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信じられなけど 本当の話

 2009-07-30
私が指導をさせていただいているダウン症のある女の子、通常学級の4年生に在籍しています。

これまでのお母さんのご努力により、次のような学びの枠組みができたと、先日メールをいただきました。

ちょっと連絡が無いなと思ったら、お母さん相当がんばっていたみたいです。


月曜日=学生ボランティア(1~4時間目)
火曜日=言語教室(他校にて1時間半)
水曜日=個別指導1時間
木曜日=個別指導1時間+教育支援員
金曜日=個別指導1時間+教育支援員


通常学級に在籍しながら、特性に応じた専門教育を! 

親なら誰しもが願うことですが、現実には特選に応じた専門的指導を週に1時間受けるだけでも大変なことです。

この環境、何ともうらやましい限りですね。


この地域が何かのモデル地区になったり、この学校が何かの研究指定校になているわけではありません。

このお母さんが、何か特別な組織の会長をしているわけでもありません。

まったくの個人で、ごくごく普通のお母さんなわけです。


その自治体の財政事情も、教育を取りまく環境もかなり厳しく、個別指導1時間の希望もそう安々とは通らないそんな状況の中での取り組みでした。

もちろん、一度にこんな環境ができるわけはありません。

学校側との話し合い、行政への要望、特別支援教育だけでなく地域の実情や市議会でのやりとりまで勉強されてのねばり強い折衝が、一つずつ形となり、実を結んでいったのです。

いつもながらのことですが、母としての強い気持ちと信念が、このお母さんを突き動かしているのです。


学校も行政も、組織です。

一個人の要望を、 「はいわかりました。何とかやってみましょう♪」 なんてすぐに言ってくれるわけはありません。

しかし、私にとって身近な方が、具体的に個人でここまでされたという事実のもつ意義は大きいと考えます。

「そういうことは、前例がありません」

よく聞くセリフです。


でも、ここにその前例の一つがあるのです。

それも現実の、ごくごく身近な所に・・


こんな言い方が良いか悪いかは別問題として「SHINOBU先生が指導しているある子どもでのケースでは、こんな環境が実際に作られています」と切り返すことができます。

「前例が無いというなら、他地域で出来ていることがなぜ出来ないのでしょう。うちの学校では、特別支援教育の充実を、具体的にどのような形で実現されていこうとしているのですか。要はやる気と努力の問題ではないでしょうか」 と、たたみかけることだってできます。

そうでなくても弱い立場の個人が行政と交渉していくためには、思いの強さと深さと共に、こうした勉強やいくつかのアイテムが必要不可欠だと思います。


私は、このお母さんの努力と意志の固さを知っています。半端な気持ちでできることではありません。

しかし、逆に言えば、そこに強い意志がある限り、むずかしいことではあるけれど、手順を踏めば実現は可能なんだという事を、改めて学ばせていただくことができました。


私でさえ無理ではないかと思うようなことを、このお母さんは次々と打ち抜いて行かれました。

私ができないことを、このお母さんは結果として次々と実現されたのです。


毎回の指導の折りに、私はその子の生き生きとした受け答えから、その横顔に、お母さんの愛情とご努力の跡を感じるのでありました。

本物は、厳しいけれど、凛として美しいものです。

それぞれの家庭には、それぞれの良さがあり、持ち味があり、かけがえのないものです。


学びの環境づくりは、家族の仕事です。

どうかそれぞれの子ども、それぞれのご家庭にあった形が、少しずつでも前進していくことを願わずにはいられません。


主体者はご家族。

微力ではありますが、私は、いつでもその応援をさせていただきます。

どうか、これからもお子さんの成長と幸せのために、一緒に歩んでいきましょう。


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家庭の役割と連携の中身

 2009-07-27
先週、かれんちゃんのお母さんから、メールをいただきました。

指導の休みの週の振り替えはできないものか、というお問い合わせでした。

どうやら、かれんちゃんが、このブログのファンになったようです。

パソコンに映る私の顔を見て、「せんせい・せんせい」と呼び、何度もお母さんに見せてもらうようにせがんでいるということです。


かれんちゃんの場合、4歳ですが、毎週90分(2コマ)のレッスンをさせていただいています。

45分(1コマ)ですと、パズルなどの認知系の入力、お絵かきや手遊びなどの感覚統合、絵本やパソコンを使って言語・数量などの概念形成を中心に行っていますが、2コマの場合は、これらの内容に加えごっこ遊び(ロールプレイ)を中心にした、応答コミュニケーションの活動を大胆に取り入れることができます。(小・中学校で言えば、自立活動や総合学習みたいなものです)


かれんちゃんの場合は、きっとこのロールプレイが楽しくてたまらないのだと思います。

「せんせい」という言葉も、このロールプレイの中で定着していきました。

しゃぼん玉遊び・お買い物ごっこ・お料理ごっこ・乗り物ごっこ・動物のお世話・踊り大会・・

30分も続ければ、汗だくだくだく、活動によっては私の足がガタガタになってしまいます。

この活動中のかれんちゃんの表情は、天使の笑顔そのものです。

デジカメでいつも何とか撮ろうとしますが、動きが速く、手ぶれもするので、なかなかナイスショットとはいきません。


私の場合、間欠強化スケジュール(毎回ではなく、タイミングをみて効果的に実施すテクニック)を意識していますから、この楽しい活動は子どもによっては強烈な刺激になります。

子どもは、こういうおいしい活動を1度体験すると、以後の指導がとても入りやすくなります。プログラムに対する信頼感ができますし、どの活動に対するモチベーションも急速に高まります。

着席行動が出来なかった子、学習に対して大きな痛みを感じていてなかなか取り組みをしようとしなかった子も、こうしたことを契機として、少しずつではありますが本来の学びの要求を取り戻していくのです。

そして、やがては自分の成長の手応えそのものが、何よりの強化子(ごほうび)にかわっていくのです。

しゃぼん玉も・シール・風船・おかしなどのごほうびは、指導者がそれを示す一つの形なのであって、子どもはシールそのものではなくて、本当はシールで評価された学習内容そのものを喜んでいるわけです。

私がかれんちゃんをほめることで、かれんちゃんは応答コミュニケーションの充実感そのものを感じているわけです。


ここで考えてほしいことが一つあります。

それは、私のやることを、そっくりそのまま家庭でやろうとしないでほしい、ということです。


ご家庭は白いご飯であったり、食パンであったり、毎日飲む水であったりします。

私の所は、週に1度の外食のお店です。 

だからおいしいのです。 おいしいからといって、毎日焼き肉やお寿司を食べられるものではありません。 決して家庭に代われるようなものでもありません。


この教室で使用している教材や内容をそのまま家庭に持ち込まれた場合、子どもは果たしてどう感じるでしょうか?

私は、家庭ですべきことは私のまねをすることではなく、まごころを込めて日々の家庭料理を作っていただくことではないかと思っています。

良さそうだからといってそのものを丸かじりをするのではなく、それぞれの特性や良さを取り入れていただきたいのです。


本当は、我が家のカレーや肉じゃがが一番です。 白いごはんが一番です。

皆さんには、どうか上手に、環境を構成していただきたいのです。

学校や療育などとの連携も、こんな感じで考えられてはいかがでしょうか?


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講演会の報告とお寄せいただいた感想など

 2009-07-26
先日、  「人とのかかわりのなかで 子どもは育ち そして学ぶ 」   ~ 教育・保育のエピソードから見えてくる 地域や家庭の果たす役割 ~  という題目で講演をさせていただきました。

すべてをお伝えすることはできませんが、講演のプロットは下記をクリックしていただければ、ご覧いただくことができます。

http://shirayuri55.com/2009.7.19.kouen.pdf


いただいたご感想・ご意見などは下記の通りです。 (プライバシーにかかわる部分だけ、一部修正を加えさせていただきました。)






・一期一会の精神や、先生のおやさしい言葉に涙が止まりませんでした。
我が子がこれから巡り会う先生方も、SHINOBU先生のような方だったら・・・と願います。
そして、親としてリラックスしながら(長丁場ですので)ここぞという時に力が出せる
人になりたいと心から願いました。
日々アンテナをはりめぐらせて勉強ですね。

・心から感動いたしました。
子育ての中の一番大切な部分を再確認できました。
子どもと向き合う中で感じていることと一致していました。思えば、それは障がい・健常を越えた子育てのファンダメンタルですね!
本日は本当にありがとうございました。

・子どもたちってすばらしいと思います。私の子どもも今年から地域の保育所に入ったのですが、年上のお兄ちゃん、お姉ちゃん、お友達が、うちの子どもの世話をやいてくれて居場所を作ってくれてるんですね。すごく感動しました。
先生の話の、6年生のクラスのお話、とても感動し、ぐっとくるものがありこらえるのが大変でした。本当に子どもたちってすばらしいです。
運命を受け入れて、頑張って日々生活しようと思います。力をいただきました。

・肯定的な自己理解」は私自身が未だに未「成熟な部分で、中学生の頃から「どうして私にはこんなに生きるのがしんどいんやろ」と思っていました。
その後、幼児教育科に進み、学んだことは恥ずかしながらほとんど覚えていませんが、一つだけ「私は我が子には“愛してる”とストレートに伝えよう」と決めたことだけは覚えています。
実際親になることができて、娘はたまたまダウン症という体質を持っていますが、私の“愛してる”という思いをしっかり受け止めてくれていると思います。キラキラしていて楽しくてたまらない!!という笑顔をいつも見せてくれているので、今後も私の気持ちを伝え続けようと思います。
親から愛されているという自覚は自分の自信、生きる力になると私は信じています。

・家庭でしかできないこと、家庭の役割について、ついあせったり否定的に考えることもありますが、本人が自分を肯定的にとらえることができるように支えることが大切だと考えていきたいと思います。
小学校入学以降についてまだまだイメージできていないのですが、実際に小学校の先生をしておられ、現在も大きなお子さんたちに関わっておられるSHINOBU先生のお話を聞き、どのように対応していけばいいのかわかったように思います。

・本日はありがとうございました。

・子供が「I'm OK !」と感じるためには、人に認められること、一番身近な存在である親の関わりが最も重要と考えます。
つい「だから、あなたは~」と言ってしまいがちになりますが、常に「You're OK !」と伝えることを念頭に置いて関わっていきたいと思っております。
そのためには、私自身が「I'm OK !」と言えなければいけませんよね。
今日は、貴重なお話ありがとうございました。

・子どもと真剣に向かい合うもの必要だけ「ど、時には人に委ねたり、リラックスしたりすることが必要という言葉を肝に銘じたいと思います。
障がいがある我が子が「誰かのために何かできることがあるのか」と思ってしまう時があります。でもそれが、何だっていいのだと教わりました。
事実、私の子どもとして生きてくれているだけで、親の私を育ててくれて生きている意味を教えてくれています。
様々な方々と連携しながら、子どもを育てていきたいと思います。
親として、親でしかできないことを見失わないように、一緒に生活していきたいです。

・多大な教育経験、深い知識、熱心な前向きな態度・行動・コミュニケーションなど先生のすばらしさを改めて感じました。
自己positive な価値観を持つこと、命をつなぐかかわりの大切さは、一期一会にあることを感じました。

・今日はありがとうございました。
「誰かのために何かできる子ども」「どんなことがあっても受け入れる]どんな時でも子どもと向き合い、生きる喜びや色々なことを体験させたいです。
私自身、日々どれだけ子どもと向き合えてるかなと、あんまり向き合えてないのかなとか考えることが多いです。
子どもは話せませんが、親の気持ちはわかってるのであろうと思います。
私自身、変わらないとと思っています。

・いろいろなエピソードを聞かせていただいて、心あたたまる感じでした。ありがとうございます。
家庭でしかできないこと、考えさせられました。
私もあせって家庭でできる訓練を考え、療育の先生に聞いたり、本を読んでみたりしますが、まず母親である自分しかできないこと、家庭でしかできないことの大切さを大事にしたいです。

・まさと君(自閉症)のお母さんのエピソードで同じ思いをしたことを思い出しました。
3年前、保育園捜しに走り回っていた頃、ある民間保育園の園長先生の子育て講演を聴く機会がありました。
ここだ!と思い見学すると、本当にすてきな園でした。
結局、この園とはご縁がありませんでしたが、大切なメッセージというか、印象に残ったエピソードがあります。園長先生のお子さんは筋ジストロフィーで、既に亡くしていらっしゃるのですが、小学校は地域で過ごし、いじめもありました。その時に、母親として起こした行動は、周りの子どもに「あなたのことが大好きよ」というメッセージを送り続けた、そうすることでいじめもなくなっていったというのです。
今日SHINOBU先生からまさと君のお母さんのエピソードをお聞きし、改めて母親としてどうありたいかという自分自身の意志が固まっていったと感じます。
今日は、先生のお話をお聞きできて本当によかった。これからもお体をお大事にご活躍をご期待いたします。

・岡山からお越しくださりありがとうございます。
これからも先生のブログをSHINOBU 楽しみにしていますので、健康に気をつけて頑張って下さい!

・先生のお話を聞いていて、自分のできていないことがたくさんあって改めて「私ってダメやなあ」と思い知らされます。
否定的だし、後ろ向きだし、比較はする、感情で怒るなど、悪い部分はかぞえたらきりがないほどで、本当にいやになります。色々悩みはありますが、なかなかまとめられないですが、今できることを考えて、自分のできることを無理をせず、でもあきらめないでひとつひとつの問題をクリアしていきたいと思います。
最近、我が子は言葉をうまく発せなくても、色々な感情や本人なりの思いも育ってきているので、親としてもきちんと向かい合っていかないとと思える場面もあるので本当に本日のお話は、改めて色々考えるヒントになりました。なかなか頭がわるく、要領もわるく、いいかげんなのできちんとできないことも多々あると思いますが、改善できる点は努力していきたいと思います。

・障がいのある人や子どもは、社会にとって何の役にも立てないのではと思うときがありました。でも、考えや子どもの育て方(指導)で、変わってくることを学びました。
あきらめず子を信じて、日々頑張っていこうと思います。
ありがとうございました。

・具体のエピソードをまじえながら、大切なことを教えていただきました。
大きな指針となるお話に感謝しています。

・日常の出会いやエピソードの意味、そこからの学びを意識して、自分のものにしていきたいと改めて実感しました。
今日この会場に来るまでのエピソードです。
会場への直通バスが満員で、初めて駅から歩いてきました。迷わず目的までたどり着けるか不安だったけど、駅には地図があり、途中には看板があり、最後には通りすがりの方に確認して到着しました。
先が見えないと不安だけど、そのような道しるべがあると少しでも不安も解消し、助けられるのかと思いました。
今回の学びも、今後の人生に役立てていきたいと思います。
SHINOBU先生との出会いに感謝します。ありがとうございました。

・最後少し質問の時間で質問させていただき、少しわかりづらいところもありましたが、何か得たような気がします。今までは、たたいてしかる事ばかりしていましたが、色々やり方を試してみようと思いました。

・集団への所属感という観点は初めて耳にすることでしたので大変参考になりました。
子連れでバタバタしていて考えがまとまりませんので、またゆっくりブログにコメントさせていただこうと思います。
“ちゃぷママ”という名前で以前コメントさせていただいた者です。

・うちの子どもの場合、重度の心臓疾患があり、日常生活においても色々と制限があり、すべてにおいてあきらめがちですが、今日のお話を聞いて今を大事に前向きに生活していこうという気持ちになりました。
ありがとうございました。

・2才11 ヶ月の男の子(ダウン症)の親です。
1 才の時から民間の保育園に通い、日々の成長に感動を感じています。
本当に集団での生活で大切さを感じ、先生方の熱心さに感謝です。周りのみんなに支えられ、みんなと同じ事をしようと頑張っているようで、確実に成長していく姿にうれしさを感じる事、これからの我が子との接し方を改めて考える事ができました。
色々な体験談から前向きに、信じて歩んでいける自信をもらう事ができました。我が子のために何ができるか考え、また、我が子も何かのために役立つ人生を歩める事が私のエネルギーとなる事を信じたいと思いました。

・4 才後半の親です。
知的の保育を2 年目、母子通園で受けています。居住市が「支援学級」へ行かせる基本姿勢のため一年先の就学に迷い中です。(発達が3 才6 ヶ月目安と公言のため)我が子は4 割ペースなので6 才時点では間に合わないのです。。。
農村エリアの校区で、既卒児にも同じ症の方がいて、在籍児も自閉や学習障がいが数名いるようです。とても熱心に支援学級の担当してくれる先生も、もう10 年目らしくて、1~ 2 年で転出確実のようで、先があやしく悩んでいますが、あと1 年あまり母子保育などを通して校区に就学する努力を自分なりに今のお話から向き合おうと思います。ありがとうございました。

・娘はダウン症の小学3 年生で地域の小学校に通学し、支援学級と現学級の併用で授業を受け学校生活を送っています。
長所活用型指導を特に支援学級にのぞみますが、現実にはなかなか活かされず「できていません」とか「ダメです」と言われ親子ともへこんでしまう事もあります。
しかし、娘は学校へ行き、友達や先生と関わる事が大好きなので、色々な事を支援学級の先生方と話をして娘ののびる可能性を信じています。
個と集団のお話は先生のおっしゃってる事、本当にそうですね。
私も娘の登下校の付き添いを通して娘のクラスのお友達と関わることで娘の友達関係もうまくいったというのを実感しています。
本日のお話ありがとうございました。本当は個別のお話もお聞きしてみたいのですが、またお会いできるのを楽しみにしております。

・障がいでなく課題としてその子を受け止めてゆく。
肯定的な自己理解→自分を好きになる誰かのために身分が役に立つ
支援者の価値観が大切
「家庭」でしかできない役割→絵カードなど以外の関わり
誰かの役に立てる→(会社でなど)働く大人の人たちはみんな誰かの役に立っている
仕事は支え合い

この言葉にとてもひかれました
ありがとうございました
直接先生の声でお話を聞けたのがとてもうれしかったです。パワーいただきました。
失敗の多い親でもありますが、不思議な世間の中にいて自分はいい方向に向いていたと
確認できホッとしました。

・初めての集団生活を学ぶ幼稚園ですら思いどおりにならない環境です。
園側や先生方の心をどのように動かしたらよいのか、相手が受け入れようとしない場所へ無理に入れてもよいものなのかとても不安です。
「ダウン症」と聞いただけで一人の人間として見てくれない世の中をどのように変えていけばよいのか本当に不安です。

・以前一度先生とお会いさせていただきました。その節はありがとうございました。その時は子の進級にあたり不安や迷いをご相談させていただきました。
園との連携でとまどいがあり、どこまで何をお願いすればいいのかというのがわからなかったのですが、その時の先生のご助言を胸に止め、支えにこの数ヶ月過ごしました。
その間子どもの情緒が不安定になり、私自身も悩ましい日が続きました。やっと最近落ち着き「楽しい」と登園するようになりました。先生の言葉を信じてよかったと思いました。
今日の講演は、さらにその時の先生の言葉のもっと奥の言いたかった事がよくわかり、スッキリしたし、これからの自分の自信にもなりました。
SHINOBU先生のような先生がどの学校にもおられればいいなあと思いました。
今日は本当にありがとうございました。

・子どもたちの事をこんなに考えてくださっているかたもいらっしゃるんだと心強く思いました。
子どもに対する家庭の機能を見直す機会にもなりました。(先生のおっしゃるとおり一生懸命、知育遊びをさせていました)
どうもありがとうございました。

・ついつい同じ年齢の子と比べて、できない事ばかりが目についてしまいます。でもそうじゃないんだ、あきらめなければ何かできる事があるという気持ちになりました。
でも、自分の子にあった教育って何がいいんだろうと悩んでしまいました。

・今日は講演ありがとうございました。親としてどうあるべきか、具体的なアドバイスを教えていただき、子どもの長所を見つけだす点や多くの情報を子どもに与える重要性、周りとの連携、しっかり子どもと向き合って肩の力を抜いて子どものペース、自分のスタイルで頑張ろうと思います。

・気づくための前準備をいただきました。
集団の欲求
学びの喜び
地域への関わりの根回し
人は周り回って支えられる
が心に残りました。情熱と暖かさを感じました。

・とても勉強になりました。
今日のお話が今後自分の息子のためになるように、自分自身も頑張りたいと思います。

・遠方のところ、講演会に来ていただいてありがとうございました。
SHINOBU先生のブログ見ます。

・愛をたっぷりのスモールステップを心がけます。
ありがとうございました。

・SHINOBU先生
心に響く素晴らしい講演会をありがとうございました。
この会場があんなに大勢の人でいっぱいになることはめったにありませんので、会場の熱気
からも、SHINOBU先生の人気のすごさを実感いたしました。
これからもブログ楽しみにしております。
今後のご活躍とご健康を心よりお祈りしております。

http://shirayuri55.com/2009.7.19.kannsou.pdf







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学ぶ手応え はじける笑顔

 2009-07-24
今日、ある男の子の指導場面を、お母さんと担任の先生2人に見ていただきました。

養護学校小学部に通っているダウン症の男の子ですが、今日先生が2人も見に来てくださることは、聞いていなかったようです。

「指導開始から、5分から10分後にお越し下さい。」

と、先生方とご家族に、事前にお伝えしました。

せっかくの機会だから、この子にとって意味のある時間にしたい、というのが私の願いでした。


それまでこの子の指導時間は、完全マンツーマンで、誰一人として教室に入ってくることはありませんでした。

ところが今日は、指導が始まってしばらく経つと、お母さんと担任の先生2名が、いきなり乱入してきました。

やはり、最初はびっくりして固まってしまったようです。


しかし、ここからこの子の快進撃が始まります。

ひらがなボードの学習で、4人の大人から一斉に拍手をしてもらった辺りから、俄然、調子が出てきました。

自分で選んだ課題、私が提示した課題を次々とクリアしては、何度もみんなに大きな拍手をしてもらっています。


だんだんと顔が紅潮して、エネルギーが充満していくのが目に見えるようです。

そのようすを見ると、何だか私の方もうれしくなって、考えていた課題より1ランク上の、新しい課題に挑戦をさせてみました。


モチベーション・MAXでしたからね。

見事にその課題をやりとげ、何とも誇らしげな表情を私たちに見せてくれました。

指導が終わり、みんなに囲まれ、「すごいね」 「すごいね」 とほめられている彼の横顔には、わずか4ヶ月前に、着席さえ出来なかった面影は、カケラもありませんでした。

よくここまで育ったと、誰よりも私が驚いています。


先生方は、私の手作りの教材の写真を何枚か撮って帰られました。

2学期のこの子の指導にぜひ生かしたい、とおっしゃってくださいました。

研究協議などの時間はとれませんので、後日、感想やご指導iいただける事柄を、送っていただく約束をさせていただきました。

せっかくプロの先生に指導場面を見ていただくのですから、よい機会だと思い、うちの教室の指導の特色を1枚にまとめてお渡しいたしました。





1 指導の目的  

子どもの成長や学びの欲求を実現するための、適切な個別指導を行うことによ り、子ども自身の肯定的な自己理解を深める。


2 指導の特色  

① 個々の特性理解に基づいたオーダーメイド指導(発達の最近接領域)
② 子どもにつまずきを感じさせないスモールステップの構成
③ 初期には支援を厚く行い、徐々にその支援をフェードアウトして子どもに達成感をもたせ、ほめて自信をもたせる指導手順
④ ご家族の希望や願いを受けた指導内容の焦点化
⑤ 年度が変わっても、指導者は変わらない指導の継続性
⑥ 子どもの課題点を受け止めながらも、まずはその子のやる気・良いところからスタートし、課題解決に迫る長所活用型指導
⑦ 子どもの心情に寄り添い、夢や希望に向かって前進していく教育型の指導
⑧ 多感覚な刺激や体験をさせながら、それを再構成して、将来の自立や社会参加を目指したコアな生活の力の育成
⑨ 人と接し、人とかかわり、人の中で生きていくためのロールプレイモデル
⑩ 誰かのために何かのできる、自己有用感のもてる子の育成


【大切に育てていきたい子どもの力】

① 見える・聞ける・感じとれる「各種の認知能力」
② 動かす・しゃべる・表現する「各種の感覚統合と運動協応能力」
③ マルチな体験を通して育む「言語・数量等の概念と感覚」
④ 教育的であたたかい「コミュニケートの基礎体験」
⑤ 肯定的な自己理解に支えられた「学びの意欲とエネルギー」


【ご家庭と個別指導教室との向き合い方】

・ 個別指導を、子どもにとってオフィシャルな場として構成する。
 (個別指導を通して子どもが主体的に学び、子ども自身が伸びていく感覚を育む)
・ 子どもは、一人の独立した学びの主体者として指導者と向き合う。
 (家族の支援は、段階的にフェードアウトし、子どもの自立心を育てる)
・ 家庭は、子どもにとっての受容の場・安らぎの場であること第一とする。
 (ゆとりのある自然なスタンスで、家庭での支援を工夫・構成する)
・ あせらない、あきらめない、安心しない、スタンスを変えない。
 (子どもの利益にかなう本物こそが、最終的に子どもの成長に結びつくと考える)
・ ご家庭と教室との相互の信頼は、体感できる感覚として必ず子どもに伝わる。
 (家庭との信頼と連携が指導者を育て、子どもを育てる)






先生方に、頭をなぜられているこの子を姿を見て、本当に指導を公開して良かったと思いました。

次回以降の指導は、今日のすばらしい時間を共有した者どうしとして、一緒に学習課題に取り組んでいくことができるのです。

毎日の時間に追われ、私自身も精神的な負担感がなかったかと言えば、正直ウソになります。

でも、その何倍も大切な、共有できる価値ある時間を、この子と一緒に過ごせたわけです。

私たちにとって、これほど価値ある財産はありません。


デジカメに残った笑顔一杯の彼の表情は、私にとって何よりの宝物になりました。

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(↑ 今日の指導の1場面 = 撮影・お母さん)



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コミュニケートの楽しさと目的

 2009-07-23
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(↑ 元気よく 「もう一回」 のポーズのできるかれんちゃん)


最近、かれんちゃんの言語・コミュニケーションレベルに、大きな変化の兆しが伺えます。

もともとモチベーションの高い子ではありますが、まあとにかくおしゃべりが多くなったのと、ロールプレイなどの活動が楽しいのに加えて、話す単語の数が急速に増えてきました。


私、10センチくらいのシャボン玉を、子どもの頭の上に1個ずつ飛ばすことができるようになりました。

何回やっても、百発百中。

部屋のエアコンの風の状況によっては、面白い動きをするので、子どもがとても喜びます。

かれんちゃんにも大好評、「もう1回」 「もう1回」 と何度もせがみます。


この後、かれんちゃんと一緒にかくれんぼをしました。

私が逃げて、かれんちゃんが見つけるのですが、見つけた時はいつも下の写真のような顔をします。


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(↑ かくれんぼで、私を見つけた時のかれんちゃん)

ケラケラ大笑い・大盛り上がりのロールプレイで、かれんちゃんの発語 (「せんせい」 「もういっかい」 など) の強化子として、シャボン玉やロールプレイをしているのです。


こうした状況の中、かれんママから、次のような内容のメールをいただきました。






ところで、かれんの最近の状況で、気がついたことが…

SHINOBU先生のことを「せんせ」と呼んだとブログに書いていて、我が家での様子からにわかに信じがたく、うちのだんなとも「聞き間違いでしょう~」と言っていました。←すみません(^_^;)

ところが…、昨日、たまたまネットを見てるときにかれんも膝に乗ってきたので、SHINOBU先生の写真を見せたら「せんせ」と言っていました!

「しのぶ先生よ」と教えたら、「※△□ぶ、せんせ」と言っています。

何度も見たがります。

よほど、SHINOBU先生の教室での体験が楽しいんだと感じました。

ほ~、と感心した次第です。


あと、「パパ」「ママ」の名称も使い分けて発音できるようになってきました。

知っている絵を見たら、それなりの発音をするし、しらない絵を見て教えて欲しかったら「これ!!」と聞いてきます。

「知りたい」という意欲も芽生えてきたようです。

それと、先週あたりから、たまに2語発話が出ています。

「これ、とって」「ままねんね」

「これ、ちょうだい」など。

ダウン症児は3~4歳がもっとも言葉がのびる時期だと言われています。

言える単語が100語を超えたら、2語発話が出てきます。

この時期を逃さないようにして、しっかり分かることを増やしてあげたいです。







うちの教室では、「せんせい」 は、ごくごく当たり前に言えます。

しかし、この 「せんせい」 を仕込むのには、何時間もかかりました。

でも、「せんせい」 が仕込める私には、他の言葉を仕込むことは、そんな難しいことではありません。

それでも、定着するためには、それなりの時間と環境は必要です。


この日のレッスン、本当に楽しかったです。

私が楽しいときは、必ず子どもも楽しいようです。

それは何かが出来た喜びであり、人とコミュニケート出来た喜びであると私は確信しています。

きっと人と心がふれあうことによって、脳内に快刺激ホルモンが分泌されるのだと思います。

そのことが、コミュニケートにかかわるモチベーションを上げ、表出言語を増やし、それを明瞭なものへと磨き上げていくのだと思います。


かれんちゃんの、「もう1回」 は、まさに要求言語 (デマンド) そのものです。

コミュニケートは手段であって目的ではありません。

かれんちゃんの目的が、「シャボン玉」 であったり、 「かくれんぼ」 であることを、理解して指導にあたることが大切だと、私は感じています。


こういう部分を大切にした言語指導をさせていただける事を、私はとても幸せに思っています。

ご家族のご理解と、ご努力と、ご協力のたまものです。

何があっても、このご期待には添わねばならぬと、固く心に誓うのでありました。





DSC04162_convert_20090722121847.jpg


※ この実践記録は、適切な教育によるダウン症児の成長の可能性を、より多くの方に理解していただきたいというご家族の願いと要請を受け、かれんちゃんの表情なども含め、リアルな指導の様子を公開させていただいております。また、平成21年度、福武教育文化振興財団による研究助成をいただいています。


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旅先での小さなエピソードから

 2009-07-20
電車の乗り継ぎで、ある駅の入り口に向かって歩いていました。

その駅には、右手に下りのエスカレータ、左手に登りのエスカレーターが設置されています。

私が登りのエスカレーターに向かって進んでいると、ある高校生くらいの男の子が、右手の下りのエスカレータに向かって、ダッシュで走って行きます。全力疾走です。

どうしたのかなと思ってその先に目をやると、白杖をもったご年配の方が、下りのエスカレーターから上方に進まれようとされています。

その高校生は、ご年配の方の手を引き、さっと登りのエスカレーターの方にご案内をしています。

30メートルくらい離れた位置に、同じ高校と思われる生徒が30人近くいたでしょうか?

その高校生の行動を目にするや否や、一斉に大きな拍手がわき起こりました。


用が済んで帰宅する際の出来事です。

プラットホームで電車の来るのを待っていると、駅員さんが何やら折りたたみの板のような物を持って立っています。

私は初め、その板が何に使われるのかわかりませんでしたので、密かに注目して見ていました。


そこへ電車がやってきました。

すると電動車いすを利用された方が、電車の中で扉を開くのを待っておられました。

扉が開くと、駅員さんはさっとその折りたたみボードを開き、電車とホームの隙間の段差に設置しました。

電動車いすは、スムーズにホームに移動することができました。

電車の中から、ちゃんと駅に連絡が届くシステムが見事に作動しています。

駅員さん、かっこいいと思いました。

「ありがとうございました。」

車いすを利用していた青年のさわやかな声が、最終近くのプラットホームに響きました。


私は、こういう子どもを育てたいし、こういう社会のシステムが、もっともっと当たり前のように機能する世の中にしていきたいと思いました。

旅先での小さなエピソードです。




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苦手な事に向き合う姿勢

 2009-07-17
1学期も終わりという地域も多いのではないかと思います。 通知票をいただく時期でもあります。

皆様のご家庭では、どんな1学期だったでしょうか?


先日、ある2年生の男の子の、国語の長文読解問題に取り組みました。

実は2週間くらい前にこんなことがあったのです。

私は週に1度、そのお宅に訪問させていただいていますが、指導が終わるといつも6時過ぎになります。

それからご飯を食べて、宿題に向かいます。

スムーズにいくときはよいのですが、そうでないときは、かなり遅い時間になってしまいます。

「そういうことなら、私の指導時間に宿題のサポートをさせていただきましょう」

お父さんとの話し合いで、そういう段取りになりました。

これなら宿題は楽勝だし、あとでゆっくり出来るし、きっとその子も喜ぶだろう、と思ったのは私たちだけでした。

その子は、いつもの私との勉強を楽しみにしていたので、指導の時間に宿題をすることに強烈な拒否反応を示しました。

「宿題なら、後でする・・ いつものすごろくゲーム、楽しみにしていたんだ」

いつも素直なその子が、泣いて激しく抵抗しました。


ただ遊ぶのではなく、楽しい勉強の方が、何倍も子どもの心を引きつける。

それは、私たち大人の感覚をはるかに凌ぐ物です。


海の学校が済んだその日にやってくる子、体調が悪く学校を休んだのに夕方の私の教室には来る子、遊園地で遊ぶよりうちの教室に来たがる子、帰る時間になってもなかなか帰ろうとしない子、ダッシュで教室に駆け込んで来る子、今度はいつ?今度はいつ?と毎日のようにご家族に尋ねる子・・

実は、そんな話、毎週のように聞きます。


やっぱり定番指導は大切だな。

そんな思いをとても強くしました。



そののちに、前の週に読み聞かせておいた国語の長文の読解問題に取り組んだわけです。

2年生ですから、ポイント数は大きいですが、それでもA4用紙10枚以上の長文です。

その時に、泣いて激しく抵抗した後でしたので、今週は聞くだけでいいよ、とわざと問題には取り組ませなかった教材です。

中1週間空いているので、きっと忘れているだろうなあ、と思いながら問題に取り組んでいくと、なんとまあびっくり・・

1週間前に、涙を流した後に、ざざっと読み聞かせた物語の内容を、細部に至るまで鮮やかに思いだしていくではありませんか?

私も、この分野は得意な方ですが、この子と同じ事、やろうたってとても出来ません。

天才的な記憶力だと感じました。


この子、小さいときからおばあちゃんにたくさんの本の読み聞かせをしてもらっています。

おばあちゃんは、司書をされていた方なので、そのあたりのツボは、しっかりと心得ておられます。

1年生の時には、書字に苦労しました。 (細かい部分の平面認知は苦手です)

数理的な処理は、継次処理タイプです。

曖昧な言葉も、どちらかというと苦手なはずです。

しかし、その苦手な部分を克服するが如く、聴覚性入力のメモリーが桁外れに機能しているのです。

幼少期に培ったこの能力、おばあちゃんの深い愛情から賜った大切なこの財産に、是非とも花を咲かせたい、そう願わずにはいられませんでした。

ここの枝葉を広げていくことで、かなりの部分がつながっていくのではないか?

長所活用の魅力と可能性に、またまた心が熱くなるのでした。



調子のいい日には、次々とうれしいことが起こります。

人間とは、こういうものです。


2週間ぶりに、算数のすごろくゲームをしてびっくり!

なんと、駒を動かすときに、一つずつ進めるのではなく、頭の中で、たし算をしながら進めています。

1年生の時から、計算にはほとほと苦労し続けた子どもです。

使用するサイコロには、8面体も12面体もありますから、それはそれはいい勉強です。


これまで1年生の時から、何十回、このすごろくゲームをしてきたことでしょう。

ひたすらこの日が来るのを待ちわびて取り組んできたわけです。

100までの順序数の数唱も、とても正確になりました。


すごろくゲーム、やりたかったわけです。

子どもを信じているということは、こういうことなわけです。

私は、心の底から反省し、とても恥ずかしくなりました。


この子、今は、2桁の繰り下がりの筆算にてこずっていますが、もしもこのモチベーションを何時間か持続できるのでしたら、その日のうちにもマスターできると思いました。 (ただし減々方式ですが・・)

とりあえず答えが出るようになれば、モチベーションは上がるので、後はロールプレイでお買い物ごっこをしながら、位取り記数法の本質を体験を通して徹底的に鍛えます。

この二つを身につけておいてから、数量感覚を伸ばしていく。

きっと数年はかかるでしょうが、ここが身につけば、日常生活に必要な数理的な処理はほとんど可能になると思っています。

その時は出来ていても、通知票でよい評価であっても、卒業証書と引き換えに学校にお返しするむずかしい内容のものではなく、生きていくのに必要な数理的な力をつけるというのが、私とこのご家族とのお約束事です。


それは簡単に言えば、10円玉を見て、それは1円玉10個と等価値であることがわかること。

1円玉10個を10円玉1個と見立てることができること (これが本当に分かれば、小数も分数もも面積も単位も原理はほとんど同じです)

2つのかたまり、3つのかたまりを10円玉と同じように一つの単位として見立てる事が出来ること、この意味や良さが本当にわかれば、、かけ算だって、わり算だって何だって出来ます。 
(3つのかたまり=3の段・3の割り算・・・ )

こういう基礎的な力を、様々な教材を通して身につけているわけです。

テストで100点とったら100%そういう力が身についていて、0点の子はまったく分かっていないかというと、そういうものではないと思います。

小学校の成績は大した事ない子が、中学で急に伸びたり、学校ではぱっとしなかった子が、社会で大活躍したりすることは、日常的なことでもあり、色々な要因があるとは思いますが、そこに当てるものさしが変わったということも一つの要因です。

決してテストや通知票を軽視しているわけではありませんが、それは絶対的なものさしではないことを、私たちはしっかりと認識しておく必要があります。

子どもにとって、学校はオフィシャルな場所であり、その客観的評価の尺度として、一般性をもったテストが使用される意義はあります。

通知票は、まごころこめて日々の教育にお取り組みなった担任の先生からの、心のこもった特別の意味をもつものです。

だからこそ、そこを上手にさばいてやる私たちの理念が問われるのです。

内容が仮に期待にそうものでなくても、決してその子の存在そのものの値打ちが下がるわけではちっともないこと

繰り下がり計算ができるようになったら、もっとステキだよね。あと少しの所だったんだから、こうやればできるんだよ。もう一回挑戦して、先生をびっくりさせてやろう~

こんな感覚が大切ななのだと思います。

1学期が、お子さんにとって意味の深いものになるよう、心から願っています。



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SHINOBU先生 講演会のお知らせ (ブログをご覧いただいている保護者の皆様へ)

 2009-07-16

この度、大阪堺市において、保護者の皆様を対象とした講演会をさせていただくことになりました。

これまでの私の実践にかかわるエピソードをご紹介しながら、お子さんの幸せと成長のために果たすご家族の皆様、地域の方々の役割について、ご一緒に考えさせていただきたいと願っています。

今回は、「のぞみの会」 様の主催となっておりますが、会員の方でなくても、どなただも参加していただけます。


☆ 主催者による要項(ご案内):http://blog.livedoor.jp/nozominokai/

☆ 参加申し込み・お問い合わせ先 nozomi_no_kai@yahoo.co.jp 


演題: 「人とのかかわりのなかで 子どもは育ち そして学ぶ 」 
       ~ 教育・保育のエピソードから見えてくる 地域や家庭の果たす役割 ~
日時:平成21年7月19日(日) 10:00~12:00
場所:ファインプラザ大阪 第2研修室(3階)
    堺市南区城山台5-1-2 電話 072-296-6311 
    http://www.fineplaza.jp/
交通アクセス:http://www.fineplaza.jp/access/index.html
参加費:一般ひとり1000円 ※のぞみの会・会員は無料

この講演会は、大阪府福祉基金地域福祉振興助成金の交付を受けて実施します。




【近況報告】

この場を借りて、近況についてお知らせをさせていただきます。


1 実践事例掲載について

「自閉症児教育の実践研究」 2009年5月号 
特集 「情緒を安定させる」 効果的な指導の実際 明治図書 900円

P8-P9に、私の実践が掲載されています。



2 研究助成証書をいただきました。

平成21年7月10日、岡山プラザホテル 延養の間において、福武教育文化振興財団主催による、平成21度教育関係助成贈呈式に出席しました。

当日は、岡山大学教育学部森川学部長(審査委員長)をはじめ、岡山市教育員会指導課長、岡山県特別支援教育研究会会長、岡山県小学校教育研究会会長、中学校教育研究会会長、公立高等学校教育研究会会長、県教育庁指導科総括副参事、岡山県私学協会会長 、岡山県国公立幼稚園教育研究会会長など、各審査員の先生方が出席されていました。

光栄なことに、私は、「学力・人間力の育成の部」 (36個人・団体) の代表として、副理事長より壇上で助成証書をいただきました。 (↓下の画像)

当日、地元のマスコミがテレビ取材にきており、どうやら私が証書を受け取る場面が、イブニングニュースで紹介されたようです。  それを見た知人が電話で教えてくれました (笑)

15万円の研究助成金をいただきましたので、当然ですが、すべて子どもの指導に役立てることに使わせていただきます。

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感情理解が苦手なタイプの子とのかかわり

 2009-07-14
私の教室に来る子の中には、IQ値は高いけれど、感情を理解することや、正しく言葉を使うことが苦手なタイプのお子さんが何人か通ってきてくれています。

全く悪気はないけれど、時々とんどもない発言をしたりします。

「先生、人間失格よ」

先日、ある子から、そんなことを言われてしまいました。

うれしくて、楽しくて、調子に乗って言ってしまった言葉です。


「あのね、そう言う言葉は、相手の人に伝えちゃいけない言葉なんだよ」

私がそう言うと、その子ははっとしたような顔つきになり、素直に、「ごめんなさい」 と頭を下げました。


別の子のエピソードです。

いつもは2階の教室でその子を待っている私なのですが、その日は、たまたま広場でその子を待つ形になりました。

玄関の門を開け、ちょうどその子が入ってくる姿を見かけました。

するとその子は、玄関から芝生広場を全力で走り、階段を一気に駆け上って私の教室に入ってきました。

この子は中学受験に向けて、毎日ハイレベルな問題に取り組んでいる子です。

私は、問題を一緒に解いたり、アドバイスをしたりはしますが、この子の心を支えるのが仕事です。

何をしたというのではありませんが、特定の教科の苦手感が減り、態度がやけに前向きになってきました。

「こんな教科があるから、ダメなんだ」

いつの間にか、そんなことを言わなくなりました。

明らかに好調モードです。

玄関から走って、私の教室に駆け上がる姿は鮮烈で、目に焼き付いてしまいました。


何か活動をしようとすると、何だかんだあれこれグズグズ言って、なかなかコントロール出来ない子もいました。

その子が先日、ついに私の用意した読解プリントに真剣に取り組みました。

あーだこうだとあまり言わずに、勉強が終わると、自分の得意な工芸作品を見事に仕上げていきます。

「ここでは、勉強じゃなくて、遊びたいの」

と言っていましたが、これを翻訳すると

「ここでは、私にとって、本当に大切なことを見つめていきたい」

ということなのではないかと、私は感じています。


言葉が額面通りでないので、本当に疲れます。

「人間失格」 と言われて、こちらが感情的になって怒ったら、それでもう心は通わなくなるし、かといって、やりすごすこともできない。

でも、そう言う子だからこそ、そのことをしっかりと受け止めているんだな、と感じました。


何だかんだと言いながらこの子たち、案外ここでの時間を大切にしているようです。

それ位、必死で階段を駆け上る姿に、私は強いインパクトを受けました。

何か心の中に、あたたかいものが流れ込んでくるような気持ちになりました。


この先、どんなことがあっても、きちんとした姿勢でこの子たちと向き合っていこう。

そして、どこが絡み合ったかわからないような糸も、心を込めて、ていねいにほぐしていこうと思ったのでありました。




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継次処理タイプの子どもの読解指導のポイント

 2009-07-11
昨日指導した小5の女の子は、私のところに来てくれるようになってもう1年になります。

ブログをご覧になってお申し込みをいただいた第1号のお子さんです。

昨日は海の学校から帰ってきたばかりでしたが、「ここに来ると全然眠くなるなる!」 と、言ってくれます。

「勉強、わかるから楽しいんよ」

と、本当にいつも可愛いこと言ってくれます。

だから私も、指導の工夫にも自然に力が入ります。


昨年は、学校での行動面含めた適応の課題もありました。

私も、何度か学校を訪問させていただき、校長先生・教頭先生・担任の先生・コーディネーターの先生(支援学級の先生)と、相談をさせていただきました。

以前は、毎日のように学校から電話がかかってくる時期もありましたが、今では全くそう言うことがなくなってきました。

「あまりにも何もなくて、びっくりしています。去年までの事は一体何だったのだろう」

お母さんは、そういう内容のことを私に伝えてくださいました。

学校での適応の問題が、その子だけの問題ではなくて、関係性の課題であることがこのことからも分かります。

問題のすり替えがあってはいけません。 まずはここの精査があっての、関係機関との連携です。


この子が入会してくれた当時は、私は3人の子どもの指導を行っていました。

この頃は、毎週図書館に行き、10冊の専門書を借り、教材もすべて手作りのものでした。

今は、市販のプリントを利用させていただいていますが、この頃の経験が、教材選択の大きな力になっていることは間違いありません。

自分で作るとしたら、という視点が明確ですので、そういうも教材に出会うととても儲けた気分になります。 


ご家族の願いは終始一貫、「見せかけではない本物の学力=生きて働く力をつけて欲しい」ということでした。

単調な記憶に頼る学習は、年月が経つと忘れてしまいます。

また、問題がちょっと変わっただけで、まったく歯がたたなくなることもあります。

8+9が17と覚えることと、それを数理的に処理することは、全く別物ではありませんが、全く同じではないわけです。

たとえて言うなら、17と覚えるのではなく、17と数えられる子どもに育てて欲しい、ということでした。


算数の指導でもありとあらゆることを試みてきました。

そして究極は、「あるものを一つの単位として見ることができる力」

つまり 「10」 が一つの単位になるという十進位取り記数法の原理を、体験を通して、多面的に理解させることが重要であるということがわかってきました。

これさえ本当に理解できれば、小数も面積も大きな数も、本質はそんなに変わりませんから。

お買い物ゲームの10年玉のやりとり、実践の場で、ロールプレイの場で、ねらいにそったスモールステップが刻めるかどうか、そしてそれが多面的な理解につながることができるかどうかが、私の大仕事なわけです。

私は手応えを感じています。


昨年の今頃は、音読に大きな抵抗感をもっていました。

逐次読みで、学校で一文ずつ順番に読んでいく、いわゆる 「丸読み」 が、大嫌いだったと聞いています。

今では、そのころがウソのようです。 昨日は、抵抗感も無く、新しい説明文も読めるようになりました。

コミカルな題材を選ぶと、ケラケラ大笑いをしながら、学習に取り組んでいます。

手作り教材をやっていた頃の事がとてもなつかしく思えます。

聴覚メモリーを生かした、二系統同時刺激がおもしろいようにはまった子です。

最近は、自分で読書に親しむこともできるようになりました。



マンツーマンの読解指導をしていて、昨日私にとって大きな気づきがありました。

それは、継次処理の子は、アウトラインをつかませて、だんだんと枠を狭くしていくような迫り方ではなくて、一文一文をきっちり順序立てて精査していくと、面白いように力が発揮委出来る、ということでした。

助詞でも、形容詞でも、一個何かつまずく言葉があれば、どうやらそこで思考が大きく後退してしまうようです。


5年生ですから、結構長文に出会います。

まずは、ざあっと読んでそれから・・、というのがセオリーのようですが、この子にとっては、その長文を読んでいる時間は、それほど意味のある時間になっていない。

その時間があるのなら、一文一文の意味を正確に押さえながら、次の学習の学習に進めさせたい。

こっちの方が、大きな効果があることが分かりました。


それをやって問題に向かわせると、何と自力で次々に問題をクリアしていきます。

以前のように、設問を見て、それからもう一度原文に帰るようにしていたときは、私の支援なくしては出来ないような問題ばかりです。

自力で次々に問題をこなしていくその子の横顔を見ながら、私は小躍りしたくなうような気分になりました。

正直、「もっと早く気がついてあげられなくて、ごめん」 そんな風にも思いました。

でも、もしこれが真実だとすると、打つべき手はいくらでも考えられる!


この日の私は、少し興奮気味でした。

気分はもう、来週の指導にぶっ飛んでいます。

この仕事、これがあるから止められない。

この夏に、彼女がさらに大変身してくれたら、どんなにすばらしいことでしょう。

教育の仕事には、夢があります。

とてもステキな仕事です。



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かれんちゃんの平面認知力の向上

 2009-07-09
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多くの子どもの発達に寄り添う活動をしていると、時として色々な気づきがあります。

もちろん個人的な経験によるもので、科学的に実証されているかどうかわかりません。


「子どの発達にはいろいろな道筋や過程というものがあるけれど、子どもによってそれは同一ではない」

「同じ子どもでも、発達の道順の中では、その時々で得意なルートが変わってくる」

などが、実践を通して感じる私の気づきです。


私は、発達の最近接領域 = つまり今子どもがまさに欲している発達の要求を、スモールステップで提示して、主体的な学びと達成感をもたせることを指導の柱の一つにしています。

パズルにしても、ロールプレイにしても、今その子がどんなルートでそのことにチャレンジしようとしているのかを、色々な予測や観察をして仮説を立てながらアプローチしていくのです。



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かれんちゃんの場合、春の頃と比べると、明らかに平面認知力がアップしました。

ちょっと前は、パズルをやろうともしませんでしたが、今ではアンパンマンパズルを楽しめるようになってきましたし、ピースを投げ飛ばしたりしなくなりました。

それに、投げるそうな場合には、私の方が事前に手を打つこともできるようになってきました。


前回にもお伝えしましたが、かれんちゃんの場合、絵本を題材に、応答コミュニケーションによるやりとりが30分位できるようになりました。


「きりんさん、どこにいるの?」

「これはなあに?」

「でんしゃ」

こんなに楽しい時間はありません。



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指導のあと、かれんママに、かれんちゃんの語彙が豊富になっていることを伝えると、かれんママは絵カードを使うと、かなり発語が上手にできるようになってきたということを教えてくださいました。

私の所では、絵本の入りは抜群でしたが、これまでは絵カードの活動はイマイチでした。

かれんママは、私の教室にある絵カードを使って、かれんちゃんに次々に発語させていきました。


(↓その時に使用したもの)

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このカードは、以前そうたママに教えていただいたPICOTコミュニケーションブックの画像をサービスサイズに焼いてラミネートをかけ、それに 「ひらがな」 を添えた私の手作りカードです。

レプリカ (実物) → 画像 (平面認知=シンボル機能) → ひらがな (文字) へ、認知を移行してくための、私なりのスモールステップを刻んでいます。

ラミネートをかけ、カッターで切れば、自作の文字パズル、映像パズル、切片パズルなど自由自在に作成できます。

「乗り物」 「くだもの」 「食べ物」 「自然」 「動詞」 「形容詞」 などにカテゴライズしておくことで、子どもの理解や予想を容易にします。 混ぜるのも自由自在ですから、これも一つのスモールステップになるのです。 

「みかん」 はいつも 「くだもの」 のボックスに入っていますし、「でんしゃ」 は「乗り物」 のボックスに入っていますので、仲間分けや上位概念の学習にも使えます。

小学生の対義語や類義語の学習にも使えます。


私は、りんごとバナナを使って、絵とひらがなをつなげる教材を作りましたが、りんごだけでそのカードは50枚近くあります。

子どもはこの50枚のカードを使いながら、無理なくひらがなの良さに気づかせようという私の魂胆です。

これも、スモールステップと主体的な学習や達成感という視点から、私の使いやすいように作成しました。

この手作り教材は、以前ボランティアで、あるお母さんに作るのを手伝っていただきました。(その節はお世話になりました。あの時の物、ちゃんと使ってますので・・)

かれんママにも好評で、もっとみんなに使っていただけるように考えませんか? と言ってくださいました



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かれんちゃんが、ひらがなを自由に読めるようになる日も、そう遠くないような気がします。

子どもの成長の可能性は、無限です。

早かろうが遅かろうが、そんなことはどうでもいいのです。

あきらめなければ、夢はかなう。


大切なのは、そこに向かう姿勢なのだと、私は思っているのです。





※ この実践記録は、適切な教育によるダウン症児の成長の可能性を、より多くの方に理解していただきたいというご家族の願いと要請を受け、かれんちゃんの表情なども含め、リアルな指導の様子を公開させていただいております。また、平成21年度、福武教育文化振興財団による研究助成をいただいています。


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これまでメールをくださいました皆様へ (お詫びとお願い)

 2009-07-08

今回は、これまで私のところにメールでご意見やご相談をくださいました皆様に、お詫びとお願いをいたします。

実は、昨日私の使っているノートパソコンがダウンしてしまいました。

教材のデータや指導に関わるデータは完全にバックアップすることができましたが、皆様方からいただいたメール記録のデータが一部消失してしまいました。

(平成21年4月25日~7月7日のメール記録が、完全に消失してしまいました。)


これまでにお寄せくださったご意見・ご相談の内容はすべて整理して保存をしておりました。一部ではありますが、皆様の貴重なデータを失ってしまったことを心よりお詫びいたします。

出張指導のお申し込みをいただき、空きをお待ちくださっていた方などへの連絡ができなくなってしまっております。

教室にお越しくださっている皆様、出張相談でお世話になっている皆様との、貴重なメール記録も消失してしまいました。

もし、皆様方でその期間のメールでの送受信記録が一部でも残っておりましたら、ご連絡いただけないでしょうか? 送信先 shinobu@mopera.net


パソコンそのものは、昨日リカバリー (パソコンを出荷状態のまっさらに戻すこと) をかけ、指導にかかわるすべてのソフトを再インストールしましたので、子どもたちの指導への影響はありません。

ブログに関わるデータにも影響ありません。

リカバリー後は、パソコンは快調に動いています。 今後益々の指導の充実と、子どもたちの幸せにつながる積極的な情報発信に努めて参りたいと思います。

 

ここ何日かは、私のパソコン、日に10回以上フリーズをしていました。メールデータの一部を消失したのは、私が不注意でメールデータのバックアップの確認を怠ったからです。本当申し訳ありません。

今後、二度とこのようなことが起こらないよう、十分なデータ管理 (バックアップ) に留意いたします。

私の不注意で迷惑をおかけしたしております。 大変なお手数をおかけいたしますが、ご協力よろしくお願いします。 <(_ _)>

通常学級で学ぶ魅力と可能性

 2009-07-06
先日、支援学級で学ぶ、ある男の子のお母さんから、以下のような内容のメールをいただきました。

いつもお子さんに寄り添い、考え、さまざまな工夫や努力を重ねてこられたお母さん。

私は、たとえわずかであっても、主体者であるこのお母さんに寄り添い、一緒に歩いていきたいと考えていました。





7月に入り 一学期のまとめの時期になりました。

4月から交流に入った社会 理科でも まとめのプリントやテストをしました。

たった一枚のプリントですが 学習した内容を一生懸命に思い出して 答えをかいた様子がみえます。

答えが間違っていても 全然的外れな答えはないんですよ。

なにより 空欄がないことが素晴らしい!

わからなくても何か言葉を書いてます。

いくつかの言葉のなかから答えを選択する問題では 漢字が読めない言葉もあったようですが 頑張って漢字をかいたりしていました。



一度あきらめて降りた階段をまた昇らせることは 親としてかなり勇気の必要なことでした。

しかし 子どもは今、みんなの背中を追おうとしています。その姿たとてもたくましく感じます。

4月に勇気をだして 交流を増やしたこと 当初は悩みましたが 頑張ってボランティアがつくようになり 学習したノートやプリントを見ると 涙のでる思いです。

その子なりの花が咲いた瞬間ですね


その時 その時 私の背中を押してくださったSHINOBU先生には本当に感謝しています。

プリントやテストを見ていて思うことは、『問題を解く』ということに慣れていないことです

現在、先生の教室では国語の文章読解の問題がありますが、学校では全くこの領域の学習をしていないので、今後もぜひ続けていただきたいこと、算数の方でも学校ではひたすら計算の状態なので、今後中学校に向けて触れておいた方が良い算数の学習などを先生の教室で取り入れてもらえると助かります。

できる場所で、できる経験をしていこうと考え方をかえてみました。

明日 プリントやノートを持たせます。

見た瞬間 彼の頑張りが伝わってくると思います。

SHINOBU先生が感じた言葉を彼にかけていただけると 喜ぶと思います。

では 明日よろしくお願いします。





その子、以前は、少し自信なさそうな表情でいることもありましたが、明らかに感じが変わってきました。

うれしそうにノートを見せてくれるその表情から、交流級で学ぶことができるようになった理科や社会に、自信と手応えを感じることができるようになってきたことが伝わってきます。


指導が終わったあと、あるいはメールで、私たちはその子の学び、あるいは育ちについての情報交換をします。

そこではいつも、私たちは、「対等な関係」 でいたいと願っています。

このお母さんは、いつも謙虚な言い方をされますが、主体者としての親の意識を、片時もはずしてしまうことは、ありません。

そんなお母さんから、そしてこの子の育ちから、私は多くのことを学ばせていただきました。


今回のケースから私が学び、思いを一層強くした事柄は、やはり 「学校は、支援級と言えども、集団で学ぶところ」 「学校の中に、その子の大切なポジションがしっかり存在すること」 「支援級と交流級に内容的な連携があり、支援級では専門性を生かしたコアな力の育成に内容を焦点化すべき」 ということでした。


先日、あるお母さんが、「交流級に行っても、受け入れられている感じも、あたたかみも感じられない」 と、肩を落とされていました。

交流級の廊下に、我が子の作品が何もない、名簿やロッカーの一番下に付け足しのように書かれた名前、 時にはその名前すら、忘れられていることも・・・

それでいて、支援級では、いつも変わらない単調なプリント学習や、アニメのビデオ・・・

親がどんな思いで、支援級を選択したのか、感じ取る感性は残っているのでしょうか?

まだ、「分けること=特殊教育」 みたいな感覚のまま、現場におられる先生も何人もいるようです。


学校教育の最大の専門性は、集団の中で育てるオフィシャルな教育機関、ということです。

その集団の中でこそ、子どもは育つのです。

人間は、そういう風に出来ているのです。

この専門性は、他で補完することは、極めてむずかしいと考えます。

集団の中に居場所がないのだったら、それは首のない人形と同じです。


そこがあってこそ、認知特性や個々のパーソナリティーに即した、高度な専門性を生かした教育の効果があるわけです。

このポイントさえ押さえれば、通級指導も交流も取り出し指導もうまくいきますが、ただ籍や席があっても、血の通っていないところでは、期待するものは乏しいと言わざるを得ません。

たとえ交流であっても、「あなたは、大切なメンバーの一員」 そういう意識が、何より大切なことであり、そこに教育の大きな魅力と可能性が存在するのです。

一人じゃできないことも、みんなとならがんばれる。

これが、教育のダイナミズムであり、そうやって人は育っていくのです。


こうした学校の専門性が発揮され、それぞれの専門スキルをもった専門家と内容連携を組み立てていく。

これが、目指すところではないでしょうか?


私のやっていること、私の専門性は、ほんのすみっこの小さな内容です。

学校と同じ事をしようなんて、考えたこともありません。

ご迷惑にならないように、隅っこでごそごぞやらせていただきたいと願っています。

それでも、私は今の仕事が一番好きですし、生まれ変わってもこの仕事をしたいと思っています。

それは、もしかしたら、私にも、子どもの成長と幸せのために、何か出来ることがあるかも知れないと感じているからです。


子どもだって、誰かのために、何かができると思わなければ、真のやる気は起こりません。

私が、集団にこだわる大きな理由の一つがそこにあります。

これは、真実です。

それは誰であろうと、何であろうと、同じ事だと信じています。




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表出言語の爆発モード

 2009-07-02
うちの保育園を卒園し、今年から小学1年生になった男の子。

ただ今、表出言語の爆発モードに突入したと思われます。

私の指導場面でも、「せんせい」 とはっきりと要求できるようになっただけでなく、「もう1回」 「おしまい」 など、ちゃんと正しい要求言語 (いわゆるデマンディング) が使えるようになってきました。

指示にもちゃんと従うようになったので、強化もたっぷりできる、プラスの連鎖に変わってきました。

目を離したすきに、思いがけない行動がおこるということは、ほとんどなくなってきました。

今日は、料理人になってもらい、立体のくだものや野菜を切っていただきましたが、とても楽しい応答コミュニケーションで、彼も私も、満足感でいっぱいでした。


言語発達には、種をまき、水を与えて見守る時期と、みるみるそれが花を咲かせていく時期との2通りがあるようです。


指導者の中にも、ひたすら畑を耕し続けるような教育をする方がいます。

大きく育てるために、満足するまで、とことん感覚遊びをさせるような先生です。

物事の本質を見据えた、骨太の先生がこのタイプです。


また、伸びてきた草花に、見事に花を咲かせ実を付けるのが得意な先生もいます。

たとえば、発表会などの構成や演出を工夫して、子どものやる気や意欲、そしてパフォーマンスとしての完成度と、子どもの達成感を高めるのが上手なタイプの先生です。

小学校の高学年で、こうした先生と出会い、見違えるように変身した子どもを知っています。

どちらのタイプの先生も、ステキだと思います。

どちらの内容も、子どもの成長には大切です。

いろいろな先生との出会いの重なりが、子どもの成長に厚みをもたらします。


言語にかかわる指導にあっても、多面的な軸は必要だと思うのです。

教育と家庭、そして専門的な指導との内容面での連携の中身。

つなぐということは、シフトをどこかに移すことではなく、内容の精査がきちんとでき、相互の機能が複雑に絡み合って厚みを増していくことだと思うのです。


その組み合わせは、百万通り。

こうでなければならないということではないと思います。

それぞれのクオリティーを、少しずつでも高めていきませんか。


私は、しっかりと畑を耕す作業が大好きです。

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