認知にかかわる 脳内ネットワークが構築される瞬間

 2012-05-31
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画像1のような形があったとします。

例えばそれを、ばつ(×)という言語に置き換えて認知したとします。

すると、画像3のような形枠に対応させて、ぴたっとはめることができます。


しかし、中にはこれを、たす(+)にような言語を使って認知する子もいます。

この形を、+と認知している場合は、画像3のような型枠にはめようとしても、なかなかはまりません。

トライ&エラーで経験的に学習する子もいますが、何度やっても切り替えができずに、悪戦苦闘する子もいます。

これは、頂点が下にくる逆三角形でも、しばしば起こる事象です。


逆三角形の場合、型枠を180°回転させたとたんにピタリとはまります。

それで、はっと気がつく子もいれば、どうしてそうなんたのかわからないけど、とにかくはまってよかった(笑)という2つのタイプに分かれます。

ずっとパズルができなかった子が、型枠を逆にしただけでできるようになる場合があります。

それを見ていたお母さんが、まるで手品のようだ、SHINOBU先生の魔法だ、どうして先生の所ではこんなに集中できるのか、と驚かれることも多いのですが、こういう部分をとらえてレッスンを組み立てるのが、私の専門性です。

認知の育ちとは、例えばこういうことなのです。




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花子ちゃんは、典型的な継次処理が優位な認知処理様式で、お話を読むのが大好きな女の子です。

でも、書字は得意ではなく、小さい学年の頃は、漢字学習に苦労した時期もありました。


中でも、数字の 「9」 と、ひらがなの 「ら」 は、鬼門でした。

「ら」という文字の形が、なかなか認知出来にくいのです。


ところが、昨日、ついに 「ら」 という文字が認知できる瞬間がやってきました。

別の言い方をすれば、微細書字認知にかかわる脳内ネットワークが構成された瞬間です。


これまでは、何度書いても、画像4のような独特の 「ら」 を書いていました。

が、ついについに、それが認知できるようになりました。

「ほうらねっ」 って言いながら、何度も何度も正しい 「ら」 を私の前で書いてくれました。


そのことを、すぐにお母さんに報告をすると、お母さんは目を丸くして驚いておられました。

ほんの2週間ほど前に、あとは、「ら」 という文字だけになりましたね、早く何とかなるようにがんばってみますと、お伝えしたばかりでした。


みなさんは、初めて自転車に乗れた日のことを、覚えておられますか?

お子さんが、初めてつかまり立ちをした日の感動を、覚えておられますか?


一度出来てしまえば、何てことはないことです。

逆に、総合的に構成されたネットワークは、築くのには時間がかかりますが、そう安々と崩れ去るものでもないわけです。

物事ができるようになるというメカニズムの一端が、ここに伺えます。


感動するのは、たった1日、

次の日からは、それができるのが当たり前になった花子ちゃんが、そこにいるのです。


だからこそ、地道な日々の活動を、どう豊かに構成していくか?

育てを信託されたプロとして、どこを目指していくか?

指導者としての専門性とは、そういう事だと私は考えているのです。



今月は、ユニークアクセスでは(のべ閲覧人数)5,000人越え、トータルアクセスでは10,000回越えの閲覧をいただきありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いします。




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子どもは 集団の中で育つ

 2012-05-29
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先週、11月で3歳になる男の子が、児童発達支援のグループレッスンを卒業しました。

6月からは、お母さんはお勤めを始められ、地域の保育園に通うことになりました。


鉄棒、なわとび、お散歩、造形・音楽遊び・・

色々な活動に取り組み、表情も、態度も、コミュニケーションも、格段に向上していきました。


できることなら、これからもずっとずっとここにいて欲しかった、

でも、地域のお友達と、一緒に活動できるまで育てるのが、私たちの仕事、


これまでの作品や、成長記録を綴った大きなファイルを抱え、その子は発達支援センターを後にしていきました。

お母さんは、振り返り、何度も何度も頭を下げておられました。

私たちの心の中に、かけがえのない大切な気持ちがわき上がってくるのを感じていました。

そんな一コマがありました。



一方で、就学後のお子様を対象とする 「学童ケアリングレッスン」 に小学1年生の新しいお友達が来てくれることになりました。

放課後3時~6時まで、

1人の担当にお子様は3名まで、

行き届いた環境の中と、あたたかい愛情の中で、社会性や主体性、そして肯定的な自己理解の力を育てていくことをねらいとしたレッスンです。

昨年の秋から募集を開始しましたが、いつの間にか、ほぼ定員一杯のご利用をいただけるようになりました。


当初、固い表情だった子どもも、1ヶ月を過ぎる頃から表情に変化が見られます。

何だか、とても落ち着いた、やさしい顔になってくるのです。


担当者は、支援計画を立て、明確なビジョンをもって、支援にあたっています。

ですが、基本、子どもの内発性を信じ、提案をしたうえで、選択させたり、自己決定させたりすることを大事にしています。

紙やカードよるソーシャルスキルではなく、生きたリアルな社会的な体験と問題解決の力

出会ったメンバーと話し合いをさせ、集団決定をするプロセスや営みを尊重してやるのです。


この時間は、ご家族が、子どもたちにプレゼントしてくださった大切な時間、

そして、一人一人の子どもは、私たちのかけがえのない大切なメンバーであり、家族なわけです。


信頼できる先生やお友達がいて、みんなから自分が必要とされている感覚、

それを意図的・教育的に構成してやるのが、このグループレッスンのコンセプトなのです。


最初、週1日だった子が、他の事業所をやめてまで、週3回、ここに来てくれるようになっ子もあります。

子どもが、「楽しい、もっとここに来たい」 と言ってきかないんです、

お母さんは、そんなふうに私たちに伝えてくれました。


その楽しいという中身、

それは、自分が受け入れられ、みんなから必要とされている感覚です。


脳には、大脳辺縁系という部分があり、そこでは人間の生存にかかわる食欲や睡眠などの欲求がコントロールされているのです。

そして、その部分には、「集団の所属欲求」 もつかさどられているわけです。


人は、みんなと一緒に育ち、生きていく存在です。

そしてその力もスキルも、教育的な営みによって培っていくものだと、私は信じています。


ここに来て、日に日に表情が和らぎ、自信に満ちたりんとした顔つきになっていく子どもたち、

あなたたちが、地域の中、社会の中で自分らしさを発揮して、自己実現できるその日がやってくるまで、

私たちは、君たちと、同じ歩幅で歩み続けて行きたいと願っているのです。





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行動改善のアプローチを 環境構成の視点で整える

 2012-05-26
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席に着き、一定の時間集中して学習に取り組むこと、

就学に際して、身につけておきたい大切な内容の一つです。


一方で、その特性や課題から、私がレッスンをさせていただいているお子さんの中にも、なかなか 「着席→学習の持続」 が出来にくいタイプのお子さんがいます。

こうしたお子さんに、「着席→学習の持続」 の態度を育成していくことは、教育的にとても大切な事柄の一つであると考えています。


では、どうやってその力を身につけていくか?

それには、いくつかのアプローチがあるのではないかと考えています。


その一つが、今回紹介させていただく 「知育いすデスク」 の開発です。

この 「知育いすデスク」 は、かれんちゃんのお母さんが開発されたもので、今回、特許を申請されました。

私は、そのモニターとして、特別に、試作品をオーダーメイドで改良していただくことになりました。


今、かれんちゃんが実際に座っているものが、「知育いす」 です。

高さが、その子の身長によって可動できるようになっています。

「知育デスク」 には、それに合わせた凹みがあり、子どもがすっぽりとその枠に収まることができます。


驚くべきは、論理ではなく、実際に使用してみての学習の安定性です。

ちょっと見ると、きゅうくつそうにも見えますが、実際に使用してみると、実に楽しそうに学習を始めます。


かれんちゃんは、市販のいすが大嫌いで、以前は何度もそれを後ろにずらしたり、離席して立ち歩いたりすることがありました。

ですが、この 「知育いすデスク」を使用すると、45分間集中して学習に取り組むことができるのです。

驚くべき変容です。


今、つくえに取り付けてあるパーティションは、用途や目的に応じて取り外すことができます。

外部刺激に弱いタイプのお子さんには、かなり有効に機能します。

対面指導や、席の横に着いての指導など、状況に合わせて、一部を自由に閉じたり開けたりすことも可能です。


行動改善のために、子どもに培いたい力は、たくさんあります。

その一方で、指導者が環境をうまく構成することによって、改善されることだってあるのです。

医療的なアプローチだけでなく、環境的なアプローチが機能することだってあるのです。


「この知育いすデスクは、腰痛もちのSHINOBU先生に、少しでも長く第一線でがんばっていただきたいと思って開発しました」

かれんちゃんのお母さんは、笑顔で、私にそう伝えてくださいました。

いすに座ったままで、小さな子どもと同じ目線でレッスンできるということになると、正直、私の腰へのダメージは、劇的に軽くなってきます。

本当にありがたいことです。


子どもの問題行動を、子どもの障がいや特性という面だけでとらえるのではなく、相互の関係性の中で把握すべきであるというのが、私の基本的なスタンスです。


かれんちゃんのお母さんの努力と情熱は、やがて多くの子どもたちの行動改善へと結びついていくに違いありません。


この 「知育いすデスク」 を使用しながら、やがてはどんな環境でも、望ましい行動のできる子に育てていくことが、私たちの目的です。

多くの子どもたちに、学び楽しさを、1日でも早くしっかりと培っていきたい、

そのための大切な一歩が、また今日からスタートすることになったのです。




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自分が必要とされている感覚 それがインクルージョン

 2012-05-21
私の教室には、毎日たくさんの子どもたちが通ってくれています。

すべての人がそう思っているかはわかりませんが、マンツーマンレッスンの多くの場合は、私のレッスンを選んで来ていただいていると思っています。

中には、県外からお越しくださる方もいます。


SHINOBU先生のレッスンを、選んで受けに来てくれている、

そう思うことが、他では決して替えることのできない誇りと喜びを、私の心に宿してくれるのです。


その気持ちが、今の私のすべてを支えています。

それがあるから、どんなに疲れていても、休みが無くても、腰が痛くても、

弱音も吐かなければ、後ろ向きな気持ちにもなりません。


どんな高熱が出ようが、足が動く限りは、まず教室に行くことにしています。

大抵の場合は、ここで交感神経のスイッチが入るので、その日1日乗り切ってしまうものです。


それでもダメな時は、相当の重病です。

そういう場合は、当たり前の事ですが、長引いては何にもなりませんから、予約をいただいた方に連絡を差し上げ、お断りを述べ、振り替えの段取りを済ませて病院に行き、ふとんにもぐって翌日に備えます。

自分が必要とされていると思えば、こんなことは何でもないのです。


不思議なもので、何かのことで、自分が必要とされていると感じることで、自分の欠点や課題を、素直に受け入れることができます。

いわゆるメタ認知状態になり、自分の欠点を受け入れながら、それとなくそれをコントロールできるようになるのです。


私、ある部分では優れた所も少しだけありますが、それ以外の部分は欠陥のかたまりです。

自分のレッスンが、子どもたちやご家族から必要とされていると感じることで、その致命的な欠点を自分で受容することができるようになります。


「欠点があるから、欠陥があるからこそ、自分はここまで来ることができた」

「自分の長所は、短所があればこそ、その対極に位置するもの」

今では、本気でそう思っている私です。


私のいう 「肯定的な自己理解の力の育成」 には、こうした 「他者から必要とされている感覚」 が、どうしても必要となってくるのです。


あなたがいて本当によかったと、家族から受け入れられている感覚、

先生は、君と勉強している時が一番楽しいと、毎回のレッスンをいつくしむ気持ち、

そして、君がいるからこそ、1年2組なんだというクラスの中の存在感、


それが、この子が自分自身の重い課題を受け入れ、人とのかかわりの中で命を輝かせ、幸せを感じる唯一の道だと考えているのです。


インクルージョンの理念、

それはまだまだ決して、社会の中で当たり前になっているコンセプトではありません。


だからこそ、私たちはそこに向かって歩いていかなくてはなりません。

そこに多くの苦難があればこそ、私たちのなすべき役割もあるというものです。


子どもが、集団の中で、本当に自分が必要とされている感覚、

そのことを実現することは、決してたやすいことでないはずです。

薄っぺらな理念で、できることではないはずです。


大切な命をさずかった家族だからこそ、

みんなと学ぶ教室だからこそ、

なすべきことがそこにあるはずです。


それは容易なことではないけれど、決して不幸なことではないはずです。

きっと、選ばれし者だけが、この子と共に歩めるのですから。





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そこに夢と使命感があるか?

 2012-05-19
3日前くらいから、持病の腰痛が再発して、かなり苦労しています。

座った姿勢から立ち上がると、腰は曲がったままで、まっすぐに腰が伸びるまで10分近くかかる場合もあります。


でも、レッスンを休もうとか、それを言い訳にしようという気持ちはサラサラありません。

いすにはキャスターが付いていますから、移動は座ったままでもできます。

手も口も頭も、普通に動きます。

腰が痛いなら、メンタル面でそれを武器にして、普段の内容を超えるものを提供してやろうという意気込みです。


自分がそうだからと言って、こういう価値観を、決して他の人に強要できるものではありません。

そのことは、わかっています。

何かが、私を駆り立てているわけですが、こういう自分が、私は大好きです。


プロなら、絶対に言い訳をしない、

条件の悪い日ほど、テンションをマックスに上げて乗り切る技は、ここ何年かで身につけたものです。


この気持ちの強さは、ダイレクトに子どもの心に打って響きます。

私の覚悟みたいなものは、子どもはダイレクトに感じ取ってくれます。

特に、非言語の感性の豊かな子は、百万の言葉より、私の潔い覚悟をわかってくれます。


弱い気持ちがわずかでもあればダメですが、それが本物ならマジで通じ合います。

フィジカルな面で体調が悪い日は、メンタルパワーがマックスでないと、レッスンは成立しません。

そのオーラを、子どもは一発でわかってくれるわけです。


同じようなことをしていても、そこに子どもを育てる夢と使命感のある職員は、必ず子どもの心を引きつけます。

私が、職員を評価するのは、その1点です。

それさえあれば、テクニカルな面は、やがて身についていくものです。

それを3年・5年と積み上げていくことも、その志の強さを示す大切な内容です。


重い課題に向き合っている子ほど、そういう感性が豊かなものです。

厳しいけど、あの先生が好き、

そこに夢と使命感がある限り、子どもは必ずついてくるものです。




この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2011-05-20)



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言語性が豊かであるがゆえの苦しみ

 2012-05-16
「言語性が豊かである」

とてもすばらしい事です、

言語性が豊かでないより、豊かである方がいいに決まっています。

でも、言語性が豊かであるがゆえの苦しみ、あなたはご存じですか?


例えば、コミュニケーションという視点で考えた場合、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションという2つの見方ができます。

コミュニケーションの中身には、言語で伝わりやすいことと、言語では伝わりにくいことがあるのです。


私の教室に通ってくれている子の中には、まったく言語表出のない子もいます。

では、表出言語がなければ、コミュニケーションが図れないかと言えば、決してそうではありません。

場合によっては、言語性の豊かな子より、ずっととずっと豊かにコミュニケートできる場合もあるのです。


逆に、言語性の豊かな子は、何でもかんでも言語に置き換えて理解しようとする傾向があります。

「友達と仲良くしましょう」

「困った時にには、助け合いましょう」

「友達の気持ちを大切にしましょう」


は~い、わかりました、

その言語化された言葉を、長期記憶で保持すれば、それでそのことを理解したような気分になります。

でも、「友達と仲良くしましょう」 という言葉を言語化して、それを長期記憶に保持すれば、それが実生活でオートマチックに行動化されるわけでも何でもありません。

そこが大きな落とし穴です。

現実場面で起こる様々な出来事や、感情の機微を、言語ですべてコントロールできるわけはないのです。


逆に、表出言語がない子の方が、場の微妙な空気を感じ取って、ちょっと粋な行動を、さりげなく出来たりすることも多いのです。

言語を媒介としないからこそ、大切な事を感じる感性が、ダイレクトに働くのです。

言語化しない方が、いい場合だってあるわけです。


ちょっと例えが違うかも知れませんが、英語を聞いた時、それを日本語に訳して理解しようとすると、そのスピードについて行けなくなるし、こんがらがって、すぐに限界に達します。

英語の時は、英語の頭になって感じるようにならないと、なかなか豊かなコミュニケーションは図れないのです。


言葉が豊富だからこそ、そのように感じることが苦手なタイプの子も、私の教室に何人か通ってくれています。

そういう子は、現実生活の中で、色々と困ったことが起こりやすい傾向があります。


場の空気が読めず、場違いな発言でどん引きされたり、何気なく言った言葉が、相手の逆鱗にふれ、突然ぶっ飛ばされたりします。

生意気なヤツ、いいかげんなヤツ、たるんでるヤツ、甘やかされているヤツ、ひどいヤツ・・

様々な誤解や偏見を受けたりします。

でもそんな子の中には、デリケートで、ピュアで、傷つきやすいい子も多いのです。


こうした子を育てていくには、現実に寄り添いながら、もつれた出来事を、ていねいに紐解いてやる事が大切です。

その子の気持ちを受け止めながら、どうやら自分が知らない世界もあるのだということを体感させ、自分をコントロールできる力を育ててやるのです。


言語性豊かであるがゆえに、IQ値が高いがゆえの、苦しみや課題もあるのです。

そういう子には、その優位なことを使いながら、苦手なこともコントロールしていく体験を積み重ねていくことにより、それっぽく適応レベルがアップしていくものです。

私は、こんなかかわりを続けていきながら、何人もの子が私のもとを巣立っていくのを見届けてきました。


教室に来始めた頃の、エピソードや笑い話には、枚挙のいとまがありません。

その頃の、ご家族の苦悩には、とても笑い事ではすまされない深いものがあります。

しかしやがて、そういうことが笑い話になる時期を迎えると、この子はもう次のステージへとステップアップしているのです。

そこまでが、私の仕事です。


こういうことを理解できる人が、数少ないということも、ご家族の苦悩を深める結果となります。

だからこそ、私のなすべき役割がそこにあります。


どの子ににも、その子にしかない輝きがあるように、どの子にも、その子なりの課題があり苦しみがあるのです。

そういうことが、ちゃんと見える支援者として、きちんと子どもに向き合える自分でいたい、

ご家族の願いの代弁者として、きょうも真摯に子どもたちの課題に寄り添う自分でいたいのです。





この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2011-05-17)




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君のあゆみこそ 後に続く子の大切な道しるべ

 2012-05-14
私の大切な教え子の1人が、この春に支援学校の高等部を卒業し、作業所に通うようになりました。

小学校1・2年の時、支援級の担任をさせていただいたのがご縁でしたが、その後ご家族とはずっとお付き合いをさせていただいています。

学校教育の充実は、もちろん大切なことですが、卒業後の人生はそれよりもずっと長い・・

彼の人生の豊かさそのものが、私にとって大切な意味をもつことになるわけです。


勉強が好きなこの子は、支援学校の高等部に通いながら、一定の期間、私の教室にも通ってくれていました。

「一番苦しい時に、先生に助けていただきました」

ご両親は、そう何度も伝えてくださいましたが、この教室で、この子とのレッスンが苦しいなんて思ったことは一度もありませでした。


字もていねいに書けるし、英語や、方程式も解ける、

でも、出来ない問題、できにくいこと、予期せぬできごとなどを、まっいいやと受け流すことが苦手なタイプのお子さんでした。

他の人にはほんのささいなことと思われるようなことでも、この子にとってはとても大切な課題となっていたのでした。


この子が小学校1年生の時、卒業式の練習に耐えきれなくなり、泣き叫ぶ場面がありました。

その時は、どうしたものかと本当に悩みましたが、結局私は、たとえどんな結果になっても、そのことを受け入れる覚悟を決めました。

「今まで通りでいいよ、普通でいいんだから、もう大丈夫、安心して」

体育館の横で、そのことを告げると、あれだけ緊張でガチガチになっていた表情が、雪がとけていくように柔らかくなっていく瞬間を感じ取ることができました。


結局、卒業式はうまく行きました。

式が終わり、真っ先にそのことをご両親に告げると、お母さんは電話口で涙声になられました。

その時のことを、今でも忘れることはできません、


彼のお父さんから、昨日、以下のような内容のメールをいただきました。



SHINOBU先生

ご無沙汰しています。お元気ですか。

息子ですが、元気で作業所に通っています。結局4月は1日も休まず通えました。自力通勤も続いています。

先方から、5月から毎日来たらどうですかと言っていただき、本人も快諾して先週初めて月曜日から金曜日まで午前中だけですが毎日作業所に行くことができました。くれぐれも無理をさせないように十分気を付けながら、本人からのサインを見逃さないように見守っていきたいと考えています。あまりにも順調にスタートできたので、これからしばらくはより慎重に、でも時には大胆に、本人の意思を尊重しながらやっていきたいと思います。

数年前には、こんな日々が来るとは思えませんでした。これも先生のご指導のお陰です。先生に巡り合えて本当に幸せです。

私たちも、苦しみのどん底にいる時、先生に助けていただきました。あの再会がなかったらおそらく今はなかったと思います。

そのことは決して忘れません。これからも、この子と共に今ある小さな幸せを感じながら過ごしていきたいと思います。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。




高校進学を目前に控えていた日、いくつかの偶然が積み重なり、あの体育館の同じ場所で、お父さんと奇跡的な再会をすることになります。

きっと、ご家族が一番心を痛めておられた時期ではなかったかと思います。

それがきっかけで、私の教室に通ってくれるようになったのです。


高等部を卒業して間もない頃、この子はお父さんと二人で、教室を訪れてくれました。

学校に行きにくい苦しい時期もあっただけに、18歳になり、無事高等部を卒業したその意味には格別の思いがあるはずです。

何よりもその達成感・充実感が、彼の笑顔や所作からにじみ出てくるように感じていました。


> お父さん、

> 本当に、本当にうれしいお便りをありがとうございました。

> 元気が出ました。

> 彼との出会いは、私の活動の源です。

> 今や全国各地の方が、私のところに訪れてくださるようになりました。

> 苦しい場面に寄り添う支援者として、彼の成長と幸せは、何よりのエネルギーになります。

> 何年経っても、どこにいても、彼は私の大切な教え子です。

> 今、苦しみのど真ん中にいるご家族がいるやも知れません。

> 彼のあゆみが、そのご家族の支えになることを、知っておいていただければと思います。

> そのことが、あとに続くご家族の大切な道しるべの一つとなるのです。

> どうかこれからも、豊かなあゆみを続けてほしいと願っています。

> これからも、どうぞよろしくお願いします。


通常学級の担任として一定のことができたと思える日が来たら、特別支援学級の担任をやりたい、というのが当時の私の夢でした。

6年生を卒業させ、新設される特別支援学級の担任となり、初めて出会ったのがこの子、

日々の連絡帳は、1冊の本のように綴られ、学級通信はホームページのようになって積み重ねられた、

ご両親も、私も、希望に満ちあふれた出会いがそこにありました。


この子と出会ったからこそ、今の私があるのです。

彼と過ごした時間は、かけがえのない大切な宝物、

この大切な営みを、多くの子の成長と幸せにつなげていきたい、


以後の日々も、彼がずっと幸せと豊かさを感じるようなものであってほしい、

私は、これからもずっとずっと、このご家族と一緒にあゆんでいきたいと願っているのです。




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何が起こるかわからない

 2012-05-11
先日、他県の特別支援教育の推進役をされている先生から、研修会についての依頼を受けました。

「個の特性に応じた教育実践、特に具体的な教材開発についての内容に触れたい」 という内容でした。

6月20日(水)という日時も決定されていました。


岡山からですと、新幹線を利用しないと行けない県外からの依頼となっています。

予定表を見ると、すでにびっちりとレッスンの予定が組まれている、

まともなら、お断りすべき依頼かもしれません、

でも、私には、どうしてもこの依頼をお断りすることができない理由がありました。


昨年から、大阪に、岡山に、京都にと、何度も何度も私の所へ来てレッスンを受けてくれている女の子がいます。

今年1年生になるダウン症の女の子です。


大阪や、京都のレッスンは、時間的に指導の枠が限られており、これまで何人もの方のお申し込みをお断りしてきました。

でも、このお母さんは、そこを何とかなりませんか、どうにかなりませんかと、何度も何度もご連絡をいただきました。

そうまでおっしゃるのでしたらということで、1回・2回と不定期で、日程のやり繰りをつけながら、これまで何回かのレッスンを積み上げてきました。

決して半端な気持ちでできることでは、ありません。

お母さんの心の奥から、いつも強い信念と深い愛情がわき上がっていることを、私はいつもダイレクトに受け止めていました。


何とか、わずかであっても、このお気持ちに添う支援を行っていきたい、

私の心の中に、そうした気持ちが自然に芽生えてきました。

人として、支援者として当然の気持ちです。


担当の先生から、お電話をいただいた時、「もしかしたらMちゃんの通っている学校の先生ですか?」 とお尋ねしたら、「えっ、そうです」 とお答えいただきながら、少し驚かれたような印象をもちました。

どうやら担当の先生方は、単に私がMちゃんの支援を行っているということではなくて、ブログを見て、内容的なことで、講演の依頼をされたということを伺いました。

これには、正直、私の方が驚いてしまいました。


このお母さんの、驚くべき引きの強さ、

こんなことが起こるから、人生ってステキです。


直接、私が支援をさせている子の学校とあらば、行かないわけにはいきません。

この機会を逃がしたら、二度とこうしたチャンスには巡り会えませんから。


これまでのお母さんからのお話から、この地域では、目を見張るようなインクルージョンの取り組みをさていると伺っています。

多くの先生方が、そのことに誇りをもち、前向きで豊かな教育実践を積み重ねておられると聞いています。


Mちゃんの学ぶ教室に足を運んでみたい、

担任の先生、校長先生をはじめ、子どもの成長と幸せのために力を尽くされている先生方の息吹に少しでも触れてみたい、

そして、担任の先生と仲良しのSHINOBU先生となって、これからのレッスンを構成していきたい、

そんな気持ちで、胸がいっぱいになってきました。


6月20日にキャンセルしなくてはならない午後のレッスンについては、今からなら、計画的に振り替えることが可能かも知れない、

そしてご迷惑をおかけするからには、以後の実践に生きる大切な何かをつかんでこなければ、申し訳が立ちません。


いつの時も、私を熱く奮い立たせるのは、ご家族の熱い気持ちと深い愛情です。

その気持ちは、本当に何を引き起こすかわかりません。


「先生、奇跡が起こりました」

ある大阪のお母さんが、新年度のスタートの日にそんなメールをくださいました。

心から信頼している通常学級の先生と、コーディネーターの先生が持ち上がりになったそうです。


この奇跡が起こる2年前、このご両親がどれだけ血のにじむようなご努力をされたか、私は生涯、忘れることはできません。

じっと座っていても、奇跡なんかは起こりません。

後に続くご家族のためにも、そのことを確かめに、私はこの地に出かけてみようと思います。


研修会、微力ですが、もてる力を出し切って、真心を込めてつとめさせていただきたい、

そして志を同じくする学校の先生方から、たくさんのことを学び、以後の実践の糧としていきたい、


研修会が終わったら、Mちゃんのお家でおいしいコーヒーをいただく約束をしました。

しっかりと前を向いて歩めばこそ、人生、何が起こるかわかりません。





この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2011-05-13)






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大切なあなたと出会うために

 2012-05-09
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昨日は、「倉敷市障害児学級親の会」 の総会にお招きいただき、講演をさせていただきました。

控室では、倉敷市の特別支援教育推進室長の先生、倉敷市の特別支援教育研究会会長として力を尽くされている校長先生、議会でご活躍の議員さん、また長年本会の推移にお力を尽くされている連絡協議会の事務局長さんの大変貴重なご提言をいただくことができました。


会場の中には、直接私のレッスンを受けてくれている子どものお母さんも何人かいらっしゃり、演台からもしっかりその姿を伺うことができました。

講演を終えた後、何人かの会員の皆様方と、ご一緒に昼食をいただきました。

会長さんをはじめ、役員の皆様、会員の皆様方には、とてもあたたかい対応をしていただきました。


子どもたちの成長と幸せのため、そして我が子のために懸命に努力をされているご家族の力を集約し、多くの子どもやご家族の支えとなる活動を36年も続けてされている団体だけあって、どの方の表情からも、謙虚な中にも力強さや思いの深さを感じ取ることができました。


「もっと早く、先生に出会いたかった」

そんな声を、何人もの方からいただきました。

会の中心となっておられる方には、お子さんが今や、中等部や高等部に進まれている方も多いように伺いました。


こうした方々の大変なご努力があってこそ、今の行き届いた教育の形が整ってきたわけです。

そのことは、こうして脈々と受け継がれているのです。


これから生まれてくる命もあるのです。

ご縁があって今日出会えた皆様方とのご縁が、今後どうのような形で実を結んでいくかは知れません。


昼食を終え、私はすぐに教室に帰り、午後のレッスンに備えました。

正直、疲れていないわけではありませんが、それぞれが、本当に楽しいレッスンでした。

わたしにとっては、何より日々のレッスンが宝物、


こんな光栄な場でお話をさせていただけるようになったのも、すべては子どもたちとそのご家族の皆様のおかげです。

私は今日も、それぞれのご縁を大切にしながら、目の前の子どもと向き合って行きたいのです。

大切なあなたと、いつも笑顔で出会えるように・・





この記事は、「特別支援教育人気記事ランキング1位」に選ばれました。 (2011-05-10)






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教科学習を通して子どもに培いたい力

 2012-05-07
私の行っている週に1度の個別レッスンでは、あまり総花的に内容を欲張ることはできません。

でも、だからこそ大切にしていることもたくさんあります。


学校教育で学ぶ内容については、各教科、系統的に学習指導要領に規定されています。

これだけは、小学校で学ばせたいという内容が、精選されているわけです。

それぞれの学習を積み重ねていきながら、子どもたちは学力を身につけていくのです。


一方で、私が子どもに育てたいことは、主に以下の3つに限定しています。

① より豊かな言語の感覚

② より豊かな数量の感覚

③ 肯定的な自己理解の力


この3つの力を育てるために、それぞれの子どもに合った教材と、アプローチを考えていくわけです。

教材は、そのための大切な手段となりますが、目的そのものではありません。


これからこの子が生きていく上で、言葉の力を培うことにより、文化的な接点を少しでも豊かにしてやりたい、

数に対する見方・とらえ方を伸ばすことにより、暮らしの中に生かせる内容をもっともっと増やしてやりたい、

そんな気持ちで、私は日々のレッスンに取り組んでいるのです。


もちろん、だからと言って、教科の内容をないがしろにするわけではありません。

懸命に取り組むことによってこそ、育つ力もあるというものです。

でも、テストで良い点がとれなければ、すべて無意味というものでもないはずです。


ちなみに、中学校の因数分解の問題、私、今すぐに解ける自信は全くありません。

でも、だったら中学の数学はやらなくてもいいということでもないはずです。


それぞれの教科内容をうまく利用しながら、その子にとって大切な力を培っていくこと、

アプローチはそれぞれであっても、学校教育も、個別指導もめざすものは同じであるはず、

ならば、可能な限り当該学年の教材を使って、その子に合った数量や言語の力を身につけさせていくことができないものか?

それが、私が今、チャレンジしていることでもあるのです。


例えば、自然の中の大きな海で泳ぐこと、

外国で、ネイティブの方とリアルなコミュニケーションを図ること、

そのために必要な体力そのものを培いたい、

基本的なスタンスは、そこにあります、

私が、集団の中での学びを、とりたてて重要視しているのもそのためです。


だからこそ、時にはビート板やヘルパーを付けて、フォームをきちんと教えてやりたい、

「R」 の発音はこうだと、実際に舌を丸めた形を教えてやりたい、

個別指導の果たす役割は、そこにあるのだと考えています。


学校教育の中に、しっかりとした学びの場があればこそ、個別指導は初めて生きる、

学校でしかできないことと、個別指導だからこそできること、

どちらか大事かということではなく、どうしたら、より豊かな学びが構成できるのかを考えることが大切です。


週に1度だから大切にしなくてはならないこと、

私は、そのことを今日もしっかりと見つめて行きたいと願っているのです。




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