、

これぞ、聡明な母の一つの姿なのではないかと思っています。


母には、母にしかできない大切な役割があります。

すべてを自分だけで丸抱えしてパンクしてしまうのではなく、信頼できる指導者を選び、しっかりと我が子を託すということもその一つです。

その判断があればこそ、絶対無二の母の愛が生かされてくるのです。


先週、京都に行ったときに、あるお母さんから、「よそでは10分も活動に集中できない子が、どうしてここでは40分も集中して活動できるのか、不思議で仕方がない」と、おっしゃってくださいました。

このお母さん、まだ京都でのレッスンを始める前に、何回か岡山にお子様を連れてきてくださいました。

その頃は、幼くて、かわいいくて、まだたたみの部屋ではい回るような感の子じでした。

でも、こうした母の決心と行動と力がきっかけとなり、私は定期的に京都に行かせていただくようになったのです。


そういうことを、この子が感じないわけがありません。

私の一挙手一投足には、こうした普通ではない母の願いが込められているわけです。

だからこの子は、ここではがんばる、がんばることができる、

私は、そんなふうにとらえています。


教育とは、保護者と指導者の相互の信頼関係があってこそ、初めて成立するものである、

その言葉は、今でも片時も忘れることができません。


ご家族との信頼関係の深さは、教育内容のクオリティと強い相関がある、

そのことを数値化して、実証することは出来にくいかも知れませんが、まちがいなくそれは真実であると、私は感じています。


出会った方々と、ていねいに信頼関係を築いていくこと、

そのことを通して、私は一人でも多くの方に、その大切さを伝えていきたいと、心から願っているのです。



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