人との関わりが やる気と幸せを育む (大脳辺縁系を刺激するアプローチ)
2008-07-07
人とのコミュニケーションがむずかしいタイプのお子さんはいらっしゃいます。私が養護学校でTAをさせていただいたときに、クラスの6人のほとんどは、コミュニケーションが苦手なタイプのお子さんでした。
でも、「コミュニケーションが苦手」だからといって「みんなといっしょに活動すくことが嫌い」ということでは、ありませんでした。
みんな、友達や先生と仲良く楽しく暮らしたいと願っていて、何かのことで、コミュニケーションがとれないことがつらいだけで、決して人とのつきあいそのものが嫌なのではない、ということをいつも教えてくれました。
「大切な脳の話」(2/21)でも触れましたが、脳には「大脳辺縁系」という部分があって、食欲や睡眠など、人間の基本的な欲求をつかさどっています。
人間の集団欲は、この大脳辺縁系に局在しています。
つまりは、集団に属したいという欲求は、食欲と同じようなレベルであって、それなくしては決して生きていけないというような、極めて一時的な欲求であるということが言えます。
昨日、一昨日と、私は志を同じくする先生方と一泊二日で、共に語り合う機会をもたせていただきました。
それは、「診断や技術を入り口とするのではなく、まずは子どもに向き合い、子どもの成長を考えていこう。その中でこそ、それぞれの専門性を生かしていこう。診断名やテクニックばかり先行しがちな現状に、あえて人間そのものに目を向け、人との関わりを大切にしたアプローチを大切にしていこう」 そういう趣旨の集いでした。
一人を除いて、後はその日初めてお会いした方々ばかりでした。
しかし、私はこの時、何とも言えない幸福感に包まれていました。
何年ぶりでしょう、こんな幸せな感覚。同じこと・同じ志をもち、しかも、すばらしい実績をお持ちの方と語り合うことにより、私は一人ではない、という何とも言えない力強い感覚と、満ち足りた思いがわき上がってきました。
やる気になった、なんてものではありませんよ。大げさに言えば、人間が生まれ変わる瞬間です。
人がやる気になる、人が幸せを感じるのは、こんなメカニズムなのではないでしょうか?ここを刺激せず、一体どこを刺激したら良いのでしょう?
私は不調の時、宴会に行っても全然酔えず、作り笑いをしながら、行きたくもないカラオケに付き合って、日に日に落ち込んでいく自分を、別な角度から心配そうに見つめている、もう一人の自分の視線をいつも感じていました。
私も結局その時は、Drと薬に頼らざるを得ませんでした。一歩間違えたら、どこまで転落していたか知れたものではありません。
この命がけ?の体験は、ぜひとも子どもの成長と幸せに還元したいと思うのです。
その子が、その子らしさの持ち味で、その子の夢と志を共有できる人と出会えたらならば・・
どんな風にかかわったら、いいんだろう・・・
どんな風に、ご家族の方と歩んだらいいんだろう・・・
仲間・家族・そしてパートナーシップこそが、キーワードだと、私は思っています。
それをベースにしてこそ初めて、高度の専門性が、生かされるのだと考えています。
自分という存在が無意味に思えること、本当に苦しいことです。いろいろな状況が、知らず識らずのうちに、じわりじわりと自分を苦しめていきます。
でも、一人じゃない・・・
そう感じ始めた頃から、歩みは始まります。
人は人の中でしか幸せを感じることができない。
だとしたら、子どもを育て幸せにしていくためのアプローチも、もっと人との関わりを中心に組み立てて行っても良いのではないかと、私は考えているのです。
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