苦しい時間の中から得たこと
2018-01-30

先週、私が大学で担当させていただいている後期の授業が終了し、先ほどその成績を確定しました。
この大学は、私の職場から10分で行けるという至近の距離にあります。
学園では私の母も娘も友人もお世話になり、同じ学部には大学院でお世話になった先輩、幼なじみの後輩、それから教職支援室には教育委員会で大変お世話になった先生がご勤務されており、そのご縁の深さに感謝の気持ちでいっぱいです。
私が担当させていただいているのは、前・後期とも月曜日の2限なのですが、土日のほとんどは大阪におり、慣れない仕事ということもあり、毎週準備などに追いまくられた日々が続いていました。
後期の授業は1年の学生さんが対象でしたから、発達や支援に関わることについては、ほとんど何も知らない学生さんも何人かいました。
しかし、その学習態度は前向きで、私の話に何度もうんうんとうなずいて聞いて聞いてくれる学生さんが多くいました。
授業後の感想を見ても、「将来は専門性を生かして、子どもたちのために自分のできることをしていきたい」と、力強いコメントがいくつもありました。
今は、一定の責任を果たせたことに、安堵の気持ちがいっぱいです。
新しい事業所の開設、保育園園長の就任、大学での講師、
この1年本当に苦しかったけど、引き受けて良かった。
もうすぐ節分、
新しい春を目の前に、新年度からさらに豊かなスタートができる基盤を作っていきたい、
心からそう願っているのです。

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子どもの学び
2018-01-29

私は、いつも子どもに勉強を教える先生です。
勉強を間に置かなければ、子どもとの関係は成立しません。
勉強は、子どもとの心をつなぐ最も大切なものであると考えていますし、真剣に勉強に取り組まない所からは、何も生まれないと考えています。
しかし勉強は、その最も大切な手段ではありますが、目的そのものではありません。
私にとってのその目的は、勉強を通して子どもが自分に対するプラスの気持ちを培い、自分が他者から必要とされているかけがえのない存在であることを知り、社会の中で自立し、誰かのために貢献できる存在に育て上げることに他なりません。
たとえその役割はどんなに小さくとも、必ずどの子にも、その子にしかできない生きていく大切な意味があるのです。
私のレッスンは、子どもの特性に合わせた豊かな支援で、一歩でも半歩でも、高いレベルの教材へとチャレンジしていく営みです。
できないとただ手をこまねいているのではなく、そうすれば出来るのかを考え工夫して、子どもと一緒にチェレンジしていくプロセスです。
「さあ、この問題はむずかしいぞ~」
私がそう言うと、いつも子どもはとってもうれしそうな顔をします。
学びの場の主人公でいられることに、誇りと喜びを感じているのです。
勉強しなくて良いと言うことは、子どもに死ねと言うのと同じことだと、私は思っています。
みんな伸びたい、分かりたい、成長したいのです。
学びに方向感が生まれると、必ず子どもの表情は和らぎ、行動は改善されます。
全ての子に、その子のあった豊かな学びの場を、
何年経とうが、私の向かう先には、何のブレも生じないのです。

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感じる言葉
2018-01-26

言葉の豊かさとコミュニケートとの相関は、とても高いものがあります。
しかし、表出言語の豊かさが、コミュニケートの豊かさと同じかと言えば、それは違います。
あまり言語表出がみられない子とは、表情であったり、態度であったり、視線であったり、いわゆるノンバーバルな形でのコミュニケートを図ることになります。
そのコミュニケートを深めていくためには、共有する何かが必要です。
私は教育者ですから、子どもと共有するのは、成長への方向性です。
子どもの成長を意図的・計画的に構成するのが、教育者の仕事です。
その方向感無くして、子どもとの豊かなコミュニケートは構成できません。
方向感が明確になれば、そこに共通の具体目標が生まれてきます。
その具体目標を実現するための、教材がそこに必要となっています。
この生きた教材こそが、私と子どもの心をつなぐ架け橋となります。
ほんの何ヶ月か前に、着席したり、集中して活動に取り組むことが苦手だったこの子は、今では私のレッスンの中でも、もっとも生き生きと充実した時間を過ごす子の一人へと成長しました。
言語を介さなくても、気持ちや意図は、この子にはしっかりと伝わっているし、この子の思いや願いは、今では手に取るが如く感じることができます。
まさに言語を介さない分、ダイレクトに子どもの心とつながっている感じです。
この子とは、言葉なんていらない、
そんなふうに思っていたら、このところ言語表出が顕著に見られるようになってきました。
コミュニケートが豊かになることによって、広がる言語、
この子も私の大切な宝物となりました。

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人の心を映す鏡
2018-01-25


個別指導室のモニター録画が、安定して作動するようになりました。
設置当初は録画できても、再生できないことが何度かありましたが、やっとその原因がわかり、録画用カメラ2台、保護者向けモニター用パソコンの新規購入という贅沢な環境が整い、本日から本格稼働となりました。
そのモニター録画の一部を、早速プレゼンで使おうと考えました。
どうせなら良いところを撮りたいと思うのは人情ですが、いざ撮り始めると、その子にいつも通りの弾むような笑顔が見られない、
私の意識が、録画の方にあることを、すっかりその子に見透かされた感じです。
ちっとも生きたレッスンにはなりません。
数日後、またその子のレッスンがありました。
もちろん、カメラは作動させているのですが、録画のためのこの子を使おうとするのではなく、いつも通り、この子が求めている成長の欲求を満たすことだけを考えてレッスンをすることに決めました。
失敗してもそのまま録画しよう、
注意すべきことがあるなら、録画であろうが何であろうが、きとんとそのことを叱ろう、
ありのままのその姿を記録していくことが大切なのであって、レッスン録画を何かに利用してやろうなんて魂胆は、まるっきり本末転倒であることを思い知りました。
もちろん、そんな気持ちの変化を、直接子どもに伝えたわけではありません、
しかし恐ろしいものですね、
カメラには、前の週と比べると、格段に生き生きとした表情が残されていたのでした。
似て非なること、
子どもの成長や幸せを一義に考えてすることと、そのことを何かに利用しようとすることの間には、天と地との差が生まれる、
子どもはその自らの心を映す鏡、
決してごまかしは効かないと、改めて感じた一コマとなりました。

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一期一会
2018-01-23

大阪に初めてレッスンに伺ったのは、2009年4月の事です。
1日にレッスンができる人数の限界もあって、8名の子どもたちでスタートしました。
多いときは月3日伺った時期もありました。
堺市の会場をお借りした時期もあり、重い荷物を抱え、岡山に帰ると11時を過ぎることが何日もありました。
それでも、これまでこれをやめようと思ったことは一度も無く、数年前からは新大阪に常設の教室を開き、今では月三回・月6日のレッスンをレギュラーでさせていただけるようになりました。
あれからかれこれ10年近くにもなりますが、回数の差はあれど、そのうち7名が、今でも続けて私のレッスンを受けてくれています。
大阪の教室に行くと、その日にレッスンを受けてくれる子の名前を、小さなメモ用紙に書いて予定を確認しています。
最初は、何々君で、次は誰々ちゃん・・・・
その名前を見る度に、私は楽しみで仕方がない、
とても、おだやかで豊かな気持ちがこみ上げてくるのです。
ある女の子が、先月くらいから突然、文章を自分で読んでくれるようになりました。
10年近くレッスンを続けて来て、ある日突然こんな日やってくるのです。
私の喜びも、感動も普通ではありません。
もちろんこれは、私の手柄でも何でもありません。
ただ私は、これまで何年もそこを目指して取り組みを続けて来た、
そのことだけが、とても誇らしくもうれしく思えるのです。
岡山の発達支援センターが落成したときは、代表者の方が、わざわざ岡山にお祝いに来てくださいました。
私の最も大切にしていることの一つは、きっとここにある。
私の年齢や環境のこともあり、いつまでこの大阪に通うことができるかわからない、
だからこそ、その1回1回を、これからも大切に取り組んでいきたい。
私のレッスンは、いつも一期一会、
それはどこであろうが、誰であろうがみんな同じ、
私はいつもそう思っているのです。

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実践記録の積み上げ
2018-01-16

インクルーシブ教室白ゆりに設置したカメラのテストが最終段階に入りました。
当初、1台のカメラで記録とモニターの両方を行う予定でしたが、そうすると録画したファイルがうまく開けないという不具合が見つかりました。
なので、結局個別指導室には2台のカメラを設置して、それぞれのカメラを無線LANで接続し、一方は記録用、そしてもう一方は保護者の方向けのモニターとして使用することに決めました。
個別指導室に2台のカメラですから、ぜいたくと言えばぜいたくです。
それでもこれは私の夢でしたから、その判断に微塵の迷いもありませんでした。
小学生以上の子なら、学習プリントでも、ある程度成長の経過を残すことができます。
しかし、言葉が出始めたとか、コミュニケートができはじめたとか、表情が豊かになったとか、小さいの子の貴重な成長は、音声や映像でしっかりと残していきたいと考えていました。
毎回欠かさずそのレッスン記録を、3年5年と積み上げることは、どんなに貴重で意義深いことでしょう。
あと5年、いやできれば10年、ここで実践記録を積み上げていきたい、
私の夢と目標は、ここにきてますます広がっていくのです。

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つながり
2018-01-14

日曜日の大阪は、一人の欠席もなく、朝9時から夕方の6時まで、9人連続のレッスンをさせていただくことが出来ました。
さすがに大阪の地でのレッスンですので、2月にあるダウン症療育研究会のプログラムを机の上に置いていると、私は篠原先生にお世話になった、この子は玉井先生にみてもらったと、そのつながりの深さを実感させていただきました。
そして、その枠の中に私が加えていただいていることを、とても恐れ多くも光栄なことだと感じていました。
この10年、私は仕事ばかりに打ち込んでていて、近所付き合いも、友達付き合いも、まったく疎遠な状況です。
でも、そんな私にも、兄と慕う大切な先輩がいます。
土曜日の朝、ちょうど新幹線に乗るタイミングで、石田純一さんとの食事会に誘われました。
翌日が石田さんの誕生日だということもあるし、こうまでして誘ってくださるのは、普通ではないと判断しておじゃまさせていただくことにしました。
土曜日はレッスンに若干の空きがありましたから、その時間に必死で翌日の9人分の教材を作り上げ、夕方7時に岡山にとんぼ返り。
食事をいただき、先輩と石田さんにご挨拶をしたあとに、最終の新幹線に乗って、もう一度大阪の教室に帰りました。
荷物はありませんでしたが、ぎっくり腰の最中でしたので、移動の途はとても苦しい状況でした。
私はただ、自分のしたいことを、いつも自由にしているだけだし、もはやこのスタイルは誰にも止められない、
だからこそ、理解者なくして、自分の今がないことは重々身にしみているのです。
日曜日の9連続レッスン、
やりきった感満載です、
そして、このことはきっと次につながる、
私にはこれしかありませんからね、
こんな私でも必要としてくだることが、そもそもあり得ないことだと感謝しています。
こんなつながりは、ずっと大切にしていきたいと願っているのです。

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ギックリ腰
2018-01-13

昨日から、ギックリ腰になりました。
正月ずっとパソコンの前から動かなかったせいか、このところの寒波せいか、腰が折れ曲がったままの姿勢で移動するしかありません。
6~7年前にやって以来、ずっと気をつけていたのですが、同じ腰でも、今回はいつもの違う場所にかみついた感じです。
それも今日から大阪レッスンです。
たくさんのご予約をいただいており、休むわけにはいきません。
何年か前には、新大阪駅で動けなくなり、当日のレッスンをすべてキャンセルした苦い経験があります。
しかし、今ははってでも教室に向かいます。
万全の体調でないのは、申し訳ないことです。
だからこそその分は、しっかりとていねいに、レッスンをやり遂げたい。
これくらいのことで休むなら、最初から予約を受けたりはしません。
私も強くなりました。

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荒地を耕し蒔く種に 肥を施す者となりたい
2018-01-12

これまで、レッスンを始めた頃には、なかなかこちらの思い通りにならず、苦労した子が何人もいます。
しかし、苦労した度合いが強ければ強いほど、その後のつながりはより強いものとなっていきます。
特性理解、発達レベル、環境構成、題材提示、・・・・
きっとそれらのどこかに原因があり、ていねいにそのことを紡いでいけば、いつかは必ず改善されていく時期が来ると信じて、チャレンジを積み重ねていきます。
私は生涯、実践者として生きていくと決めています。
しかし実践者としてのこれだけの整った環境は、決して私一人で出来たものではありません。
管理の仕事を一人前に成し遂げたご褒美として、思う存分実践や研究に取り組ませてもらう。
それが私の仕事のスタイルです。
実践者としての限界を感じたら、管理の仕事もやめ、教育の世界から引退すると決めています。
教育の世界から引退したら、犬を飼い、どこかで本を読んで暮らすと決めています。
他には、何もいらないのです。
花が咲き 実のなる場所に立つよりも
荒地を耕し蒔く種に 肥を施す者となりたい
今日来る車の中で、そんな言葉が思い浮かんできました。
これこそが、教育者としての私の誇りであり、生き甲斐
そんなふうに生きていられる今が、何よりの幸せに思っているのです。

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始動
2018-01-10

昨年末からたまりにたまった仕事があり、この年末年始は、パソコンの前から一歩も動かない日が続いていました。
おそらくは、人生の中で最も仕事に集中したお正月であったと思います。
2月にあるプレゼンの準備も、9割方整いました。
確定申告の準備も、現時点でできることはやりきりました。
指導監査の後始末も、何とかメドのつく地点まで到達しました。
さすがに正月にここまで仕事をやりきると、様々なプレッシャーや閉塞感がかなり軽減されてきました。
そのせいもあってかなかってか、以前よりもレッスンの時に手応えを感じる場面が増えてきました。
年賀状を見ていると、小学生の時、国連の職員になりたいと行っていた女の子が、今、東京外国語大学で学んでいると書かれていました。
勉強が終わったあとで、スポンジボブの動画を見ていた頃が、とてもなつかしく感じました。
他にも、私の所を卒業した子が、中学・高校・専門学校で、それぞれにがんばっているという便りが、たくさん届いていました。
毎年ながら、初詣も紅白も何もない、これが私のお正月、
私にとってのこれが、幸せ、
すべては、子どもたちの笑顔のために、
また1年、闘いの日々が、もう始まっているのです。

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理で動くこと 情で動くこと
2017-12-30

↑ しあわせをあなたに いとうみゆう
私は何事につけ、理で動き、言語で自分をコントロールするタイプです。
こうして10年近く、月に10本ブログを書き続けたのも、自分の歩みを言語化して確かめることをとても重要に考えているからです。
私が今教えている子の中には、まだ言語表出がみられない子が何人もいます。
では、その子とコミュニケートが出来ないかというと、それは全く逆です。
言語を媒介としないコミュニケートは、ダイレクトに心と心がふれ合いますから、教材を通して、何とも言えない一体感と信頼感がそこに生まれます。
この1年は、この何年かと違う新しい取り組みにいくつもチャレンジしてきました。
「人は理で動くのではなく、情で動く」
これがこの1年間で、私が学んだ最も大切なことがらです。
人の真実は、言葉や数字で表れないところにこそ宿る、
人のやる気も、理では決して動かない。
他では決して代えることの出来ないあなたの命の輝き、
言葉にはならない大切なことは、あなたの瞳の奥に、いつもしっかりと映っているのです。

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反省
2017-12-28

先週から首のつけ根の脂肪のこぶが化膿し始め、どうしてもがまん出来なくなったので、火曜日に病院でその部分を切って膿を出してもらいました。
月曜日は、大学での講義、給料日、職員会議などが重なり、病院に行きたくても行く時間が取れませんでした。
何とか穴を空けずに乗り切ることが出来たものの、ベストでない体調での取組は、子どもたちにも、学生さんにも、職員にも申し訳ない思いでいっぱいになりました。
メスは入れましたが、その傷はわずか1センチほどで、痛みは麻酔が切れてもさほどではありませんでした。
それよりも、化膿による痛みはほとんどなくなり、普通に眠ることができるようになりました。
振り返ってみれば、平成29年度には、発達支援センターに新しい管理者を据え、インクルーシブ教室を立ち上げ、小規模保育園の園長に就任し、就実大学での授業も開始しました。
自らが企画推進した事業の中に、依頼された仕事がいくつも重なってきたという状況でした。
土日のほとんどは、大阪でのレッスンを行い、その中に二つの事業所の指導監査があり、来年2月にはダウン症療育研究会の教育講演という大役を頂戴しています。
正月にはずっと部屋に缶詰で、ただひたすらたまっている仕事を一つ一つ片づけていくしかありません。
元々力のない自分なんだから、人の2~3倍やらなければ、まともなことは何もできない。
でもその中で、引き受けたレッスンだけは、体調などの理由でキャンセルすることがなかったのが、何よりの誇りです。
しかしながら、仕事の量と質のバランス、さすがに少し調整する必要な時期になってきました。
私ももう59歳、自分の体力とも相談しながら、身の丈に合った生き方について考える必要もありそうです。

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支援者冥利
2017-12-23

内容についての理解はしっかりしているのに、話したり書いたりすることが苦手で、なかなかうまく表現できないタイプの子がいます。
その様子だけ見ていると、とてもわかっているようには見えないけれど、予想以上に理解力があったりする場合もあります。
上の画像は、先週のレッスンである男の子と一緒に学習した生活文のプリントです。
解答欄には、「クリスマスかい」 としっかりとした文字が書いてあります。
ほん1ヶ月位前は、その枠から大きくはみ出した、2~3倍くらいの大きさの文字を殴り書きしたような状況でした。
言語でのアウトプットも、決して明瞭ではありませんでしたから、そのときはとても学習がかみ合っているとは思えませんでした
しかし、そのアウトプットと比べて、インプットの理解力の優秀さに気がついた時の衝撃ははかりしれません。
こんなにも豊かな判断したり、考えたりできるんだと、胸が熱くなるような思いでいっぱいになりました。
ならばということで、文字が枠からはみ出そうが、ゆっくりと丁寧に書くことが出来にくかろうが、どんどんと問題量をこなしていくことに決めました。
それはアウトプットにこだわらず、理解力・思考力を伸ばしていこうと考えただけでなく、書字やコミュニケートにかかわる絶対的な経験値そのものを積み上げていくことが重要だと考えたからです。
おそらくは、2年も続ければきっと改善するのではないかと思っていました。
まさかこんなにも早く、目に見える効果が表れようとは思ってもみないことでした。
レッスンを始める間は、学習席につけるかどうかも器具されていた彼は、今では時間いっぱい誰にも負けない集中力で問題に取り組むようになりました。
あまり言葉で多く語らない子ほど、通じ合ったときの気持ちは、さらに深い。
この子はもう、私の実践にとって、なくてはならない子の一人となったのです。

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続々と届く合格通知
2017-12-20

この1週間のうちに、3人の子の合格のお知らせをいただきました。
そのうち2名は私立の中学校へ、もう1名は高校への進学が内定したことになります。
それぞれの子には、それぞれに苦しい時期がありました。
それだけに、ご家族の喜びはいかばかりかと、熱い気持ちで胸がいっぱいになりました。
「先生に出会って、初めてこの子は勉強が楽しいと言ってくれました」
そのうちの一人のお母さんは、そんな言葉をLINEに添えてくださいました。
もちろん、合格通知はゴールではなく、新たなステージの幕開けとなるものです。
そこにはきっと、苦しいことさえいくつも待ち受けていることでしょう。
しかし、こうした晴れやかな気持ちで新しい晴を迎えることの出来ることを、何ともうれしく感慨深いものに思えてならないのです。
子どもは学びを通してこそ、自分に対するプラスの気持ちが育ち、そのことをもってこそアイデンティティが確立し、自分の生きる意味を知り、社会の中でその子らしさを生かして自己実現していけるのです。
これからもずっと、すべての子どもに、公平に、豊かな学びの機会を提供していきたい。
私のやっていることは、きっとほんのささやかなことにしか過ぎないのです。
それでも私のこの足は、ずっとずっとこの道を選び続けるのだと感じているのです。

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人の心を動かしていくもの
2017-12-19

月曜日の朝は、大学で学ぶ学生さんたちと一緒に、「障がい児保育Ⅰ」の学習を進めています。
後期の学習も昨日が13回目で、あと二コマを残すのみとなりました。
昨日は、「ダウン症の理解と支援」 という内容の学習でした。
1年生の学生さんたちですから、まず基礎的な知識についてしっかりと身につけてもらいたいと考えていました。
いい加減なことは伝えられないので、テキストに書いてある内容について、自分自身でしっかり裏をとったものを学生さんに紹介していきました。
このことが自分自身の実践をより確かなものにしていくための大切な時間になっていることを、ずっと感じていました。
月曜日の朝と言うこともあり、当初は眠そうにしていたり、集中度に欠ける学生さんもいましたが、この頃は私の伝える一言一句を食い入るように受け止めてくれる学生さんが増えてきました。
その度に、あーこの子たちは、何年か前の私と同じ目の色をしているなと思いました。
小学校の教員時代、駆け出しの頃からずっと障害児学級の担任をしたいと思っていましたが、当時の私はまだ特殊教育の免許を取得していないこともあって、ずっとその夢は叶いませんでした。
まずは、学級担任として一人前のクラス作りができるようになったら、特別支援の道に進むというのが、いつしか教員として自分が進んでいく道であると確信していました。
学校で一番力のある先生を、支援学級の担任に据える、
当時6年生の学年主任をしていた私を、当時の校長先生は翌年、特別支援学級の担任にしてくださいました。
今の私があるとすれば、原点はまちがちなくこの時にありました。
保育者・教育者として、自分を必要としてくれる子どもたちの学びと育ちに、しっかりと寄与できる力を付けていきたい。
私は彼女たちの瞳の奥に輝く思いの源泉が、きっとそこにあると考えています。
私がそうであったように、指導者を変えていく力は、いつも子どもたちの出会いから始まる、
あなたが今ここにいるからこそ、教育者としての自分が自分でいられる、
保育者として、未来の子どもの学びと育ちを支えるであろうこの学生さんたちに、実践を通して得た育ての真実を、わずかであっても伝え続けたい、
あれほど負担感の多い月曜日でしたが、何だか今ではこの時間がとても楽しみになってきました。
この仕事を引き受けて、本当に良かったと思っています。

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夢
2017-12-17

岡山市北区伊福町にあるインクルーシブ教室白ゆりの個別指導教室は、縦横それぞれ3Mほどの小さな教室です。
しかしながら手の届くところにありとあらゆる教材を整理して配置し、今の私にとっては最もレッスンの行いやすい環境の一つとなりました。
先日、業者にお願いして、レッスン様子を動画で記録し、リアルタイムに控室でお待ちのご家族に見ていただけるモニターカメラを設置しました。
この日、早速試運転で機器の操作を行ってみました。
少し上にカメラを設置しましたので、机上のパズルやプリントなどの教材も、俯瞰してみることが出来ます。
データはかなり容量の大きい専用の記録媒体に保存できるようになっており、オン・オフやカメラの角度も手元で操作することができます。
パソコンさえあれば、レッスンをしている私自身も同時にその様子をモニターすることが出来ますし、音声もかなりクリアに録音されていました。
もちろんデータはパソコンから取り出すことができますし、研究用のデータとしては比類無く貴重なもの安定的に保存することができます。
音響専門の業者に依頼すれば、相当の費用がかかると思えますが、長いお付き合いということもあって、今回は家庭用と変わらない破格の設置費でこの環境を作ることができました。
まさに実践者としては、これ以上のない環境が整ってきました。
カメラを構えたとたんに消えてしまう、あの弾むような子どもの笑顔を、日常的に保護者の方と共有したい。
最終的なこの環境は、遅くとも1月中にはきちんと整備できるはずです、
私の夢が、また一つここに実現したのです。

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再始動
2017-12-16

一昨日、小規模保育園の指導監査が終了しました。
その前の週には、インクルーシブ教室の実地指導があり、この2週間はこのふたつの指導監査のために、私が直接もっているレッスンを他の先生に任せるなどして、てんてこ舞いの日々が続いていました。
小規模保育園の監査は、日程調整などして事前に日にちがわかっていましたが、インクルーシブ教室の監査は事前予告なしでいきなり通知が来ました。
家内の入院など、家庭的なこともこの時期にいくつか重なっており、その通知書を見た瞬間、さすがに目がクラクラしてしましました。
ただ、どうやっても逃げることはできないわけで、ただただそこに向けて準備をするしかないと、開き直るしかありませんでした。
終わってみればの話ですが、どちらの指導監査も小さな点ではいくつかのご指導をいただきましたが、運営管理は適正で、教育・保育の内容自体はきちんと評価していただけたと思っています。
私の歴史の中で、ここまでいくつかのことが同時に重なったことはありません。
時間的にも、体力的にも、メンタル的にも、余裕のない私ですから、きついのは相当きつかったんだと思います。
この期間、監査が終わったら、どんなに気が晴れるだろうと、ずっと考えてきましたが、実際に終わってみると、ある意味空白の期間に後回しにしてきた山積みの仕事が気になって仕方がありません。
ほっとしたのは、ほんの3時間くらいでしたか、
今日からまた全力投球、
為すべきことのある自分は、きっと幸せなのに違いありませんから。

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リーダーの存在
2017-11-29

教育の実践者としては、私は35年以上の経験がありますが、こと管理者となるとまだ10年にも満たない経験しかありませんし、保育園の園長としてはまだ1年の経験しかありません。
逆に家内は、30歳から保育園園長となり、もう20年以上園長としての経験・実績があります。
私は園長でありながら、実践者であるということが、ウリでもあのですが、そのことがウイークポイントでもあるのです。
これまで何気なく見ていた家内の動きで、自分が同じ立場になって初めてなるほどな、とその異議が明確になったことがたくさんあります。
それは、職員の意識を高め、リーダーとして方向感を醸し出すということです。
先日から試しにと思って実行してみると、効果は抜群のものがあります。
責任者としての私がそこにいて、職員にかける小さな言葉がけの中にこそ、大きな教育の真実が宿るものだと分かってきました。
何気ない日常のささいな会話の中にこそ、お題目ではない子ども理解のエキスが詰まっていることを知りました。
私が本当はどこに体を向けているかは、職員会議の訓話や、難しい理論の中からは、決して伝わらないものだと分かりました。
職員の輪の中にいると、これまで見えなかったことが、次から次へと見えてきます。
私には家内と同じ事はできません。
だからこそ、自分らしさを生かして、そのことを取り込んでいこうと思っています。
私らしいリーダーの役割、
また新たなチャレンジがそこから始まります。

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出会い
2017-11-26

このブログを書くようになってから、私はたくさんの子どもたちとの出会いがありました。
大阪に行くようになったのも、京都に行くようになったのも、岡山にたくさんの子どもたちが通ってくれるようになったのも、その元をたどればみんなこのブログがきっかけです。
先日から、大阪の教室に何人かの子が新たに通ってくれるようになりました。
どの子もそれぞれに魅力ある、すてきな子どもたちです。
写真の男の子もその一人です。
来週の就学を控え、私の教室で、この子に教科的な学習の楽しさを体感させたい、
お母さんからのご相談を伺い、私はそのような願いをかなえるために、自分の経験を活かすレッスンを構成したいと考えていました。
前回のレッスンの時に、特に数にかかわる学習で、目を輝かせていたのが見て取れました。
すべて言語で相手に意志を伝えることが、あまり得意なタイプではありませんが、それだけにそのピュアな気持ちはダイレクトに伝わってくるように感じていました。
こうした読み解きは、すべてこれまでの子どもたちとのレッスンを通して、身につけてきた感覚です。
私の今は、すべてこうしたこれまでの子どもたちとのレッスンの積み上げの中から、培われてきたものです。
一人一人の子どもたちとの出会いから生まれた大切なことを、また新たな子どもたちとの出会いに、しっかりと生かしていきたいと思っているのです。
↓ レッスン修了後、保護者の方より、以下のような内容のメールをいただきました。
SHINOBU先生
昨日はレッスンをしていただきありがとうございました。
息子は昨日も今朝も「勉強した(*^^*)」「333」(←333号室の意)と何度も言っています。今まで色々経験してきまして、これ程自分から伝えてくる事は初めてです。とても楽しかったのだと思います。
そして私も先生とお話出来た事でとても心が救われました。一言一言が私が迷っていたり不安に思っていた答え、助言をいただけ、これからの励みになりました。ありがとうございました。
本当にご縁があり先生に出逢え、レッスンを受けられる事に感謝です。
これからもどうぞ宜しくお願い致します。

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ノンバーバルコミュニケーション
2017-11-23

4月から、インクルーシブ教室白ゆりに来てくれた男の子がいます。
最初からスムーズに学習室での取組が出来ていたわけではありません。
まだ慣れてないということもあったろうし、私のその子に対する理解度があまり高くなかったこともあったろうし、相互のコミュニケート自体があまり豊かではなかったこともあったので、一定の時期を待つことにしました。
3歳になったのを契機に、マンツーマンレッスンを開始しました。
以前は行動のコントロールができにくい部分がありましたが、しばらくの期間その子の行動については自分なりの分析をしてきました。
一つの活動時間は、これまでの子と比べると、やはりまだかなり短めの感じでした。
しかし実際に学習を始めると、向上心は強く、一つ一つの行動の背景にその子の願いが垣間見えるようになってきました。
例えば大好きなアンパンマンの絵本は、わずか10秒くらしか見てくれません、
すぐに注意が転導して、別な活動に意識が飛んでしまいます。
しかし、今日それをもう見るのはもう終わりということではないということが、活動を通してだんだん分かってきました。
ならばということで、別な活動を始めたときにも、そのアンパンマンの本をすぐに片付けてしあむのではなく、その子の手の届くところにちょっとキープすることにしました。
案の定、別のおもちゃの活動が終わったタイミングで、「アンパンマンの本、もう一度見たい?」 と声かけをすると、すぐさまその子の表情に変化が見られました。
そこですぐさま 「アンパンマンの本、見たい人?」 と尋ねてみると、「はーい」 と言わんばかりのすてきな反応が返ってくるようになりました。
こうしたことを繰り返していくと、この子が何を求め、どんな活動がしたいのかが読み解けるようになってきました。
今では、レッスン開始の何分か前になると、個別指導室の前に張り付いて自分の順番を心待ちにするようになってきました。
レッスン修了後には、満足した表情で個別指導室から、次の活動にスムーズに移ることができるようになってきました。
表出言語が顕著に出てくるようになったというわけではありません、
ですが言語表出はなくとも、コミュニケーションレベルについては、他の子に決してひけを取らないレベルまでに向上したのは事実です。
まさにノンバーバルコミュニケーション、
他の療育機関の先生も、この子の急成長にはとても驚いておられます。
こうした子どもの大きな成長に寄り添えてきたこと、
もはやあなたは、かけがえのない先生の大切な教え子、
この先、それぞれのステージで、多くの子どもたち輪の中で、どんなふうに豊かに育っていくのでしょう、
支援者としての私は、この子の行く先々の成長を、これからもずっと応援していきたいと願っているのです。

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認定こども園 ステップアップ研修会Ⅱ
2017-11-22


今月20日と21日は、園長研修で大阪に来ています。
18・19日に、新大阪でのレッスンを終えたばかり、そして今週は、20日・21日が研修会、23日が堺教室でのレッスンがあり、まさに大阪漬けの週となりました。
12月には2つの事業所の監査があったり、来年度に向けた計画づくりがあったりするなど、超ハードな時期での研修だけに厳しいものがありましたが、だからこそ安易な気持ちになってはいけないと考えています。
来た以上は、それに見合う何かをつかんで帰らなければならない。
子どものために、保護者のために、職員のために、リーダーとしてその範とたる立ち振る舞いを、
器でもなく、身の丈を超えた役割だからこそ、心の中の後ろ向きな気持ちを振り払っていかなければならない、
これからも、今ここにいられる自分の役割に、ずっと感謝の気持ちをもってのぞんでいきたいと願っているのです。

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実践と理論
2017-11-21

先日、私がお世話になっている大学で、1年生の学生さんたちと、ADHDについての学習を行いました。
私は研究者ではありませんし、初めて発達について学ぶ学生さんも多い中、いい加減なことを学生さんたちに伝えるわけにはいきませんから、事前に十分時間をかけてその学習内容についての下調べと確認をするようにしています。
実はこのことが、ここに来て、私の臨床実践に与える影響が少なくないことが、実感出来るようになってきました。
>注意が継続しにくい子どもは、ショートターンのメモリと、情報のネットワークが脆弱な場合が多いが、えてしてその達成動機は高い場合が多い。
>ならば、その情報処理にかかわる見通しを事前に整理しておき、そのメモリーの容量に合わせて、小さなステップで次々達成させていくような内容構成が有効だよ。
私は、学生さんたちにそのような点を強調して伝えて置きました。
先日、大阪である5年生の男の子の読解指導を行いました。
事前にお母さんよりメールで、読解にかかわる注意力持続にかかわるご相談を伺っていました。
学生さんたちに伝えた、「情報処理にかかわる見通しを事前に整理しておき、そのメモリーの容量に合わせて、小さなステップで次々達成させていくような内容構成が有効」 そのことは、まさに今、自分の指導実践の大切なより所として機能し始めた訳です。
こうした実践のエピソートを織り交ぜて学生さんたちに伝えると、その目はまたいっそう輝いて見えます。
理論が重要か、実践が重要か、それはまさにそれは不毛の問いである、
子どもの学び舎育てを充実させていくためには、その両方が重要なのに決まっている、
まず目の前にいる子どもが全てであって、そこを見つめ、育ての目標や願いが生まれ、実践の仮説や計画の検証が始まる、
そして実践を積み重ね、子どもの育ちと共に、よりよきものへと改善し、ステップアップしていく、
そのプロセスは、百万通り、
ビギナーの保育士が、時にはベテランを凌駕するクリティカルヒットを放つことだってある、
教育とは、何と奥の深い、夢のある仕事
私にとって、これほどすばらしい仕事は他にない、
私が学生さんに伝えることは、いつもそんなことばかり、
去華就実、
この学生さんたちは、とても熱心に学習に取り組んでくれる、
この仕事をお引き受けして、本当に良かったと思っています。

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責任
2017-11-18

私はこの10年間、土曜日も日曜日も祝日も、すべて子どもたちのレッスンに明け暮れていました。
すごいですね、とよく言われますが、本当はすごくも何ともありません。
本来すべきことは全部誰かに任せっきりで、自分の好きなことだけに打ち込める環境があったから出来たことで、この環境さえあれば、好きな仕事であれば誰だって出来ることです。
個別レッスンを始めた頃は、保育園の副園長で、給料は少なくともそれはそれはお気楽で恵まれたポジションでした。
ところが今は、小さいながらも保育園の園長となり、発達支援の2つの事業所を統括する責任者となり、その責任は以前とは比べものにならないくらい重くなってきました。
17日に、家内が手術を受けました。
幸い手術は無事に終わり、術後の不安も小さくなりましたが、その時間は色々な思いが脳裏を駆け巡りました。
小学校の教員時代、教頭試験を受けている最中に、学校を退職してでも大学院で学びたいと言い出したとき、全ての人は大反対でした。
今から考えると、こんな無謀なことが良く許されたなと、不思議に思うくらいです。
それでも家内はむしろ、きらきらした目で 「行ってらっしゃい」 と私を応援してくれました。
その後、白ゆり教室という小さな教室を開きましたが、その半年間は月にいただくお月謝が5万円にも満たず、家賃も出ない状態が続いていました。
やがて、子どもの数が増えたときに、もっと多くの子どもたちのためにと、渋る私を横目に、児童デイサービスへの事業化を進めたのも彼女の決断でしたし、発達支援センター本館の補助金申請に奔走し、1億近い立派な建築物を完成させたのも、そのほとんどが彼女の力でした。
そんなことは、数をあげれば限りはありません。
手術が終わったのは、9時過ぎのことでした。
病室へ帰るやいなや、まだもうろうとした意識の中で、「SHINOBUさんは明日の大阪があるんだから、早く帰って」 と開口一番告げたのも彼女でした。
こんな風に言われて、一体誰がいい加減な気持ちで、大阪に行けるというのでしょうか?
結婚したその日から、いつも彼女はそうだった。
大阪は、朝から雨、
こんな中、私のレッスンを楽しみにしてきてくれる子と、熱い願いを私に託してくださるご家族。
私の責任は、決して軽くはないのです。

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私の育てのその一歩
2017-11-17

今の女の子が手にしているのは、くまのプーさんの入れ物に、球体・立方体・正三角錐の立体を入れていく遊びです。
私は勝手に 「シェイプソート」 という名前を付けていますが、知育いすデスクで学習が出来るようになった子の導入には、必ずこの教材を使います。
どうですか、この表情?
さすがに、全ての子がここまで生き生きとした表情を見せてくれるとは限りませんが、ほとんどの子はこの活動が大好きです。
中には、2回3回と繰り返して遊ぶ子も結構な割合でいます。
逆に言えば、この活動で食いつかなければ、レッスン自体の構成が難しくなってしまいます。
しかし、おそらくは私以外の職員の誰がやっても、こんなふうな表情はなかなか見せてくれません。
シンプルな教材だからこそ、そこには腕の差が歴然と示されるのです。
そのポイントはいくつかあります。
まず一回目は、周到な支援を入れて、子どものエラーを絶対に起こさせません。
その子にピースを持たせるタイミングや、提示の仕方、
そして、その持ったピースの動きに合わせて、微妙に入れ物の方を動かしてやります。
そうすれば、エラーレスで100%の達成率を上げることができます。
これまで、形の認知や手指の巧緻性が育たず、パズル系の活動が苦手な子どもでも、カランカランとリズム良くはまっていく型はめは、予想以上の快刺激となり、プラスの気持ちを育んでいきます。
一定の回数、完全習得エラーレスの活動を続けたら、少しだけ支援を除去して、トライ&エラーの領域の活動を構成します。
今までスパスパとはまっていたピースがとたんはまらなくなるのですから、そのには子どもの追求心が生まれてきます。
その支援を出したり、引っ込めたりしながら、丸のピースは三角や四角でははまらないことを、エラーの活動を通して学んでいきます。
まさに、思い切り安心してエラーできる学びの場を構成することにより、子どもは学び育っていくのです。
思い切りエラーのできる活動を構成するためには、子どもとの信頼関係、、コミュニケート力、教材のもつ教育的な価値は不可欠です。
それなくして、こうした活動はなかなか構成できるものではありませんし、そのタイミングや支援の加減には、その子の特性理解と実戦経験の積み重ねが基盤となってきます。
このシェイプソートの活動で技術を磨けば、これはすべての活動に応用できます。
小学生以上のプリント学習でも、ポイントとなる事柄は、基本的には何も変わりません。
要は、教材のねらい、子どもの実態、支援者としての願いを、活動ごとにどう構成していいかを考え工夫していけばいいわけです。
一つ一つのレッスンはすべてライブ、
一つとして同じものはありません。
汲めども尽きぬ水、
この子どもの笑顔があればこそ、私のチャレンジは、これからもずっと続いていくのです。

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子どもの課題を関係性の中でとらえる
2017-10-31

私がお世話になっている大学で、学生さんから前期の授業評価のアンケートをいただきました。
学生さんのご機嫌とってまで点数をあげたいとは全く思っていませんでしたが、自分の授業が学生さんの目にどう映っているかは知りたいし、今後の授業に生かせるものがあれば、謙虚に取り入れていきたいと思いました。
評価の数値自体は、自分が予想していたものより高かったと思いました。
それ以上に、授業の感想として何人かの学生が、「実践現場の最新の具体的事例がとても参考になった」 と書いてくれていたことがうれしく思いました。
中にマイナスの感想として、「授業中の私語について、先生の方でもっと厳しく注意してほしい」 というものがありました。
このことについては、複雑な思いがありましたし、いろいろな意味で情けない話だと感じていましたが、熱心に授業に取り組もうとしていた学生さんには申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
このことを受け、後期の授業では授業のスタイルを改善してみることにしました。
席を学籍番号順の指定席にしました。
それから15回の授業を通して身につけてもらいたい目的や内容を事前に明確に示し、その時間ごとのワークシートとミニテストを実施することにしました。
また、一方的に私の話を聞くだけでなく、マイクを回してなるべく学生にも授業に主体的に参加してもらう場を構成しました。
このスタイルで、昨日5回目の授業が終了しました。
初回の時は、授業開始5分、いきなり目の前で居眠りをする学生がいてがっくりきましたが、2回目以降は眠そうな顔をする学生もいなければ、私語をしたりぼんやりする学生は目につかなくなりました。
90分間、一生懸命学習に取り組む学生が増え、手応えもあり毎回の授業が楽しくなってきました。
うまく行かないことを子どものせいだけでとらえない、
うまく行ったことを、自分だけの力と思い上がらない、
もしもうまく行かないことを、全部学生さんのせいにしていたら、きっとこんな改善は見られなかったはず、
それは保育園でも、小学校でも、中学校でも、きっと同じはず、
あなたは私の大切な教え子、
なくてはならない大切なクラスメート、
そう思えば、改善の糸口は必ず見つかるはず
そうでないのは、きっとその気持ちが欠けているからだと、私は信じているのです。

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誇りに思う君の育ち
2017-10-30

長い間直接子どものレッスンにかかわっていると、色々な子どもに出会ってきます。
はじめから相性がぴったりと合い、卒業まで弾むように取り組む子もいればそうでない子もいます。
初めて幼児のマンツーマンレッスンを始めた頃は、ずっと泣き続けてレッスンにならなかったことや、次から次へと手当たり次第玩具をほり投げられて途方に暮れたことだってあります。
写真の男の子は、この頃目に見えて急成長を遂げている子です。
今では、30分間一度も意識が切れることなく、活動に集中することが出来ます。
コミュニケートも豊かになったので、マイナス行動を引き起こす要因がなくなりました。
表情も笑顔いっぱい、私も楽しいので笑い声が絶えることがありません。
理解言語も増え、表出言語も格段にクリアになってきました。
おまけに知的教材への達成動機が高くなり、ひらがななど文字に対する意欲も日に日に高くなってきました。
この一年で、どれだけ大きな成長を遂げたことでしょう、
この子の成長は、私の手柄でも何でもありませんが、ずっとずっとその育ちにかかわり続けられたことを、私は何よりの誇りに感じるのです。
こんなことがあるから、この仕事はやめられませんね。
どの子にもあるその可能性、
成果の見えにくいときこそ、教育者としての真価は問われるのです。
あなたは私たちの宝物、
今後さらなる成長を、ずっとずっと楽しみにしています。

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花子ちゃんの職場実習
2017-10-26

小学校1年生からサポートしている花子ちゃんも、高等部の2年生になりました。
レッスンの時に、先週から職場実習に行っていると聞き、さっそくこの日に実習先のCAFEにおじゃましました。
お店に入ると、ガチガチに緊張した緊張した花子ちゃんが、すぐに注文を取りにきてくれました。
なかなかおしゃれな感じのお店で、花子ちゃんにぴったりのお店だと思いました。
私がモーニングセットをいただいている間に、花子ちゃんはカウンターでサイフォンの手入れなどをしていました。
指導をしてくださっている店員さんも、感じのよいきれいなお姉さんといった感じでした。
こんなふうにずっと、花子ちゃんがこんなお店で働いてくれたら、きっときっと毎週は行くだろうなと思いました。
私には、特別何か言葉をかけたりはしませんでしたが、店員のお姉さんとはごく自然な感じで、豊かにコミュニケートが出来ていました。
先生に、私の子どもの指導をしていただきたいのです、
花子ちゃんのお母さんのあの一言から、今の私のすべての活動がスタートしたのです。
一度教えたら一生担任、
どこに行っても、いくつになっても、何があっても、私とこの子のつながりはきれる訳がないのです。

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伸びる子どもの可能性
2017-10-25

今日、発達支援センターの学習サポートをのぞきに行くと、ある5年生の男の子が面積の学習をしていました。
今では若手の先生に担当を任せていますが、私は保育園の頃から4年間その子の個別指導を行ってきました。
入園同時は、行動のコントロールや集団適応自体が大きな課題でした。
入学と同時に、小学校への訪問支援も始めました。
就学までひらがなの読字もおぼつかなかった子が、小学校高学年になり、このように標準化されたプリントに取り組めるようになるとは、私の喜びもひとしおというものです。
そういえば先日、大阪で3歳から個別指導をさせていただいている女の子も、始歩が2歳7ヶ月と聞き、とても驚きました。
その子も今通常学級の5年生になり、漢字学習で大きな伸びをみせたり、運動会でも応援団のリーダーとして活躍したりという本当にうれしいニュースをお聞きすることになりました。
たとえ今、何か大きな課題に向き合っていたとしても、3年後5年後は、どうなっているかはわかりません。
私が他の誰よりも、子どもの可能性を信じてやまないその理由、
まぎれもなくそれは、今君たちが豊かに学ぶその後ろ姿、
それ以外の何ものでもありえないのです。

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数値化出来ない学びの評価
2017-10-21

私には、一定の経歴であったり、実績であったり、社会的な立場がありますから、ある意味それだけで、保護者の方は大切なお子様の育てを託すための裏付けとしてくださいます。
しかし当たり前のことですが、子どもには、私の肩書きも経歴も、まったく関係ありません。
学びそのものに充実感や手応えがあれば目は輝きますし、そうでなければレッスン自体が全く成立しなくなってしまいます。
そのことを一番知っているのは、私自身であり、だからこそ私は日々真剣勝負で1回1回のレッスンに取り組むことが出来たのです。
時々子どもが、信じられないようなきらきらとした表情を見せることがあります。
それはきっと、私以外が知ることのない特別なものだと感じています。
正直、これがあるからこそ私は、土日祝日返上で、10年間の実践を積み重ねることができたのです。
カメラを構えた時には、ほとんど子どもの場合、その表情は消え去った後になってしまします。
お母さんや記録係の先生が同席していた場合は、なかなかそんな展開にならないのが普通です。
私は今、伊福町の個別教室に、私の手元のスイッチで、いつでも動画がレコードできる設備を付けようと計画しています。
そして控え室でお待ちのご家族にはモニターで、リアルタイムでその学びの姿や表情をご覧いただくことは出来ないか、
そしてすべての個別レッスンのようすを、映像としてレコードすることは出来ないかと検討しています。
数値にはなりにくとも、その質の充実感を示す新たな評価の尺度、
何はなくとも、私には、学びを通した子どもの笑顔が欲しい。
10年の時を経てたどりついた、私の新たな価値感、
私のチャレンジは、これからが真のスタートなのかも知れません。

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学びの窓を開く
2017-10-19

今私が直接レッスンをさせている子どもの中にも、いわゆるIQ値がとても高い子がいます。
標準的な教科プリントなら、あっという間に100点です。
45分のレッスン時間の中で、その100点のプリントを、最低でも10枚以上やり遂げることが出来ます。
プリントで100点をとることは、それは立派で大切なことです。
ですがこの日とった100点については、特に私のお手柄ということでもなければ、ご両親が私に託した願いそのものではないのです。
当たり前のことですが、100点取ったらバラ色の人生が開けるとか、その子の人生すべてが100点であったりとか、その単元の理解度が100%であったりとか、そんなわけでは全くありません。
写真の男の子は、来春には小学生になる男の子です。
このところ独立歩行が、とてもしっかりとしてきました。
そのこともあって、このところ認知面の発達に大きな変化が見られ始めました。
私がマンツーマンレッスン始めさせていただいていた頃は、写真のような教具を提示しても、まるっきり無反応で学習活動に広がりは全くみられませんでした。
しかしこの頃は、違います。
私が提示する教材に食いつくように手を伸ばしてきますし、その表情はきらきら生き生きで、弾むように活動に取り組んでいきます。
一つ一つの活動に意味があり、成長があり、手応えがあるので、30分のレッスン時間中ずっと笑顔と笑いにあふれ、あっという間に時間が過ぎていくのです。
もちろん、課題そのものは、年齢相応のものではないかも知れません。
しかし、この1~2年の成長のクオリティーは、私が教えている子の中でも、出色のものがあります。
どれだけ私に実践者としての喜びを与えてくれたか知れません。
そしてこれからの成長の可能性に、大きな夢を抱かずにはいられないのです。
学びの道、育ちの道は百万通り、
誰一つとして、同じ物はないはずです。
小さなものさしだけで、人の育ちをはかるなんて、全くもってナンセンス、
君には君の育ちがあり、学びがある、
目の前の学びの窓は、今はっきりと未来に向けて開かれたのです。

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